妊娠18週目の妊婦の様子
妊娠18週目は、胎児の急成長によって母体の心臓や肺、腎臓に負担がかかるため疲れを感じやすくなります。無理をせず疲れを感じた場合はゆっくり休むようにしましょう。
この時期は子宮底長が約16~21cmとなり、子宮の大きさは大人の頭の大きさ程度になります。日々子宮が大きくなることや、出産に向けて少しずつ骨盤もゆるんでくることで腰の痛みも生じやすくなります。
胎動が感じられるようになる
妊娠18週目は、胎動を感じる人が増えてきます。初めて胎動は、おなかの中でポコポコと何かが動く感じで「あれ、これが胎動?」と思うような不思議な感覚になるかもしれません。
胎動を感じ始める時期には個人差があるため、この時期に胎動を感じられなくても問題はありません。妊娠20週目くらいになると多くの人が胎動を感じるようにようになるでしょう。
体重が増加しやすくなる
体重の増加が気になります💦
現在妊娠前よりプラス3キロです…
これは増えすぎですかね??
月に1キロが目安と聞いた事があるのですが、次の検診は1キロにおさまりそうにないです(*_*)
妊娠18週頃になると、胎盤を通じて母体内の糖質が優先的に胎児へと供給されるようになる代わりに、母体は脂肪をエネルギー源とします。そのためこれまで以上に皮下脂肪を蓄えるようになり、体重も増えやすくなっていくでしょう。
また、つわりがおさまって食事が取りやすくなるために、つい食べ過ぎてしまうのもこの時期です。
妊娠中の体重の増加目安は、妊娠前のBMIによって異なります。必要以上に体重が増加しないために、栄養バランスのよい食事と適度な運動を心がけましょう。
痔になりやすくなる
通ってる産婦人科の先生に切れ痔の薬を貰って塗ってたら私もかなりお通じも良くなり、切れ痔も良くなったので、薬やめたら、また便通も悪くなって切れ痔になって(._.)
私的にはお薬のお陰でお通じが良くなってたのかと勝手に思ってます(^^)
妊娠するとホルモンの影響で便秘になりやすくなります。便秘が続くと排便時に強くいきむことで直腸や肛門周辺の血流が悪くなり、血液がたまってしまうため痔になることがあります。
痔は便秘を解消することで防ぐことができるため、長時間同じ姿勢を取らないことや、規則正しい生活を心がけることが大切です。
イボ痔と呼ばれる外痔核(がいじかく)や、切れ痔と呼ばれる裂肛(れっこう)は痛みや腫れを伴うため、症状が出ているときは、医師に相談してみるとよいでしょう。
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック 永岡書店」P88-82(永岡書店,2006年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P50-51(朝日新聞出版,2016年)
- 日本産科婦人科学会(監)「Baby+お医者さんがつくった妊娠・出産の本 リクルートホールディングス」P34-35(リクルートホールディングス,2015年)
- 山王クリニック「妊娠中の気になる症状」(https://sannoh.or.jp/obstetrician/symptom/index.php,2018年9月10日最終閲覧)
- 小阪産病院「よくある相談」(https://www.kosaka.or.jp/contact/qa.html,2018年9月10日最終閲覧)
妊娠18週目の胎児の様子
- 胎児の大きさ(CRL):約140~200mm
- 体重:約150~200g
妊娠18週頃の胎児は、脂肪組織ができて体に皮下脂肪がつき始め、赤ちゃんらしいふっくらした姿に変化していきます。
また神経回路の発達によって体への刺激を感じ始めるようになり、触覚や聴覚といった五感の成長も著しい時期です。動きはさら活発になり、子宮内を元気に動き回るようになるでしょう。
産毛が生える
妊娠18週頃になると、胎児の頭と体に産毛が生え始めます。産毛は、皮膚を保護する胎脂(皮膚の表面にある脂肪)を維持するのに役立ち、羊水の刺激から守ってくれる役割がありますが、生まれてくる頃にはほとんどなくなります。
性別が分かるようになる
妊娠18週目は、女の子であれば「原子卵胞」と呼ばれる卵子の原型となるものが形成されます。原始卵胞は胎児期に作られるもので、出生後新たに作られることはありません。
妊娠17~18週以降になると、胎児の向きや角度によっては超音波検査で性別を確認ができるようになります。
五感が発達してくる
妊娠18週目は胎児の聴覚がさらに発達していきます。今までは子宮内の音のみ聞こえていましたが、ママの声やおなかの外の音が聞こえるようになってくるでしょう。
また触覚もほぼ完成し、胎児は手で自分の口に触れて指しゃぶりをするような動きをすることがあります。
- 広尾レディース「妊娠5ヶ月」(http://www.hiroo-ladies.com/sanka/maternity/maternity05.html,2018年9月10日最終閲覧)
- 松戸市「妊娠とからだの変化」(https://www.city.matsudo.chiba.jp/kosodate/matsudodekosodate/kosodatenavi/ninshinshitara/mamapapa/text.files/ninshinkarada29.pdf,2018年9月10日最終閲覧)
- 日本産科婦人科学会(監)「Baby+お医者さんがつくった妊娠・出産の本」P24-25(リクルートホールディングス,2015年)
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.10産科」P8.16(メディックメディア,2015年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P90(永岡書店,2006年)
- ドクターウイリアム・シアーズ(著)他「シアーズ博士夫妻のマタニティブック」P185(主婦の友社,2014年)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P70-71(学研プラス,2017年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P50-51(朝日新聞出版,2016年)
妊娠18週の過ごし方と注意点
妊娠18週頃は個人差があるものの、おなかが大きくなり妊婦であることに気づかれるということもあるでしょう。今まで着ていた洋服がきついと感じ始めたら、徐々にマタニティ服に切り替えていくとよいかもしれません。
マタニティ用の服は妊婦の体に合わせて作られておりゆったり着ることができます。出産後の授乳期まで使用できるため、お気に入りの一枚を探してみるのもよいでしょう。
おなかに負担をかけない
安定期に入り体調がよくなってくると、動き回って無理をしてしまうということがあるでしょう。しかし、妊娠中はホルモンバランスの影響や体の変化によって体調を崩しやすい時期でもあるため、重い荷物を持つことや激しい運動をすることは避ける必要があります。
妊娠中に上の子を抱っこする場合は、できるだけ座っているときに行うようにしたり、家族に任せたりして無理のないように過ごすことが大切です。
体調がよければ適度な運動を
体調が安定してくる妊娠18週目は急激に体重が増加しやすい時期です。
妊娠の経過に問題がなく、医師の了承を得ている人は適度に運動をするようにしましょう。地域や病院によってはマタニティビクスやマタニティヨガを定期的に開催しているところもあります。
適度な運動は出産時の体力をつけるだけでなく、ストレス発散などの効果もあります。無理のない範囲で取り入れてみるとよいでしょう。
後期流産に注意する
後期流産は妊娠12週以降、妊娠22週未満で起こる流産のことを指します。胎児の染色体異常や奇形などが原因で起こる初期流産とは異なり、後期流産は子宮筋腫などの疾患やクラミジアなどの感染症が原因で起こる可能性があります。
また、極端な過労や肉体労働なども後期流産の原因となることがあるため、特に仕事をしている人は必要に応じて仕事内容の見直しや休みの申し出など検討するようにしましょう。
病院で切迫流産と診断された場合は、医師の判断で入院や自宅での安静が必要となることがあります。
- 日本医科大学多摩永山病院「I.異常・疾病からみたリスクサイン」(https://www2.nms.ac.jp/hahanet/sign1_1_2.html,2018年9月10日最終閲覧)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P88-92(永岡書店,2006年)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P48-51、P70-71、P78-79(学研プラス,2018年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P58-59、P92-97(朝日新聞出版,2016年)
腰痛などのマイナートラブルに注意しましょう
妊娠18週頃は、出産に向けて骨盤が緩んでくることや、大きくなってくる子宮を支えるために腰への負担が大きくなります。少しでも腰痛を緩和するために背筋を伸ばしたり、無理のない範囲でストレッチをしたりするとよいでしょう。
また、できるだけ重い荷物を持つことはせず、家族や周りの人に協力してもらえるようにしておくとよいですね。症状がひどく出てしまっている場合は、早めに病院を受診するようにしましょう。