妊娠23週目の妊婦の様子
妊娠23週目になると、子宮底長が約18~21cmになり、子宮は大人の頭より大きくなります。おなかが大きくなることで、背中や腰の痛み、皮膚のかゆみなどマイナートラブルに悩む人もいるでしょう。
腰と背中に負担がかかる
私は病院で相談したら、お腹が出てきて重心が変わるから痛くなりやすいと言われ、サポートベルトをすすめられました。
足にクッションを挟んで寝たり、日中にピジョンのサポートベルトをしていたら軽減されました。
妊娠中は、大きくなったおなかを背中や腰で支えようとするため、体の重心がずれて痛みが生じます。
痛みが出てつらいときは、足の間にクッションをはさんで横向きに寝るシムス位や、あぐらを組んで座るなど骨や筋肉に負担がかかりにくい姿勢を保つようにしましょう。
体重が増えやすくなる
昨日から今日で600g増えてて、朝体重計を見てビックリして目玉が飛び出るかと思いました…Σ(゚д゚lll)
うん…確かに昨日甘い物を食べ過ぎちゃったのはありますが…
妊娠23週目頃は、胎児の体重が急激に増加するため母体の体重も増えやすくなります。また、つわりなどの不快な症状から解放されるため食欲も出てくる時期です。
母体の急激な体重増加は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の発病リスクを高めるため、短期間で急激に体重が増えないように注意しましょう。
妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)が出やすくなる
痒くて寝れず、大変でした…
産婦人科で相談したところ、専門家に診てもらったほうがいいし、出せる薬も限られてるからと皮膚科へ受診しました!
妊婦さんにはあまり薬塗ってほしくないと皮膚科の先生もおっしゃってましたが、緩いステロイドを処方してもらいました。1週間経っても効かず。
ステロイドがもう少し強く入った薬に変えてもらい、なんとか治りました。
妊娠中、体にかゆみを伴った発疹が出てくる症状を「妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)」といいます。初めての妊娠で症状が出ることもありますが、経産婦に起こりやすく強いかゆみを伴うことが特徴です。
患部を引っかいてしまうことで治りにくくなるため、発疹が出ている場合は早めに病院を受診しましょう。
また、日頃からボディーソープの使用は控える、お風呂のお湯をぬるめにする、お風呂あがりや朝はしっかりと保湿をするなど、正常な肌を保つためのケアを心がけるとよいでしょう。
こむら返りが起こる
妊娠23週目頃に起こりやすいマイナートラブルとしてこむら返りも挙げられます。こむら返りは、大きくなった子宮が血管を圧迫し、足への血流が滞ることでふくらはぎの筋肉に痛みが生じることを指します。
こむら返りは長時間同じ姿勢を取ることや、立ちっぱなしでいることで起こりやすくなるため、足湯や入浴で足を温めて血流をよくする、寝るときにクッションなどに足を乗せて少し高くするなどの方法で予防します。
また、カルシウムが不足することでふくらはぎの痛みが出ることがあるため、日々の食事で積極的に摂取しましょう。
- 巣鴨さくらなみき皮膚科「妊娠中の皮膚科について」(https://sakuranamiki-hifuka.jp/pregnancy.html,2018年9月25日最終閲覧)
- 吉野産婦人科医院「母親教室」(http://www.yclinic.jp/hahaoyakyoushitu.pdf,2018年9月25日最終閲覧)
- ドクターウイリアム・シアーズ(著)他「シアーズ博士夫妻のマタニティブック」P230-231(主婦の友社,2014年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P110-114(永岡書店,2006年)
- 小諸北佐久薬剤師会「ママになるための基礎知識」(http://members.ctknet.ne.jp/shohoku/PDFfile-1.pdf,2018年9月25日最終閲覧)
- 大蔵病院「妊娠中のお母さんの変化と赤ちゃんの成長」(http://www.hospi.ne.jp/ookura/mother/chapter1.html,2018年9月25日最終閲覧)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P86-87(学研プラス,2017年)
妊娠23週目の胎児の様子
- 胎児の大きさ(CRL):約250~300㎜
- 体重:約600g
妊娠23週目以降は、胎児の体重は1週間に200g程度増えていきます。胎児が成長するにつれて、少しずつ子宮内が狭くなってくるでしょう。
また、この時期はまぶたが分離して目を開けたり閉じたりする様子が確認できるようになります。
胎動が強くなる
妊娠23週目になると、多くの人が胎動を感じているでしょう。はじめはおなかの中でポコポコと動くような感覚だった胎動がさらに強くなってきます。
ただし、胎動の感じ方には個人差があるため、あまり胎動を感じないからといって心配する必要はありません。胎児の成長とともに胎動に気づくなるようになります。
赤ちゃんは30分ごとに起きたり寝たりを繰り返しているため、胎動をカウントするときは1時間くらいゆったりと赤ちゃんの状態を確認してみるとよいでしょう。
体内に脂肪を蓄えて皮膚が滑らかになる
妊娠23週頃は胎児の皮膚が変化する時期です。とても薄くてシワシワとした状態の肌は、透き通っていて皮膚の下にある血管や内臓が見えることがあります。体内の脂肪が増えて筋肉が発達してくると、徐々に皮膚の表面が滑らかになってきます。
音を聞き分けられるようになる
妊娠23週目は、少しずつ成長していた胎児の聴覚がさらに発達します。子宮の外の音を聞き分けられるようになり、徐々にママやパパの声を認識できるようになります。
胎動を感じたときに、おなかに話しかけしてみると胎動で反応してくれるかもしれません。キックゲームで胎児とのコミュニケーションをはかるとよいでしょう。
胎児の体型は新生児のようになる
妊娠23週頃になると、身長や体重は小さいものの胎児の外見は新生児とほぼ変わりません。この段階では、まだ頭は大きく手足は短い状態ですが、出産までに急速に成長していきます。
- 岡井崇(編)他「標準産婦人科学」P302(医学書院,2014年)
- ドクターウイリアム・シアーズ(著)他「シアーズ博士夫妻のマタニティブック」P206(主婦の友社,2014年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P110-114(永岡書店,2006年)
妊娠23週目の過ごし方と注意点
妊娠中は妊婦特有のマイナートラブルに悩まされるという人が多いでしょう。マイナートラブルの症状が出ているときは、無理せずしっかりと休息を取ることも大切です。
また、この時期は出産の準備を始めるとよいでしょう。出産近くなって慌てないためにも、必要なものをリストアップしておくと安心です。
適度な運動を心がける
妊娠23週目になると、少しずつおなかがせり出してくるため背中や腰の痛みを感じることがあります。
体調がよければ、マタニティヨガやマタニティビクスなど妊娠中でもできる運動をしてマイナートラブルを予防しましょう。適度な運動は、体力づくりだけでなくストレス発散にもつながるため無理のない範囲で行うとよいですね。
体重管理をする
妊娠23週目頃は、母体の体重が一週間で約400~500g増加します。胎児の成長とともに母体の体重も増えるものですが、妊娠中に体重が増えすぎてしまうと、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などさまざまな影響が出てくるため、きちんと体重管理をすることが大切です。
一方で、体重が増えないこともよくありません。体重増加を気にするあまり食事制限をしすぎてしまうと、胎児に十分な栄養が行き渡らなくなり、胎児が低出生体重児となるだけでなく、母体が貧血を起こす可能性もあります。
この時期は胎児が著しく成長するため、エネルギー源やタンパク質、カルシウムや鉄分といった栄養素が必要になります。主食、主菜、副菜のバランスを考え、一日三食の食事でさまざまな食材を摂取しましょう。
また、妊娠中に適正な体重を維持するためにも、妊婦健診のときだけでなく自宅でも週に一度は体重計測をするとよいですね。
おっぱいケアを始める
妊娠中期頃は、産後の母乳育児のために少しずつおっぱいケアを始めましょう。妊娠中からケアを開始することで、授乳の際に赤ちゃんが吸いやすいだけでなく、乳頭が切れてしまうことや痛みを予防することができます。
ただし、乳頭刺激によっておなかが張ってしまうことがあるため、そのときは症状が落ち着くまではおっぱいケアを休むようにしましょう。
- 会沢産婦人科医院「妊娠生活」(http://www.aizawa-lc.jp/ninshin.html,2018年9月25日最終閲覧)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P76-77、86-89(学研プラス,2017年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P90-91、121(朝日新聞出版,2016年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P110-114(永岡書店,2006年)
- さめじまボンディングクリニック「産科:おっぱいのお手入れについて」(https://bonding-cl.jp/kamoku/sanka/sanka-breasts.html,2018年9月25日最終閲覧)
- 吉野産婦人科医院「母親教室」(http://www.yclinic.jp/hahaoyakyoushitu.pdf,2018年9月25日最終閲覧)
- 母子衛生研究会「妊娠月別胎児の様子とママのからだ」(https://www.mcfh.or.jp/jouhou/taiji/20_23week.html,2018年9月25日最終閲覧)
- 国立成育医療研究センター(監)「国立成育医療研究センターのマタニティブック」P28-29(ベネッセコーポレーション,2015年)
妊娠23週は適度な運動でマイナートラブルを解消しましょう
妊娠40週目で出産を迎えると、妊娠23週目は妊婦生活も折り返しに入っている時期です。胎児の成長とともにおなかが大きくなり、腰痛や体のかゆみなどさまざまなマイナートラブルに悩まされる人もいるでしょう。
この時期は、腰痛を防ぐためにも、体調がよければ適度な運動を心がけましょう。マタニティヨガやマタニティビクスは妊娠中でもできる運動として人気があります。
適度な運動は出産に向けての体力づくりとなるだけでなく、ストレス発散にもなります。無理のない範囲で続けられるとよいですね。