妊娠17週目の妊婦の様子
妊娠17週目になると、恥骨の上から子宮の一番上までを計測する子宮底長は15~20cmほどになり、おなかが重いと感じる人も増えてくるでしょう。
おなかが大きくなりやや前に突き出てくるため、腰や背中で支えようとすることで少し反り返ったような姿勢になります。腰に負荷がかかり腰痛を引き起こしやすくなるため、無理のない範囲でストレッチなどを行うようにしましょう。
また、この時期は本格的に体重管理を始めることが大切です。急激な体重増加を防ぐためにも、3食バランスのよい食事をとることを心がけ、自宅でも週1回は体重を量る習慣をつけましょう。
耳に不快感が現れる
高い所(飛行機など)にいる時になるような感じで、耳抜きもできなくなりました(T_T)
妊娠前は耳抜きは出来てましたが、今は鼻をつまんでフンッとしても耳がつまったままで空気ぐ通りません>_<
妊娠するとホルモンバランスの変化によって、周りの声がこもって聞こえる、自分の声が反響して聞こえるといった耳の不快感に悩まされることがあります。
妊娠中に起こりやすいトラブルの一つで、疲れやストレスを感じているときに生じやすくなるため、ゆっくりと体を休ませることが大切です。
症状がつらいときは、漢方で緩和する方法もあるため、耳鼻科か産科で相談してみるとよいでしょう。
動悸や息切れが起こる
妊娠中ドクターに聞いたら、赤ちゃんがいるため血圧が高くなって血流も一生懸命回そうとするため苦しくなる人もいるっていわれましたΣ(´□`;)結局薬とかも出してくれず、苦しいときは休んでくださいって言われましたよ(*^^*)
妊娠中は母体の血液量が増加し、全身に血液を循環させるために心臓に負担がかかり動悸や息切れを起こすことがあります。おなかが大きくなってくると、子宮周辺にある胃や肺などが圧迫されることによって息苦しさを感じることもあるでしょう。
また、胎児の血液を作るために必要な鉄分などの栄養は、胎盤を通して運ばれるため、母体は貧血状態になる可能性があります。貧血は妊娠中期から妊娠後期にかけて起こりやすくなるため、1日20mg程度の鉄分を意識的に摂取する必要があります。
食事から十分に摂取しにくい場合は、サプリメントで補うとよいでしょう。
動悸や息切れを感じたときはすぐに体を休め、症状が落ち着くのを待ちます。ただし、休んでも症状が改善されない場合は、医師に相談するようにしましょう。
- 日本産科婦人科学会(著)「Baby+お医者さんがつくった妊娠・出産の本」P24-25(リクルートホールディングス,2015年)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P76.77(学研プラス,2017年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P133(朝日新聞出版,2016年)
- ごとう耳鼻咽喉科「耳管開放症」(http://www.goto-ent.com/ear/#ear12,2018年9月3日最終閲覧)
- 名古屋市立大学病院「耳鼻いんこう科」(https://w3hosp.med.nagoya-cu.ac.jp/section/department/jibiunkou/,2018年9月3日最終閲覧)
- 日本産科婦人科学会「妊娠の生理」(http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5912-691.pdf,2018年9月3日最終閲覧)
妊娠17週目の胎児の様子
- 胎児の大きさ(CRL):約140mm
- 体重:約170g
妊娠17週になると、胎児は出生後に体温調節をするために「褐色脂肪(かっしょくしぼう)」という脂肪が体につき始めます。顔にも脂肪がついてふっくらかわいらしい顔になってきます。
また、早ければ胎児の性別が確認できることがあります。早めに性別を知っておきたいという人は、超音波検査のときに詳しくみてもらうとよいかもしれません。
ただ、角度や性別によっては生まれるまではっきりしないこともあります。
今まで以上に器用な動きができるように
妊娠19週頃には腕や手足が完成し、すべての関節を動かすことができるようになります。
妊娠17週目になると、胎児の骨の強度が増し筋力がついてきます。胎児の動きには個人差がありますが、活発な動きをする胎児であればおなかの中でキックをするようなこともあるでしょう。早ければ胎動に気づく人も出てくる時期です。
腕や足が完成してすべての関節が動くようになると、今まで以上に器用な動きをみせてくれるようになるでしょう。
胎便が腸にたまってくる
妊娠17週頃になると、胎児の腸に胎便がたまってくるようになります。胎便には、胎児の消化管で分泌されたものや飲み込んだ羊水などが含まれていて、胎児が消化の練習をしている証しでもあるでしょう。胎便は、出生後赤ちゃんが便として体外に出します。
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P80.84(永岡書店,2006年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P50-51(朝日新聞出版,2016年)
- 荻田和秀(館)「らくらくあんしん妊娠・出産」P70.71(学研プラス,2017年)
妊娠17週の過ごし方と注意点
妊娠17週は心身ともに安定してくる時期です。この時期は体調がよければ両親学級への参加や、妊婦体操などで適度に体を動かしてみるとよいでしょう。
母親学級に参加する
妊娠中期に入ったら産婦人科や自治体が主催する母親学級に参加してみましょう。内容や開催される回数については行われる施設によって異なりますが、妊娠中の過ごし方や分娩の流れ、出産後の赤ちゃんのお世話などを専門家から詳しく指導してもらうことができます。
同じ時期に出産を迎える人が参加していることが多く、情報交換や友達作りの一環として参加してみてもよいかもしれません。
また、出産や入院時の過ごし方について確認したい場合は、出産をする予定の産婦人科で両親学級を受けるとよいでしょう。
寝るときは横向きに
おなかが大きくなると、あおむけやうつぶせで寝ることがつらくなってくることがあります。おなかが大きくなってきたら、できるだけ横向きで寝るようにしましょう。必要であれば、抱き枕があると体を支えてることができて便利です。
マタニティウエアをそろえましょう
妊娠17週頃になると、おなかや乳房が大きくなることで今まで着ていた洋服がきつく感じる人が出てきます。洋服による締めつけは、息苦しさや血行不良を招く原因になるため、少しずつマタニティウェアに切り替えていくとよいでしょう。
おなかがすっぽり隠せるショーツや、産後の授乳期まで使用できるブラジャーは早めの購入が肝心です。
栄養バランスを意識した食事を
妊娠中期になると母体から胎児へと栄養が送られるようになるため、3食しっかりと食べるようにしましょう。塩分は控えめにして、ご飯やパンといった主食、肉や魚、卵などの主菜、野菜や海藻を含む副菜をバランスよく摂取することが大切です。
必要な栄養素が食事だけで取りきれない場合はサプリメントの活用も一つの方法です。摂取してよいものかどうか医師に確認をとったうえで、うまくサプリメントを取り入れるようにしましょう。
後期流産を防ぐためにも、不安なことは妊婦健診で確認を
妊娠12週以降の後期流産は、主に細菌性膣炎などの感染症が原因となることがあります。子宮が細菌に感染すると、膣の自浄作用では対応しきれなくなり、細菌が羊水内にまで侵入してしまうことがあります。
細菌感染すると子宮収縮が誘発され、子宮口が開いてしまうことや破水が起こることがあるため、出血やおりものに粘り気があって気になるにおいがある場合は早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
安定期であっても油断してはいけません。できるだけトラブルなく妊娠期を過ごすためにも、体調の変化など、不安なことは妊婦健診で確認しましょう。
- 白子ウィメンズホスピタル「分娩Q&A」(http://www.shiroko-clinic.com/faq-w/,2018年9月3日最終閲覧)
- 恵愛レディースクリニック「ひよこ館よくある質問」(https://www.keiai-hp.com/hiyoko/faqs/?page=faq01,2018年9月3日最終閲覧)
- 荻田和秀(館)「らくらくあんしん妊娠・出産」P64.65.71.73.74(学研プラス,2017年)
- 竹内正人(館)「はじめての妊娠・出産事典」P44.53.82-89.106(朝日新聞出版,2016年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P84.87(永岡書店,2006年)
体調が安定していれば母親学級に参加してみましょう
妊娠17週目になると、体調がよくなり気持ちにも余裕が出てきたという人がいるでしょう。この時期は、自治体や産婦人科、企業が開催する母親学級があります。特に初めての出産の場合は、出産に対する知識や心構えを身につけるためにも参加してみるとよいかもしれません。
わからないことがあれば、積極的に質問して疑問を解消しておくと安心ですね。