妊娠15週目の妊婦の様子
妊娠15週になると、胎盤が完成しつわりの軽減によって体調がよくなってくる時期です。しかし、ホルモンバランスの影響で鼻血が出やすくなったり、徐々に子宮が大きくなることでおなかの張りが出たりすることも。
妊娠15週は、今まで以上に母体、胎児ともに大きな変化を遂げます。
おなかが大きくなる
妊娠15週になると、まだおなかのふくらみをあまり感じない人がいれば、おなかがふっくらとしてきたと感じる人も出てくるでしょう。おなかが出てくる時期には個人差がありますが、ジャストサイズの洋服を着ているとおなかのふくらみで妊娠に気づかれることがあるかもしれません。
妊婦自身これまで来ていた服がきつくなってくることで、おなかのふくらみに気がつくということもあるでしょう。しかし、おなかの大きさには個人差があるため、この時期にあまりおなかが大きくなくても焦る必要はありません。
つわりが落ち着く
胎動を感じる前につわりも終わり、ベビちゃんが元気なのかなんだか不安になってきました。つわりも、もともとあんまりひどくなく始まりも早かったです。つわりは『ベビちゃんが育ってる証!』
と思って乗り越え、妊娠を実感していました
最近は、つわりも落ち着いてきたので食事は腹八分
とにかく塩分に気をつけています。
食事制限というより、バランス良く食べ過ぎないという事が大切かと思います。
妊娠15週になるとつわりが軽快し、心身ともに楽になります。つわりはほとんどの人が妊娠16週までには落ち着いてきますが、一旦症状がおさまってもまたぶりかえしてしまうこともあるため油断は禁物です。
また、今までつわりの影響であまり食べられなかった人は、つわりが落ち着くことで食欲が増し急激な体重増加につながることがあるため注意しましょう。
胎盤が完成する
妊娠15週目になると胎盤がほぼ完成します。胎盤は胎児の生命維持に必要なもので、胎児は胎盤を通して酸素や栄養などを受け取り、二酸化炭素や老廃物を母体に戻すことができるようになります。
完成した胎盤は妊娠10ヶ月まで胎児とともに成長し続け、出産時に胎児が子宮内から出てきた後に体外へと排出されます。
今まで母体が行ってきた役割を胎盤が代わりに行ってくれるようになるため、母体の負担が軽減され体調がよくなってくるでしょう。
鼻血が出やすくなる
今まで、夏に暑過ぎてのぼせて出ることはありましたが、こんなに頻繁じゃありませんでした!
くしゃみしても、垂れてきたりしますw😱
先生に聞いたら妊娠中は血液量が増えることとホルモンの変化で鼻血がよく出るそうです(´・c_・`)
止まらなかったり頭痛等もするようなら別の原因かもしれないので早めに先生に相談した方が良いですよ!
妊娠15週目は、体内の血液量が増加や卵胞ホルモン(エストロゲン)の作用によって鼻血が出やすくなったり、鼻が詰まりやすくなったりすることがあるでしょう。
卵胞ホルモンには、鼻の粘膜を膨張させる働きがあるため、特にアレルギーを持っている人は妊娠中に症状が強くなる傾向があります。
妊娠中は鼻腔(びくう)の血管が傷つきやすい状態のため、片方ずつ優しく鼻をかむようにしましょう。鼻腔(びくう)を乾燥させないことも大切です。
加湿器や濡れたタオルを干すなどして、室内の乾燥対策をしましょう。また、湿度だけでなく室温にも注意が必要です。暑すぎず寒くなりすぎないように工夫をしましょう。
おなかが張る
妊娠初期は、まだ子宮が小さいこともあり子宮収縮が起こることはあまりありません。しかし徐々に子宮が大きくなることで、子宮を支えている靭帯(じんたい)が伸びるとおなかの張りを感じる場合があります。
出血がなく、超音波検査で胎児の心拍が確認できていれば気にする必要はありません。しかし、子宮収縮によるものであれば安静や張り止めの薬が必要になることがあるため、違和感がある場合には医師に相談しましょう。
- 佐藤クリニック「おなかが張るということ」(http://www.sato-clinic.com/press_vol26.php,2018年8月23日最終閲覧)
- 竹内正人(監)「安心マタニティブック」P75.77(永岡書店,2006年)
- ドクターウイリアム・シアーズ(著)他「シアーズ博士夫妻のマタニティブック」P169(主婦の友社,2014年)
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.10産科」P30(メディックメディア,2015年)
- 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産事典」P42-43(朝日新聞出版,2016年)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産 」P56-57 (学研プラス,2017年)
妊娠15週目の胎児の様子
- 胎児の大きさ(CRL):約15~16cm
- 体重:約100~120g
妊娠15週目になると、胎児は手足の骨や筋肉などが急成長し、羊水の中で活発に動き回るようになります。
超音波検査では、赤ちゃんらしい体つきをしていることがわかるでしょう。この時期の胎児の大きさには個人差があるため、妊婦健診で小さめと指摘を受けてもあまり悩む必要はありません。
体の器官形成はほぼ完了する
妊娠15週目になると、妊娠初期の頃に始まった胎児の脳や内臓、手足といった器官の形成が完了します。髪の毛が生え、骨や筋肉も発達して、超音波検査では胎児が手足を動かす様子もわかるようになるでしょう。
妊娠15週末には声帯が作られ始めますが、羊水の中にいるため胎児が声を出すことはありません。生まれた後に備えて、おっぱいを飲む練習も始めます。
外性器が発達して性別がわかる場合も
妊娠15週目になると、胎児の外性器が完成の時期に入り性別がわかるようになります。通常妊娠17週~18週以降になると超音波検査で胎児の性別が確認できるようになりますが、早ければ妊娠15週頃にわかる場合もあります。
ただし、性別や角度によって生まれるまではっきり見えないこともあります。
- 松戸市「妊娠とからだの変化」(https://www.city.matsudo.chiba.jp/kosodate/matsudodekosodate/kosodatenavi/ninshinshitara/mamapapa/text.files/ninshinkarada29.pdf,2018年8月23日最終閲覧)
- 丸茂レディースクリニック「よくある質問」(http://www.marumo-ladies.jp/faq/index.html,2018年8月23日最終閲覧)
- 竹内正人(監)「安心マタニティブック」P76(永岡書店,2006年)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P56-57(学研プラス,2017年)
- 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産事典」P42-43(朝日新聞出版,2016年)
- 日本産科婦人科学会(監)「Baby+お医者さんがつくった妊娠・出産の本」P24.25(リクルートホールディングス,2015年)
妊娠15週目の過ごし方と注意点
つわりがおさまり体調が安定してくると、食欲が増して体重増加にもつながります。妊娠中の急激な体重増加は、妊娠高血圧症候群を引き起こすリスクがあるため、BMIをもとに時期に合わせた適正な体重増加を心がけたいものです。
食欲が出てきたというときは、食事の際にタンパク質や野菜をしっかりと取ることでできるだけ間食をしないようにするとよいでしょう。
妊娠15週は後期流産に注意
無力症で子宮口が開き13wから切迫流産で入院してましたが出血、破水して袋が出てきてしまい陣痛が来てそのまま19wでお産になりました。
妊娠15週目になると胎盤が完成し、流産する確率は低くなりますが可能性はゼロではありません。妊娠12週~妊娠21週までに起こる流産を後期流産といい、子宮筋腫や子宮発育不全、頸管無力症など主に母体側に原因があるとされています。
出血や腹痛などが起こった場合はただちに病院を受診するようにしましょう。
出生前診断を検討している場合はこの時期に
29歳、妊娠15週目です。
30歳の人でダウン症の子の確率は952分の1、
羊水検査をして流産する確率は300分の1。
費用は15万円ほど。
確率はあくまで確率。自分がまさにその1人になる可能性もあります。
羊水検査をするか、しないか、考え疲れてしまいました。
新生児の3~4%に染色体異常や遺伝疾患、奇形といわれる異常が起こるとされています。妊娠中に胎児の異常を検査して診断することを出生前診断といいます。
出生前診断は、出産時に母親が35歳以上の高齢出産となるときや、夫婦のいずれかに染色体異常がある場合などに検査の対象となりますが、検査を受けるか受けないかは夫婦の意思によって決定します。
検査を検討しているようであれば、事前に家族や遺伝カウンセラーと話し合ってから決めるようにしましょう。
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.10産科」P72(メディックメディア,2015年)
- 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン産科編2017」P93-95(日本産科婦人科学会,2017年)
- 日本医科大学多摩永山病院「1.妊娠前期(4週から14週まで)のリスクサインと対応」(https://www2.nms.ac.jp/hahanet/sign1_1_2.html,2018年8月23日最終閲覧)
- 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P75(永岡書店,2006年)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P58(学研プラス,2017年)
妊娠15週目は安定期目前!油断せずに過ごしましょう
妊娠15週に入ると、つわりが落ち着き体調がよくなってくる人が増えてくるでしょう。体調がよくなると食欲が増してくる場合もありますが、この時期は胎盤を通して胎児に栄養を送るようになるため、バランスのよい食事を心がけることが大切です。
安定期目前ですが、まだ後期流産が起こる時期でもあるため出血や腹痛といった症状には注意が必要です。気になる症状がある場合は、すぐに病院を受診しましょう。
胎児は脳や心臓といった主要な器官が完成し、骨や筋肉などの発達も進む時期です。動きが活発になり、超音波検査ではまだ余裕のある子宮の中を自由に動く姿が確認できるかもしれません。また、生殖器の発達により早ければ性別もわかることもあるため、早めに性別を知りたいという人は妊婦健診の際に確認してみるといいでしょう。