妊娠4ヶ月の妊婦の様子
つわりも一番つらい時期を終え、安定期とされる16週に向け少しずつ体調が落ち着いてきます。食欲が元に戻り、体重増加に悩む人も。
おなかの膨らみが実感できたら、ストレスフリーなマタニティウェアの購入を検討するとよいでしょう。
12週目
子宮はグレープフルーツくらいの大きさに。つわりが落ち着いてくるため、反動で急に体重が増えてしまう人も。急激な体重増加は、難産や妊娠高血圧症などのさまざまなリスクを上げる要因になります。妊娠期の体重増加は少なすぎても多すぎてもダメ。かかりつけ医からのアドバイスに従いましょう。
食生活は赤ちゃんへの栄養分も必要になるため、カルシウム、鉄分、ビタミン、ミネラルを特に意識して摂取するよう心がけましょう。
ただし、栄養素の中には、摂取上限が決まっているものがあります。例えば、ビタミンAの摂り過ぎは催奇形性が指摘されていますし、初期に必要な栄養素として有名な葉酸も医師からの指示でない場合、上限が1mgとされています。
サプリメントで栄養を補う場合、マルチサプリ(混合栄養の錠剤)を何種類も使用するとうっかり上限を超えてしまう可能性が。わからない場合には、医師や薬剤師から説明を受けましょう。
13週目
子宮は小さめのメロンくらいのサイズに。おなかが大きくなると腰に負担がかかり、腰痛を感じるようになるかもしれません。
里帰り出産を予定している場合は、早めに現在通っている施設の医師に告げ、妊娠20週までには分娩予約ができるよう里帰り先の産院を探し始めましょう。
14週目
胸や下半身にベビーを守るための脂肪がつき、全体的にふっくらした印象に。子宮の大きさは新生児の頭ほどの大きさになるため、下半身のふくらみも目立ってきます。
服や下着がキツイと感じるようになったら体への締めつけが少ないマタニティウェアに変えましょう。唾液の量が減ることが原因で虫歯や歯周病になりやすくなります。歯のケアも忘れずに。
妊娠4ヶ月の胎児の様子
この頃の胎児の成長はめざましいスピード。妊娠4ヶ月前半と後半では、胎児がおおよそ倍の大きさに成長します。
12週目
赤ちゃんの大きさは約6~7cm。心臓、肝臓、胃、消化器官などがほぼ完成。皮下脂肪がつきふっくらして、より人間らしい顔つきになります。
胎盤の厚みが増し、羊水の量も増え、子宮内での活動が活発に。おなかのなかで、手で頭や顔をかくすような仕草も見られるようになります。
13週目
赤ちゃんは約7~8cmに成長。超音波検査では、脳みそが透けて見えることも。へその緒にあった腸は下腹部に収まり、小腸の周囲を大腸が囲い始め、正しい配置へと動き始めます。
内臓はほぼ完成し、肝臓、ひ臓、腎臓が機能し始めます。親指をなめる、握りこぶしを作るなど、複雑な動作もできるように。成長のスピードが一気に上がる時期です。
14週目
赤ちゃんの大きさは約8~9cm、体重は25~60g程度に成長します。胎盤のもととなる絨毛も確認でき、へその緒から酸素や栄養を安定して赤ちゃんに送れるようになるため流産の確率が下がります。
気管、咽頭、声帯ができ始め、神経回路の形成が進むなど、さらなる発達段階に入ります。
15週目
赤ちゃんの大きさは約10~13cm、体重は40~100g程度です。手足が伸びる、指紋や爪が作られる、皮膚が半透明になる、内臓の機能が整うなど、体の成長が目覚しい時期。
前立腺が発達し性器がはっきりしてくるため、超音波検査で赤ちゃんの性別が判明することもあります。
妊娠4ヶ月目の妊婦健診
妊娠4ヶ月の妊婦健診は4週間に1回。尿検査と体重測定、血圧検査、超音波検査、血液検査、浮腫検査、子宮底長測定、腹囲検査が主な検査項目です。
12週までの超音波検査は、棒状のものを腟に入れて検査する腟プローブ法。それ以降は、おなかの外からプローブをあてる経腹法に変わります。
12週以降は頭殿長の個人差が大きくなるため、頭の横幅(BPD)で赤ちゃんの成長を確認し、出産予定日を修正します。
エコーの種類
超音波検査には、2D、3D、4Dの種類があります。2Dは、子宮や胎児の体の断面を映したもの。ある程度の外見は見えますが、何が映っているのかわかりにくいのが特徴です。
3Dは、2Dの情報をコンピューターで再構築、着色することで奥行きが生まれ、立体的な画像として見ることが可能になったもの。それが動画として見えるのが4Dです。
妊婦健診を待たずに受診した方がよい症状とは?
少量で継続しない出血、おなかの軽い痛みや張りは緊急性がほぼないので、時間内の受診で問題ありません。頻繁に続く張りや止まらない出血、出血を伴う激痛があるときは産婦人科に相談してください。
妊娠4ヶ月の注意点
この頃には、不自由なく日常生活がおくれるようになってきた方もいるでしょう。しかし、生活する上で注意したいポイントがいくつかあります。
薬の服用
妊娠初期はおなかの赤ちゃんの臓器が形成される大事な時期。妊娠がわかったら服薬をやめましょう。万が一、薬を飲んでしまった場合はかかりつけ医に相談を。
持病の薬についても自己判断で継続せず、必ず医師に確認をとるようにしましょう。
急激な体重増加
つわりが収まり、体重が一気に増える時期。ここで太ってしまうと「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」を発症しやすくなるため注意。ダイエットはNGですが必要以上に食べ過ぎないようにしましょう。
- 胎児の発育や羊水過多、巨大児の原因になることがある
- 皮下脂肪が産道のまわりにつき、難産になりやすくなる
- 妊娠線ができ、消えにくくなることがある
- 産後、体型や体重が元に戻りにくくなる
体重が増えすぎると、これらのトラブルを引き起こす可能性があります。必要以上に食べ過ぎないように注意しましょう。
カフェインの摂取
妊娠中にカフェインをとると、血管が収縮し酸素と栄養分が滞る、カルシウムや鉄分の吸収を阻害する、流産や低出生体重児のリスクをあげる可能性があるなど、さまざまな影響を及ぼします。
英国食品基準庁では、妊娠中のカフェインの摂取上限を1日200mgに制限。コーヒー2杯分くらいであれば問題ありません。カフェインは栄養ドリンク等にも含まれているので注意が必要です。
安定期はもうすぐ。体重管理に気をつけて
赤ちゃんの性別がわかるようになるなど、健診のたびに目まぐるしく成長する赤ちゃんの姿をみて驚かされる人も多いのではないでしょうか?ママと赤ちゃんをつなぐ胎盤もでき、もうすぐ待ちに待った安定期。
マタニティヨガ、マタニティスイミングなどのスポーツなども楽しめるようになります。充実した安定期を過ごすためにも、体重管理を中心に健康的な生活を心がけましょう。
薬の服用など、不安や疑問に思うことがあったら、健診の際に医師に相談を。メモなどにポイントをまとめていくのがおすすめです。
※この記事の情報は2017年10月31日取材現在のものとなります。最新の情報は医療機関へ受診の上、各医師の診断に従ってください。