妊娠22週目の妊婦の様子
妊娠22週目になると、子宮底長は約18~21cmになり大人の頭より大きくなってきます。どんどんおなかが大きくなるため足元が見えづらくなり、かがんで靴下を履く、靴を履くといった動作が難しくなります。
また、この時期は胎児の体重や羊水量の増加によって、母体の体重が増えやすい時期です。急激な体重増加を防ぐためにも1週間に1回は体重測定を行い、バランスのよい食生活を心がけましょう。
下腹部や足の付け根に痛みが出る
右側だけなんですが、おしり側の付け根が朝、起きてからが1番痛みます。
今朝は、歩くのもやっとでした。
右側を下にして寝る癖があるんですが、寝方も関係あるんですかね…
骨盤が広がることで、出る痛みみたいですが、トコちゃんベルトしても変わりません(T_T)
同じような方いますか?
対策は何かありませんか?。゚(゚´Д`゚)゚。
妊娠22週目頃は、おなかが大きくなるにつれて子宮を支えている筋肉が伸びるため、下腹部や足の付け根に痛みを感じることがあります。
急に立ち上がったり姿勢を変えたりすることで痛みが起こりやすいため、焦らずゆっくりと動くようにしましょう。必要であれば、腹帯やマタニティガードルを使用することも痛みの緩和に効果的です。
歩くことに支障があるような痛みであれば、産後の腰痛予防のためにも、今のうちに骨盤を整えておいた方がよいでしょう。妊婦向けの骨盤矯正や簡単なエクササイズもあるため、専門家に相談してみるのもおすすめです。
おりものの量が増える
尿漏れ?!破水?!と、毎日思いましたが、破水だったら少し力を入れるとチョロチョロ出続けるようで、そうではなかったのでやっぱりおりものすごい出る…といつも思っていました
妊娠中は、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増えるためおりものが多くなります。膣内は抵抗力が下がることで雑菌が繁殖しやすい状態です。おりものが多く不快感があるときは、こまめに下着を替えておりものシートを使用するなど常に清潔に保つことが大切です。
おりものの状態は体調によって変化しますが、痛みやかゆみ、異臭を伴うおりものが出ている場合は、カンジダ膣炎など感染症の可能性があるため、早めに病院を受診しましょう。
皮膚のかゆみを感じる
そもそもワセリンは肌に幕を張るだけで妊娠線予防や保湿にはならないですよ!オイルも肌が潤ってなかったら効果発揮できないので、まずはローションやクリームなどでしっかり保湿をするといいと思いますよp(^_^)q
妊娠中は、ホルモンバランスの影響やおなかが大きくなって皮膚が伸びることでかゆみを感じる人がいます。妊娠がきっかけとなって起こるかゆみを「妊娠性掻痒症(にんしんせいそうようしょう)」といい、少しの刺激でも強いかゆみが出ることが特徴です。
かゆみを我慢してしまうと、かき壊しや湿疹を引き起こすこともあるため、気になる場合は医師に相談して妊娠中でも使用できる塗り薬を処方してもらうとよいでしょう。
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P106-109(永岡書店,2006年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P102-103、P132-133(朝日新聞出版,2016年)
- 母子衛生研究会「妊娠月別胎児の様子とママのからだ」(https://www.mcfh.or.jp/jouhou/taiji/20_23week.html,2018年9月20日最終閲覧)
- 巣鴨さくらなみき皮膚科「妊娠中の皮膚科について」(https://sakuranamiki-hifuka.jp/pregnancy.html,2018年9月20日最終閲覧)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P95(学研プラス,2017年)
妊娠22週目の胎児の様子
- 胎児の大きさ(CRL):約230~280mm
- 体重:約400~500g
妊娠22週目になると、徐々に顔立ちもはっきりとしてきて新生児の体型に近づきます。体重が急激に増加し、4週間後には約2倍の重さになるでしょう。
大きな音に反応する
妊娠22週になると、胎児は音を伝えるための中耳にある骨が硬くなっていきます。何の音であるかはまだ判別がつかないものの、記憶や思考をつかさどる脳神経も発達してくるため、外からの大きな音には少しずつ反応するようになります。
もし胎児が動き出したら、おなかに向かって話かけてみるとよいかもしれません。
呼吸様運動(こきゅうよううんどう)が始まる
胎児の呼吸器は、肺として機能するには不完全な状態であるものの、羊水を飲み込んで肺の中にためて吐きだす「呼吸様運動(こきゅうよううんどう)」を始めます。
胎児が自力で呼吸できるようになるのはもう少し先ですが、肺が発達することで徐々に胎外でも生存できる可能性が高まります。
- ドクターウイリアム・シアーズ(著)他「シアーズ博士夫妻のマタニティブック」P205(主婦の友社,2014年)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P86-87(学研プラス ,2017年)
- 大蔵病院「妊娠中のお母さんの変化と赤ちゃんの成長」(http://www.hospi.ne.jp/ookura/mother/chapter1.html,2018年9月20日最終閲覧)
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.10産科」P53(メディックメディア,2015年)
妊娠22週目の過ごし方と注意点
妊娠22週頃になると、個人差があるものの胎動を感じる人が増え胎児の性別も判別できるようになってきます。まだ出産までは時間があると考えてしまいますが、体調がよいときに少しずつ準備を始めるとよいでしょう。
赤ちゃんの名前を考え始める
妊娠22週頃になると、妊婦健診の超音波検査で胎児の性別が確認できるようになってきます。体調がよいときや時間があるときに赤ちゃんの名前を考え始めてみてはいかがでしょうか?
出産したら14日以内に出生届を提出する必要があります。産後すぐはまだ体調が安定していないことや、赤ちゃんのお世話などで慌ただしくなることが予測されるため、余裕があれば妊娠中からいくつか候補を挙げておくとよいかもしれません。
名付けでは、法律で定められている常用漢字と人名用漢字のみ使用可能です。名前を考えるときに参考にしましょう。
性行為は無理のない範囲で行う
妊娠中であっても、切迫早産などのトラブルがなければ性行為をすること自体は問題ありません。ただし、妊娠中はおなかを圧迫しそうで怖い、体に触れてほしくないなどの理由で気分が乗らないという人もいるはずです。
妊娠しているママの気持ちを優先し、無理をしないためにもパパと相談しながら心身ともに負担にならないように行いましょう。
また、性行為の際は、清潔を第一に考えコンドームを使用しておなかを圧迫しないように注意することも大切です。
外食するときはたくさんの食材と使ったメニューを
妊娠22週頃は体重が増えやすい時期のため、できるだけバランスのよい食生活を送りたいものです。つわりがおさまり、体調がよくなってくると外出する機会が増え、外食することもあるでしょう。
たまには外食もよいですが、できるだけたくさんの食材を使ったメニューを選ぶとよいでしょう。また、塩分やカロリーが高めなメニューが多いため、外食翌日は不足している栄養素を取る、塩分やカロリーを控えめにするなど配慮するとよいですね。
切迫早産に気をつける
妊娠22週目以降、妊娠37週未満で生まれてしまうことを「早産」といいます。切迫早産は、早産になりかかっている状態のことを指します。
おなかの張りや痛みが頻繁に起こる、出血がみられるなどの症状が出たときはすぐに病院を受診しましょう。また、目立った症状がなくても気になることがあれば、早めに相談しておくと安心です。
診察の結果切迫早産と診断された場合は、医師の判断で入院による治療や自宅での安静が必要となることがあります。
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P66-67、89-90、100-101(学研プラス,2017年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典 朝日新聞出版」P142-143(朝日新聞出版,2016年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P106-109(永岡書店,2006年)
妊娠22週目は規則正しい生活を心がけましょう
妊娠22週目は母体のおなかが大きくなることで、足の付け根の痛みや皮膚のかゆみといったマイナートラブルが現れやすい時期です。痛みやかゆみを感じたら、無理をせず病院を受診してください。
体の不調を感じやすい時期のため、できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。
胎児は急激に体重が増え体が大きくなっていきます。体型は少しずつ新生児に近づき動きも活発になるでしょう。大きな音に反応するようになるため、胎動を感じたときはおなかに向かって話かけたり、おなかを触ってみたりすることで胎児とのコミュニケーションをはかるとよいですね。