耳管開放症とは?
東北大学の耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室では、耳管開放症を以下のように説明しています。
耳管とは中耳と咽頭をつなぐ管のことです。 中耳の圧力を調節する働きがあります。正常な状態では、あくびをしたり唾を飲み込んだりした時だけ耳管が開放します。耳管の開放の度合いは人によってまちまちです。
(中略)
耳管が必要以上に開いている(耳管開放症)場合には、自分の声が耳に響いてうるさい(自声強聴)、耳が塞がった感じがする(耳閉感)、自分の呼吸音が響いて聞こえる等の症状に悩まされます。 ※1
わかりやすく説明すると、耳管開放症とは、耳とのどをつなぐ耳管が開いたままの状態になる病気のことをいいます。通常耳管は閉じており、鼓膜の内側と外側の空気圧を調整する大事な役割を果たしていますが、耳管に何らかの異常が出ると、耳が詰まった感じや自分の声が響いて聞こえるなどといった不快な症状が現れます。
耳管開放症は若い女性がなりやすく、ストレスや睡眠不足が続いたり急に体重が減少したりすると起こりやすいと言われています。また、妊娠中に起こりやすい症状の一つでもあります。
- みのわ耳鼻咽喉科「耳管狭窄症・耳管開放症」(http://www.minowa-ent.com/tube/,2018年2月28日最終閲覧)
- てらお耳鼻咽喉科「耳垢」(http://terao-jibika.com/mimibyouki.html,2018年2月28日最終閲覧)
- 関西医科大学総合医療センター「耳管狭窄症・耳管開放症」(http://www.kmu.ac.jp/takii/visit/search/sikkansyousai/d24-016.html,2018年2月28日最終閲覧)
- 東北大学耳鼻咽喉・頭頚部外科学教室「耳管開放外来」(http://www.orl.med.tohoku.ac.jp/patient/disease02.html,2018年3月6日最終閲覧)
- 日本耳鼻咽喉科学会「耳の症状」(http://www.jibika.or.jp/citizens/daihyouteki2/mimi_condition.html,2018年3月6日最終閲覧)
耳管開放症の症状
耳管開放症は主に以下のような症状が出ます。そして耳管開放症とは逆で耳管が塞ぎっぱなしになってしまう耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)も似たような症状が出るため、気になる症状が出ているときは、早めに耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
- 耳鳴りがする
- 耳が詰まったような感じがする
- 自分の声が響く
- 自分の呼吸音が響く
- めまいがする
症状が出はじめて間もない段階であれば一時的に耳管開放が起きても自然に治ることがあります。不快な症状は放置せず早めに治すことが大切です。耳管開放症を疑う場合、まず以下の方法を試してみるとよいでしょう。
色々な症状を示す耳管開放症ですが、一番特徴的なのは「頭を下げると症状がましになる」です。下を向くと頭がうっ血しますが、筒状である耳管の壁もうっ血してはれます(分厚くなります)。すると耳管が狭くなって開放症が和らぎます。ご自分で耳管開放症を疑っておられる方は試してみてください。 ※2
- みのわ耳鼻咽喉科「耳管狭窄症・耳管開放症」(http://www.minowa-ent.com/tube/,2018年2月28日最終閲覧)
- たなか耳鼻咽喉科「耳管開放症」(http://www.tanaka-ent.or.jp/mimi-jikankaiho.html,2018年2月28日最終閲覧)
- り耳鼻咽喉科「耳管開放症」(http://lee-jibika.jp/images/pdf/ear/ear02.pdf,2018年2月28日最終閲覧)
- 東北大学耳鼻咽喉・頭頚部外科学教室「耳管開放症外来」(http://www.orl.med.tohoku.ac.jp/patient/disease02.html,2018年3月6日最終閲覧)
- 高知大学医学部付属病院「耳管開放症」(http://www.kochi-ms.ac.jp/~hsptl/kouhousi/column/jikankaihosho.html,2018年3月6日最終閲覧)
耳管開放症の治療方法
耳管開放症の治療方法はいくつかの方法があります。耳鼻咽喉科で症状があまりひどくないと診断されれば経過観察する場合もあります。重症度に応じて治療方法を選択します。
- 漢方薬を服用する保存的治療方法
- 耳管内に薬剤を噴霧する治療方法
- 手術療法
耳管開放症の診断は難しい場合があり、複数の耳鼻咽喉科を受診してようやく診断されることもあります。耳管外来のある病院もあるため、気になる場合は専門医がいる医療機関を受診するとよいでしょう。
- ごとう耳鼻咽喉科「耳管開放症」(http://www.goto-ent.com/ear/#ear12,2018年2月28日最終閲覧)
- 東北大学病院「耳鼻咽喉・頭頸部外科」(http://www.hosp.tohoku.ac.jp/departments/d1603/,2018年2月28日最終閲覧)
- 協愛医院「耳管開放症(じかんかいほうしょう)」(https://kyoai-clinic.jp/耳管開放症(じかんかいほうしょう),2018年2月28日最終閲覧)
- てらお耳鼻咽喉科「耳垢」(http://terao-jibika.com/mimibyouki.html,2018年2月28日最終閲覧)
- 関西医科大学総合医療センター「耳管狭窄症・耳管開放症」(http://www.kmu.ac.jp/takii/visit/search/sikkansyousai/d24-016.html,2018年2月28日最終閲覧)
- 高知大学医学部付属病院「耳管開放症」(http://www.kochi-ms.ac.jp/~hsptl/kouhousi/column/jikankaihosho.html,2018年3月6日最終閲覧)
妊娠中に耳管開放症になった方の体験談
妊娠中は体にさまざまなトラブルが起こることがありますが、耳管開放症もその一つです。ストレスや寝不足などが原因で起こる耳管開放症は、妊娠中にもなりやすい症状として挙げられます。
妊娠中に耳管開放症になってしまったという方の体験談をご紹介します。
どんな症状だった?
私は中期によくなりました。私の場合は声が響くのと、呼吸をする度にパコパコと蓋が開閉する様な音もあり、耳抜きをしても治らないしかなり不快でした😢
でも、いつのまにか気にならなくなって治っていました。
耳管開放症は、耳が痛くなるような強い症状はないものの、高いところに行ったときのような耳の不快感があるため、ふだんの生活をしていても気になってしまいそうですね。
1日中あるわけではなく、自然に治っていることもありますが、大きな病気かもしれないと思うと不安になってしまいますよね。これらの症状に当てはまる方は耳管開放症の可能性があるので、ほかの方の体験談も参考に対処法を試してみてください。
症状がひどく情緒不安定になった
私は唾液を飲み込むと耳がこもり、頭を下げると治りを1日中繰り返し、産休に入る前に情緒不安定になって仕事を休みました(-_- )
ほんと耳管開放症はなった人にしかこの辛さはわかりませんよね…💧
妊娠でなった人は出産後は治る方が多いみたいなので、私みたいに情緒不安定にならないように治ると信じて乗りきって下さい!
妊娠中に耳管開放症になり症状がひどく情緒不安定になってしまうことがあります。妊娠中は体にさまざまな症状が出ることがあり、体の不調が続くと精神的にもつらくなってしまいますよね。
妊娠中、耳管開放症になる時期は人それぞれ
仕事の電話とか自分の声もボワボワして、不機嫌でした。。
つわりで体重減ると耳も痩せてなりやすいとも聞きましたが、体調どうでしょうか。
私は安定期入ってごはん食べられるようになってきたら自然とおさまりました。
頭を下げたり横になると治りますよね。妊娠後期になってからは段々症状が減って来ました(о´∀`о)
妊娠中は耳管開放症になりやすいですが、症状が出る時期は人それぞれのようです。妊娠初期に発症する方がいれば、妊娠中期がつらかったという方も。
妊娠後期に入ってから症状が楽になる場合があるようですが、出産まで治らない場合もあります。不快な症状が続くのはつらいですよね。
一時的な対処法はあるけれど…不快
とはいえ、つわりがあると、水分もなかなか補給できないですよね😭お大事になさってください!
妊娠中はなりやすいアンド水分不足もなりやすいそうです。
一時的にはお辞儀をしたり首の付け根あたりを、親指と、人差し指で軽くつまむと治りました(耳鼻科の先生に教えてもらいました)
私は風邪からきたので3週間ぐらいで治りましたが、本来は後期の方がなりやすいらしいです..,
対処法としては、水分をしっかり摂ることやお辞儀をすること、首の付け根をマッサージすることなどが挙げられますが、一時的なもので根本的な解決には至らないようです。
つわりがあると水を飲むのもしんどいときがありますし、マッサージする気力がないこともあるので、不快な症状ではありますが、なるべく思いつめずに気にしないようにしたほうがよいかもしれませんね。
妊娠中に耳管開放症に!出産後治った
耳管開放症っていうみたいで
妊娠するとホルモンバランスが乱れるのでなる妊婦さんはいるとのことでした。
出産したら治りましたが耳鼻科に行ってみてもらっても良いと思います🙂
妊娠中は体調の変化が起こることによってストレスや睡眠不足になりやすいため、耳管開放症が起こる方がいます。妊娠期間中は不快な症状に悩まされつらいかもしれませんが、出産したら治ったという声があがっていました。
症状に合わせて医師に相談しましょう
耳管開放症は手術が必要な大きな病気とはいえませんが、耳鳴りがする、耳が詰まったような感じがする、自分の声が響く、自分の呼吸音が響く、めまいがするなどの不快な症状があるので、ただでさえ不調になりやすい妊娠中に起こるのはつらいものです。
ただ、症状だけでは自分で耳管開放症とは判断できないので、症状が出たらまず医師に相談するようにしましょう。
体験談にあるように、これまでたくさんの妊婦さんが経験している耳管開放症。出産したら治る、自然と治っていたなどの話を聞くと、少し気が楽になるかもしれません。症状は気になりますが、あまり思いつめずに、対処法として気持ちの良い範囲でマッサージなどをしてリラックスして過ごすようにしてくださいね。
また、耳鳴りがする、耳が詰まったような感じがする、自分の声が響く、自分の呼吸音が響く、めまいがするなどの症状がある場合は、下記も併せてご確認ください。