妊娠16週目の妊婦の様子
妊娠16週目は、体調が安定してくる人が多いでしょう。つわりもおさまって、妊娠期間の中でも比較的快適に過ごせる時期です。
この時期の子宮底長は、15~20cmで体重の増加は妊娠前よりも+5g程度となっています。子宮底長とは、恥骨の上から子宮の一番上の部分までの長さを指し、妊婦健診のたびに測定します。
体重増加の目安は妊娠前のBMIによって異なるため、自分自身のBMI値を確認して体重管理ができるとよいですね。体調がよければマタニティヨガなどで体を動かすとよいでしょう。
またこの時期は、胎児に栄養を送るために母体の皮下脂肪がつき始め体全体がふっくらとしてきます。これは母体内の糖質が胎児の栄養源となり、脂肪が母体のエネルギー源となるため、妊娠中に必要な体の変化です。
いよいよ安定期に
妊娠16週目になると、胎盤も完成し胎児の栄養はすべて胎盤を通して送り込まれるようになります。安定期に入りつわりがおさまると、基礎体温も平熱まで下がってきます。
これまでつらいと感じていた症状が消えて体が軽く感じる人もいるでしょう。体調不良からくる不安からも解放され、心身ともに落ち着く時期を迎えます。
つわりが落ち着く
12.3週で楽になりはじめて
いままで食べても食べなくても気持ち悪かったものが
食後に気持ち悪くなるだけになってそれがだんだん軽くなって無くなった感じです!
妊娠16週目に入るとつわりの症状がおさまってきます。今までつわりで感じていた不快感がなくなり、食欲が出てくる人もいるでしょう。急激な体重増加をしないように、バランスのよい食事を心がけるようにしましょう。
ただし、中には妊娠16週をすぎても症状が出てしまう人もいます。つわりがおさまる時期には個人差があるため、無理をせず水分をしっかりとって、食べられるものを食べるようにしましょう。
乳房が大きくなり母乳を出す準備が始まる
原因は乳腺が発達し過ぎていておっぱいのみ発熱しているという事でした。乳腺炎?みたいになっている…と。看護師さんに乳首を強く搾られた際、分泌液がでてびっくりしました…
胎盤が完成すると、母乳を作るために必要なホルモンが分泌されるようになります。人によっては乳首から母乳のような分泌液が出ることがあるでしょう。また、乳腺が発達することで乳房が大きくなります。下着のサイズが合わなくなってきた場合は、マタニティ用のものに切り替えるようにしましょう。
- 松戸市「妊娠とからだの変化」(https://www.city.matsudo.chiba.jp/kosodate/matsudodekosodate/kosodatenavi/ninshinshitara/mamapapa/text.files/ninshinkarada29.pdf,2018年8月27日最終閲覧)
- 広尾レディース「妊娠5ヶ月」(http://www.hiroo-ladies.com/sanka/maternity/maternity05.html,2018年8月27日最終閲覧)
- 荻田和秀(感)「らくらくあんしん妊娠・出産」P27.70.71.76.77(学研プラス,2017年)
- 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産事典」P50.51.90.91(朝日新聞出版,2016年)
妊娠16週目の胎児の様子とエコー写真
妊娠16週になると、骨や筋肉が発達することで胎児はさらに活発な動きをするようになります。胎児の手足が子宮壁にぶつかることで、早ければ胎動を感じる人がいるかもしれません。
また、口に触れるものに反射的に吸いつくような仕草を確認できることもあります。
胎児の大きさ・体重
- 身長:約15cm
- 体重:約60〜120g
妊娠16週目になると、胎児は3頭身ほどにまで成長しさまざまな機能が発達します。発育は個人差が出やすい時期のため、胎児が小さくてもそこまで心配する必要はないでしょう。
また早ければこの時期に性別の確認をすることができるかもしれません。
早ければ胎動を感じることも
その時は腸にガスが溜まってるものだと思ってましたが、
20週頃に明らかにお腹の内側から思い切り突かれてる感じがしました。これが胎動なんだと。
23週のいまはお腹を軽く叩くと
蹴り返してくれます(^^)
最初は分からないかもしれませんが徐々に感じます。
不安になるかもしれませんが、気長に待ちましょう♪
胎動は初産婦よりも経産婦の方が早い時期に感じることが多く、早い人で妊娠15~16週目の頃から確認できる場合があります。初産婦でも妊娠18~19週頃には胎動を感じるようになる人がいるでしょう。
だいたいの人が妊娠21週くらいまでには確認できるようになりますが、胎動を感じ始める時期には個人差があるため、この段階で胎動を感じていなくてもあまり心配はいりません。
器官の発達が続く
妊娠中期(妊娠5~7ヶ月)になると、妊娠初期に形成されたさまざまな器官がさらに発達する時期に入ります。腕や足ができあがり、全ての関節を動かすことができるようになります。
また、脳の前頭葉が発達するため、手足をより器用に動かすことが可能です。胎児が自分の顔やおなかを触るようなことも出てくる時期です。
耳が聞こえるようになる
妊娠16週目以降になると、胎児は中耳にあるいくつかの骨で形成される耳小骨(じしょうこつ)が発達するため、少しずつ音に反応するようになります。まだすべての音が聞こえているわけではありませんが、週数が進むにつれて、さらに音を聞き分けられるようになります。
- 佐藤クリニック「胎児の「すくすく」ストーリー」(http://www.sato-clinic.com/press_past/vol_21.html,2018年8月27日最終閲覧)
- ドクターウイリアム・シアーズ(著)他「シアーズ博士夫妻のマタニティブック」P.185(主婦の友社,2014年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P.83(永岡書店,2006年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P.52(朝日新聞出版,2016年)
- クリフム夫律子マタニティクリニック臨床胎児医学研究所「超音波検査ってどこでも同じ?」(http://fetal-medicine-pooh.jp/初期胎児の診断-2/fetal-ultrasound/,2018年8月28日最終閲覧)
妊娠16週目の過ごし方と注意点
妊娠16週目は安定期に入るため、体調がよければ外出をかねての散歩や、妊婦体操やマタニティヨガといった運動を始めてみるとよいでしょう。
「安定期」というのは胎盤の機能が安定するという意味であって、妊娠の状態が安定するということではありません。体調に合わせて無理なくできる運動にとどめるようにすることが大切です。
戌の日に安産祈願に行ってみる
日本には、安定期に入って最初の戌の日に近くの神社へ安産祈願に出かける風習があります。腹帯を持参して一緒に祈願してもらう妊婦さんも多いでしょう。
ただし必ずしも最初の戌の日でなくても大丈夫です。体調を考え、無理なく外出できる日を選ぶようにしましょう。家族と一緒に行けるようであれば、日程調整するのもよいですね。
また、このようなお参りは単なる「風習」ですので、したくない、体調が悪いという場合は無理に行わなくても大丈夫です。
適度に運動をする
妊娠16週目になり、体調が安定しているようであれば適度な運動を始めてみましょう。運動は、出産に向けての体力作りとなるだけでなく、妊婦のストレス発散にもなります。
また、便秘や腰痛といった妊娠中のマイナートラブルの緩和にもつながるため、無理のない範囲で行うとよいでしょう。
運動をする際は、息が上がらず疲れが出ない程度の有酸素運動がよいとされています。マタニティビクスやマタニティヨガ、スイミングなど自分にあった方法で運動を取り入れてみてください。
ただし、体調が優れない日や、運動中におなかが張るなどの症状が出た場合は、運動を中止しましょう。
歯科健診を受ける
妊娠中は急激に女性ホルモンが増えるため、歯周病を引き起こす細菌が増加し、粘りの強い唾液が分泌され歯肉炎や出血が起こりやすくなります。
また、つわりなどによって食べ物の好みが変わったり、吐き気で歯みがきが困難になったりすることで口の中のケアが十分にできず、むし歯につながることもあります。
妊娠初期は体調が安定しないこともあるため、安定期に入る妊娠16週以降に歯科健診を受けるようにしましょう。歯周病やむし歯は、早産や低出生体重児など、胎児にも影響を及ぼすことがあります。
歯周病やむし歯が見つかった場合は、妊娠中に治療を終わらせるようにしましょう。
妊娠中の性生活は体調優先で
妊娠してからは、おなかの赤ちゃんのことを考えて夫婦のスキンシップが減ってしまった、もしくはしなくなったという方がいるでしょう。体調が安定しない妊娠初期や、医師から安静の指示を受けていなければ、基本的には安定期に入ってからの性行為であれば問題ありません。
しかし、大切なのはママの心と体が元気であることです。体調がよくても何となく気分が乗らない、というときは無理をせずパパに素直に気持ちを伝えるようにしましょう。
また、必ずコンドームを毎回正しく使用することが大事です。
切迫流産に注意する
仕事をしていたためお休み中していますが、この先ずっと産むまで自宅安静だったらとか、酷くなって入院になってしまったらと良からぬことばかり考えてしまいます(´・_・`)
切迫流産とは流産にはなっていないものの、流産になりかかっているという状態のことを指します。妊娠16週目以降に切迫流産と診断された場合は、子宮収縮抑制薬を使用して治療を行うことがあります。
安定期に入る妊娠16週目は流産の可能性が低くはなりますが、医師から注意を受けているようであれば指示に従い無理のない生活を心がけましょう。
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.10産科」P87(メディックメディア,2015年)
- 竹内正人(監)「これ1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P.30(朝日新聞出版,2016年)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P.67.85(学研プラス,2017年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P.80(永岡書店,2006年)
- 石田医院「産科」(http://www.ishida-iin.com/s_maternity.html#7,2018年8月27日最終閲覧)
- 横浜市歯科医師会「妊婦歯科健診」(http://www.yokoshi.net/?page_id=3573,2018年8月27日最終閲覧)
- さかえ歯科クリニック「これから生まれてくるお子さんのために【マタニティ歯科】」(http://www.sakae-dc.net/maternity.html,2018年8月27日最終閲覧)
- 松戸市「妊娠とからだの変化」(https://www.city.matsudo.chiba.jp/kosodate/matsudodekosodate/kosodatenavi/ninshinshitara/mamapapa/text.files/ninshinkarada29.pdf,2018年8月27日最終閲覧)
- 大蔵病院「妊娠中のお母さんの変化と赤ちゃんの成長」(http://www.hospi.ne.jp/ookura/mother/chapter1.html,2018年8月27日最終閲覧)
体調がよければ適度に体を動かしていきましょう
妊娠16週目からはいよいよ安定期に入ります。安定期に入りつわりがおさまると、食欲が増し一気に体重が増加してしまうこともあるため、体調に問題がなければウォーキングや妊婦体操などで適度に体を動かすようにしましょう。適度な運動は、出産に向けての体力づくりや妊娠中の腰痛や便秘解消にもつながります。
また、妊娠中は女性ホルモンの分泌による影響で歯周病やむし歯になりやすくなるため、歯科健診を受け、治療が必要な場合は、できるだけ体調が安定している妊娠中期までに済ませるようにしましょう。
安定期に入り体調が安定してくると外出することも楽しくなるでしょう。調子がよい日を選んで安産祈願に出かけてみるのもよいかもしれません。