妊娠12週目の妊婦の様子
妊娠12週目になると、子宮は新生児の頭ほどの大きさになり、おなかがふくらんできたと感じる人が出てくるでしょう。
これまで着ていた服がきつく感じる場合は、少し大きめサイズの服や、マタニティウエアの購入を検討しましょう。
徐々につわりがおさまってくる
つわりの症状には個人差がありますが、妊娠8週頃にピークを迎え妊娠12週頃から徐々に落ち着いていきます。ほとんどの人が妊娠16週くらいまでには症状が治まります。つわりの不快感から解放されると、徐々にマタニティーライフを楽しめるようになるでしょう。
食欲が増して体重増える
もうそろそろ周期的にもつわりの終わる時期であり、食生活を見直そうと思ってますが、ここ最近になり無性に梅干し、漬物が食べたくて仕方ありませんT_T
つわりが落ち着き出し、食欲がどっと‼︎でてきました(●︎°×°●︎)食事の2.3時間後には、もうお腹がすきます!!こんな食欲がでるものなのでしょうか。体重増加が怖い!でもお腹はすく!ので、躊躇しながら食べてます、、、。
つわりが治まってくることで食欲が増してくる人がいるでしょう。この時期は徐々に胎盤が完成してくる時期で、胎児が母体を通じて栄養を摂取するようになるため、少しずつ食事の内容にも気をつけていく必要があります。
妊娠中にどれくらい体重が増えてもよいかは、妊娠前のBMIによって異なります。妊娠前がやせ気味だった場合は、むしろ妊娠中に十分な体重まで増やした方がよいため、妊婦健診で自分の「適切な体重増加量」を確認しておくとよいでしょう。
また、体重管理を行うことは妊娠高血圧症候群の予防にもつながります。
基礎体温が下がり熱っぽさがなくなる
妊娠12週頃になると胎盤が完成に近づき、徐々に胎盤からホルモンが分泌されるようになるため、ホルモンバランスが安定してきます。高めだった基礎体温が下がってくることにより、だるさや熱っぽさといった症状が和らいできます。
頻尿になりやすい
しかも、3回〜5回も。夜は水分を極力避けてはいますが、それでも目が覚めるほどです。
トイレが近くなるのは後期に入ってからだと思っていたのでびっくりです( Д) ゚ ゚
妊娠12週頃は頻尿に悩まされる人が多くいるでしょう。
胎児が大きくなっていくために、膀胱(ぼうこう)が圧迫され頻尿の状態が続くこともあります。何度もトイレに行くことがつらく感じるかもしれませんが、我慢せずに行くようにしましょう。
腰痛になりやすい
今日、朝起きたら腰痛が…(´・・`)
普段、腰痛になることなんて滅多にありません。仕事で重いものを持った次の日に痛くなることはありますが今は仕事を辞めて1ヶ月ちょっと経ちます。自宅では寝て休んだりしてることが多いです。
1人目の時は妊娠後期に腰痛に悩んでましたが、今回は妊娠初期からの腰痛にこの先、どうなんだろうと今から心配です。
妊娠12週目になってくると、子宮が大きくなってくることで腰の筋肉に負担がかかり痛みが出やすくなります。ホルモンの影響によって腰や背中の関節がゆるみ骨盤が開きやすくなるため、腰痛に悩まされる人もいるでしょう。
腰全体がうずくような鈍痛が起こることが多いですが、ズキズキとする痛みや鋭く刺すような痛みが起こることもあります。寝返りが困難になることもあるため、寝るときはおなかの下などにクッションを挟んで横向きに寝てみるなど工夫するとよいでしょう。
足がしびれるような痛みや、痛み止めが必要なほどの症状が出る場合は整形外科を受診した方がよいでしょう。
- 小諸北佐久薬剤師会「ママになるための基礎知識」(http://members.ctknet.ne.jp/shohoku/PDFfile-1.pdf,2018年8月9日最終閲覧)
- マリヤ・クリニック「健康生活へのアドバイス」(https://mariyaclinic.com/contents/advice/advice_2.htm,2018年8月9日最終閲覧)
- 南條達也(編) 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P56-57.59(学研プラス,2017年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P63.65(永岡書店,2006年)
- 日本産科婦人科学会「Baby+お医者さんがつくった妊娠・出産の本」P36(リクルートホールディングス,2015年)
- 竹内正人(監)「最新版この1冊であんしん妊娠・出産事典」P42-43(朝日新聞出版,2016年)
妊娠12週目の胎児の様子
妊娠12週目の胎児の頭からお尻までの長さ(頭殿長:CRL)は約50~60mmです。胎児の手足の骨が固まって強くなり、手足をより自由に動かせるようになっていきます。超音波検査では、胎児がよく動く姿を確認できる場合もあるでしょう。
消化器官が機能し始める
妊娠6週くらいから形成され始めた胃や肝臓、腸といった消化器官が少しずつ働き始めます。便を押し出すために必要な腸のぜん動運動が始まり、羊水を飲み込んで吸収することができるようになります。
乳歯と歯槽骨(しそうこつ)が作られる
胎児の歯の発達は妊娠8週くらいから始まりますが、妊娠12週に入ると歯ぐきの中に乳歯と歯を支えるための骨である「歯槽骨」がつくられます。
また、妊娠12週以降には徐々に永久歯の基礎が作られるようになるため、カルシウムをはじめ、カルシウムの代謝を促すビタミンDなどを積極的にとるようにしましょう。
胎毛が生え、顔つきがより人間らしくなる
妊娠12週を過ぎると、薄く透明だった皮膚が少しずつ厚みを増すようになります。骨や筋肉も発達し、顔にはうっすらと胎毛(産毛)が生え始めるでしょう。胎児はさらに成長し人間らしい体つきになっていきます。
- 吹田市歯科医師会「妊婦さんの歯の話」(http://www.ha-suita.com/qanda/qa_7.html,2018年8月9日最終閲覧)
- つしまファミリー歯科「お口の健康コラム」(http://tsushima-dental.jp/newstopics/695/,2018年8月9日最終閲覧)
- 佐藤クリニック「胎児の「すくすく」ストーリー」(http://www.sato-clinic.com/press_past/vol_21.html,2018年8月9日最終閲覧)
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.10産科」P24-25(メディックメディア,2015年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P65(永岡書店,2006年)
- 岡井崇(編)「標準産科婦人科学」P306(医学書院,2014年)
- 竹内正人(監)「最新版この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P43(朝日新聞出版,2016年)
下腹部痛やおなかの張りに注意
妊娠初期に不安に感じることといえば流産ですが、兆候として下腹部痛やおなかの張りといった症状があらわれることがあります。流産は、妊娠11週までに起こるものを早期流産、妊娠12週から妊娠22週までに起こるものを後期流産と分類しますが、起こる時期によって原因が異なります。
早期流産は、基本的に染色体異常など胎児側に原因があるとされていますが、後期流産は母体側に原因があることが多いとされています。特に妊娠初期に出血が起こっている場合は、出血した血液の一部が子宮内にたまってしまう絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)を引き起こすことがあり、後期流産の原因となります。
絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)とは
退院後も張り、痛みは続き結局20週あたりまでは内服してたとおもいます。痛みは16週ぐらいでだいぶマシだったきもします。
痛みがあるときはなるべくその場で横になり落ち着くまで安静にしてたほうが良いみたいです❗
絨毛膜下血腫とは、胎盤ができる過程で出血した部分が血腫となっている状態を指します。絨毛膜下血腫になると大量出血を起こす可能性があるため、医師の指示があった場合は絶対安静が必要となります。
出血以外にも下腹部痛やおなかの張りを感じた場合は、子宮の収縮によって切迫流産や前期破水を起こすことがあるため、早めに病院を受診するようにしましょう。
- 日本産婦人科医会「絨毛膜下血腫??」(http://www.jaog.or.jp/lecture/13絨毛膜下血腫??/,2018年8月9日最終閲覧)
- 白山レディースクリニック「妊娠した方へ 流産手術・自然排出」(http://hakusanladies.com/pregnancy_outpatient/ryuzan/,2018年8月9日最終閲覧)
- 日本医科大学多摩永山病院女性診療科医局「I.異常・疾病からみたリスクサイン」(https://www2.nms.ac.jp/hahanet/sign1_1_2.html,2018年8月9日最終閲覧)
- 岡井崇(編)「標準産科婦人科学」P327(医学書院,2014年)
妊娠12週目に知っておきたいこと
妊娠12週目は、個人差があるものの少しずつつわりが落ち着き、体調がよくなってくるという人はいるでしょう。妊婦健診の間隔や超音波検査の方法なども妊娠11週までとは少しずつ変わってきます。
体重管理をしましょう
妊娠12週以降は、徐々につわりが落ち着いてくることに伴い食欲が増してくるという人がいるでしょう。
妊娠中に体重が増えすぎてしまうと、妊娠高血圧症候群などのリスクにつながる可能性があります。つわりがつらかった時期のように、食べられるものを食べたいときに食べるというような生活パターンを見直しバランスのよい食事を心がけるようにしましょう。
一方で、体重増加を心配しすぎてあまり体重が増えないこともよくありません。胎児に必要な栄養が届かなかったり、母体が貧血を起こしてしまったりすることがあるため、食事制限のしすぎにも注意が必要です。
経膣超音波から経腹超音波に変わります
超音波検査は、妊娠12週くらいから経腹エコーに変わり、おなかの上から胎児の大きさや心拍を確認します。超音波ドップラー法で胎児心音を確認することもできます。
妊婦健診が4週間に1回のペースになります
妊娠12週くらいになると、初期流産の心配が減ってくるため妊婦健診の間隔が4週間に一度となります。もし、体や精神面で不安になることがある場合は、健診を少し早めることができないかどうか確認してみるとよいでしょう。
妊婦健診は胎児や母体の体の状態を確認するだけでなく、そのときに気になっていることなどを相談できる場でもあります。心配なことは健診時に聞けるようメモをしておくとよいでしょう。
- 真理子レディースクリニック「当院の妊婦健診スケジュール」(http://www.mariko-ladiesclinic.com/ninpu.html,2018年8月9日最終閲覧)
- あさぎり病院「産婦人科」(http://www.asagiri-hp.or.jp/sinryouka/sanhuzinka/tokushoku/sanka/ninpu_kenshin.html,2018年8月9日最終閲覧)
- オーク会「妊婦健診」(http://www.oakclinic-group.com/checkup/schedule.html,2018年8月9日最終閲覧)
- 南條達也(編) 荻田和秀(監)「最新版らくらくあんしん妊娠・出産」P58(学研プラス,2017年)
- 日本産科婦人科学会「Baby+お医者さんがつくった妊娠・出産の本」P27(リクルートホールディングス,2015年)
妊娠12週目は体重管理を始めましょう
妊娠12週目は、少しずつつわりが落ち着いてきて気持ちもいくらか晴れやかになるという人がいるでしょう。つわりが治まる時期には個人差がありますが、ほとんどの人が妊娠16週くらいまでには落ち着いてきます。
つわりが落ち着き体調が上向きになってくると気にしたいのが体重管理。体調がよくなった分食欲が増して一気に体重が増えてしまうということもあります。食事の量を制限するというよりは、食べ方やバランスの工夫が必要になってきます。
妊娠高血圧症候群や妊娠性糖尿病などを予防するためにも、食べる量や栄養バランスに気をつけるようにしましょう。