妊娠20週目の妊婦の様子
妊娠20週目は、子宮底長が約18~21cmになり、つわりなどの不快な症状から解放され楽になったと感じる人が増える時期です。母体の新陳代謝が活発になり、妊娠前よりも髪の毛や爪が早く伸びてくることがあります。
また、胎児の動きはさらに激しくなり、手足が子宮壁にぶつかることで胎動を感じ始めるでしょう。
胃や膀胱(ぼうこう)が圧迫される
妊娠中は、子宮が大きくなることによって胃や膀胱(ぼうこう)が圧迫され、胃もたれや頻繁に尿意を感じることがあります。
胃の圧迫感によって十分に食事が取れないこともあるため、つらいと感じたらできるだけ楽な体勢で休むようにします。症状について気になるようであれば医師に相談しましょう。
腰痛になる
横になるのも辛い程でしんどいです(>_<)
先生には、歩行困難にまではなってないし大丈夫でしょう。妊娠中でホルモンの影響で痛んでるんだと思う。赤ちゃんがちゃんと出てこれる様に準備をしてるんです。産むまでは続きますよ。なんて言われました。笑
整骨院等は赤ちゃんに影響があるのかなーなんて心配になりそうなので行ってません。
湯船に浸かってると少し痛みが和らぐ気がするので、その時に軽くマッサージする程度にしてます(OvO)
なるべく重いものなど持たないように
心掛けてはいるんですか、
どうしてものとき少し持ってしまうと
しばらくすると腰が痛くなります。
腰痛になったらすぐ布団に横になるなどして
安静にはしてますが
妊娠中期になると、大きくなったおなかの重さで体の重心がずれて姿勢が悪くなることや、出産に向けて骨盤がゆるんでくることで腰痛を起こしやすくなります。
腰の負担を軽減するためにも、日中は妊婦帯やガードルを使用して、おなかや腰を支えると少し楽になるかもしれません。痛みが出ているときは安静にすることが大切ですが、痛みが続く場合は医師に相談するようにしましょう。
また、筋肉の活発な動きを促すエゴスキューやマタニティヨガのメニューには、妊娠中でもできるエクササイズがあります。簡単なエクササイズで骨盤を整えることができるため、今のうちに痛みがない状態にしておいた方が安心です。
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P86-87(学研プラス,2017年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P54-55(朝日新聞出版,2016年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P98-101(永岡書店,2006年)
- エゴスキュー・ジャパン協会「エゴスキューについて」(http://www.egoscue.or.jp/egoscue/index.html,2018年10月9日最終閲覧)
妊娠20週目の胎児の様子
- 胎児の大きさ:約250~300mm
- 体重:約300~350g
妊娠20週目になると、胎児が新生児の体型に近づきます。心臓の動きが強くなり、超音波検査で心音がはっきりと聞き取れる程になります。
また、胎児は筋肉や骨が強くなり、手足の動きもより活発になってくるでしょう。
胎児の生殖器が完成に近づくため、ある程度性別がわかるようになります。しかしこの時期の性別判断はあくまでも目安のため、正確な判断はもう少し先になることもあります。
赤ちゃんのポジションによっては、生まれるまで性器が見えない場合もあります。
外の音が聞こえるようになる
味覚、臭覚、聴覚、視覚、触角の五感がより発達していきます。この時期は聴覚の発達が著しく、今まで以上に聞こえる範囲が広くなってきます。
おなかの外の音が聞こえるようになるため、大きな音に反応して動き出すことがあるかもしれません。
睡眠リズムが安定してくる
妊娠21週目になると、胎児は約20~30分おきに睡眠と活動を交互に行い、寝たり起きたりを繰り返すようになります。胎動のサイクルで、胎児が活動する時間がわかることもあります。
胎動を感じるときは、おなかをなでたり、話しかけたりしてコミュニケーションを取ってみましょう。胎児は外の音が聞こえ始めるため、呼びかけに反応してくれるかもしれません。
胎児とのふれあいは、母体のリラックスにもつながるため、楽しみながら行ってくださいね。
体型が新生児に近づく
妊娠20週目になると、身長や体重はまだ小さいものの胎児の体型は新生児に近い状態にまで成長します。目は閉じていますが、鼻や唇が形成され、見た目は新生児そのものです。
呼吸器も発達し、羊水を飲み込んで肺にためてから吐きだす呼吸の練習をします。
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P80.86-87(学研プラス,2017年)
- 冬城産婦人科医院「胎動について」(http://www.fuyukilc.or.jp/column/胎動について/,2018年9月13日最終閲覧)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P54-55(朝日新聞出版,2016年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P98-101(永岡書店,2006年)
- 日本産科婦人科学会「胎児計測と胎児発育曲線について」(http://www.jsog.or.jp/public/shusanki/taiji_hatsuiku_kyokusen.pdf,2018年9月13日最終閲覧)
妊娠20週目の過ごし方と注意点
妊娠20週目になると、体調や気分が落ち着いて過ごしやすくなってきたという人もいるはずです。体調がよければ、マタニティスイミングやマタニティヨガなど、妊娠中にできる運動に挑戦するとよいでしょう。
しかし、安定期であっても体の疲れや腰痛、口腔内に歯周病を誘発する細菌が増えることで歯茎の出血が起こるなど妊婦特有のトラブルが生じやすいときでもあります。体調に変化があった場合は無理をせずゆっくりと過ごせるとよいですね。
歯科健診を受ける
妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの分泌によって、歯周病やむし歯の原因となる菌が増殖しやすくなります。気になる症状がなくても妊娠中期の間に一度歯科健診を受けておきましょう。
歯周病やむし歯があるまま出産を迎えると、胎児が細菌感染する可能性もあるため、できるだけ早めに治療をすることが大切です。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病に注意する
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病は、妊娠中期頃から発症する妊婦特有の病気で、ホルモンバランスや体の変化、急激な体重増加によって起こります。
発症を防ぐためにも、以下のような点に気をつけながら過ごしましょう。
- 規則正しい生活を送る
- 体重管理をする
- ストレスをためない
- 適度な運動をする
妊娠前から心臓や腎臓(じんぞう)、婦人科系の持病がある人は、妊娠が判明した段階で主治医と相談しサポートを受けながら妊娠の経過を見ていく必要があります。
また、妊娠前に異常がなかった人でも妊娠の経過によっては発症するリスクがあるため、規則正しい生活を心がけて予防することが大切です。
後期流産に注意する
妊娠12週~妊娠22週の間に流産してしまうことを後期流産といいます。後期流産は、初期流産とは異なり母体側に原因があることが多く、子宮筋腫や子宮頸管無力症、過度の疲れやストレスによっても起こる可能性があります。
出血や腹痛といった症状がみられた場合は、すぐに病院を受診しましょう。
- 日本大学多摩永山病院「流産」(https://www2.nms.ac.jp/hahanet/sign1_1_2.html,2018年9月13日最終閲覧)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産 」P85.96-98(学研プラス,2017年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P140-141(朝日新聞出版,2016年)
- 横浜市歯科医師会「妊婦歯科健診」(http://www.yokoshi.net/?page_id=3573,2018年9月13日最終閲覧)
安定期であってもゆったりと過ごしましょう
妊娠20週目になると、妊娠初期に感じていたイライラや感情の激しい浮き沈みが落ち着き、気持ちに余裕ができて活動的になる人もいるでしょう。
しかし安定期であっても、妊娠中はさまざまなマイナートラブルが起こりやすい時期です。また、自分では体調がよいと感じていても、体は疲れやすい状態のため無理をしてはいけません。体調が優れないときや、疲れを感じているときはしっかり休息を取ることが大切です。