里帰り出産における出生届の提出先
出生届の提出先は、以下いずれかの市区町村役所・役場となります。
- 届出人の所在地(住所地のほか、里帰り先の一時滞在地も含む)
- 父または母の本籍地
- 子供の出生地
上記3つは、里帰り出産でなくても当てはまります。ですので、里帰り出産したからと言って特に届け出先が変わるということはありません。
里帰り先であっても、新生児を連れての外出は大変でしょう。自宅にいる旦那さんに提出をお願いしても問題ありませんよ。パパになる第一歩を実感できるかもしれないのでお願いしてみるのも良いかもしれませんね。
旅行先や出先で出産した場合も同様、上記の3つに当てはまる場所で提出して大丈夫です。
出生届の提出期限
出所届の提出期限は生まれた日を1日と起算して14日以内と決められています。その日が土日祝日など閉庁日であればその次の開庁日が締め切りです。
市区町村の役所・役場によっては臨時の窓口を設けていることもありますので、事前に調べておくと安心です。
出生届の届出人
出生届を提出できるのは基本的には生まれた子供の父親か母親です。法律上の婚姻関係が無い男女の子供や、離婚をした夫婦の場合、届出人は母親です。
もしも何らかの事情で届け出ができなければ、代理人として次のような人が届け出ることもできます。
- 同居人
- 出産に立ち会った医師または助産師など
- その他の法定代理人
また役所に出生届を持参するのは届出人以外でも可能です。例えば里帰り出産なら祖母や祖父(母親から見た親)がかわりに役所・役場へ持参してもよいということです。
ただし代理人が出生届を持参する場合であっても、出生届の「届出人」の欄は父親か母親が署名しなければいけません。
海外で出産する場合
日本人夫婦が海外滞在中に出産をした場合には、出生日から3ヶ月以内に出生届を提出しなくてはなりません。その国にある日本の大使館や領事館に届け出を行うか、もしくは夫婦の本籍地がある役所へ郵送で提出するなどの方法があります。
日本の病院ほどサービスが行き届いていない場合がありますので、出産をした病院できちんと申し出て出生証明書を受け取りましょう。
またその国で出生した子供に国籍を与える制度の国もあります。もしそのまま出生した国の国籍を取得してしまうと日本国籍を失ってしまうので届け出の際には注意が必要です。
海外での出産の場合、その国によって決まりが異なります。海外で出産する可能性がある場合は、事前に必要書類や届け出方法を確認するようにしてください。
- 渋谷区「出生届」渋谷区(http://www.city.shibuya.tokyo.jp/todoke/koseki/t_shussho.html)
- 法務省「出生届」法務省(http://www.moj.go.jp/ONLINE/FAMILYREGISTER/5-1.html)
- 立川市「出生届について」立川市(http://www.city.tachikawa.lg.jp/shimin/kurashi/jumintoroku/kosekitodoke/shussho.html)
- 在アメリカ合衆国日本国大使館「Embassy of Japan i出生届」在アメリカ合衆国日本国大使館(http://www.us.emb-japan.go.jp/j/koseki/birth_top.html)
- 法務省「国際結婚,海外での出生等に関する戸籍Q&A」法務省(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji15.html)
里帰り先で出生届を提出する場合の持ち物
里帰り先でも住所地であっても、出生届を提出する場合には届け出用紙が必要です。通常であれば、産後の入院中に出生届の右側にある出生証明書に医師や助産師が証明したものをもらうことができます。
出生証明書の左側が出生届となっているためそこに自分たちで記入して役所に提出します。もし産院でもらえないときは市区町村の役所などで用紙をもらって記入をお願いしましょう。
出生届を提出する場合に必要なものは主に次のとおりです。
- 出生届と出生証明書
- 届出人の印鑑(両親どちらかのもの)
- 母子健康手帳
- 身分証明書
- 外国人登録証(生まれた子の養育者が外国籍の人の場合)
出生届と出生証明書とは一体になっており、出産をした病院でもらえます。出生証明書は出生した病院等の医師や助産師が記入し署名押印済みであることを確認しましょう。
印鑑は出生届の記入時に押印した印鑑が望ましいでしょう。シャチハタなどスタンプ式の印鑑は使用できません。母子健康手帳には「出生届受理証明」という欄に出生届が受理されたことが記入されます。
また窓口で提出者の確認をするため身分証明証の提示を求められることがあります。
その他、出生届の提出と同時に児童手当や助成金等の申請を同時に行うこともありますので、事前に調べておくと良いでしょう。
その他、里帰り出産後に必要な手続き
里帰り出産をする場合には里帰り先で使う日用品や出産に必要なものだけでなく、産後に必要となる書類なども忘れずに持って帰る必要があります。産前から産後にかけての手続きが必要となるのは、出生届のほかに次のものがあります。
- 病院の紹介状
- 健康保険の手続き
- 児童手当の手続き
- 乳幼児医療費助成の手続き
- 里帰り先で受けた妊婦健診助成費の返還手続き
病院の紹介状は、妊婦健診で通っていた病院やクリニックから里帰り先の産院に移る際に必要です。妊婦の健康状態や妊娠経過を知らせるために大切なものなので、必ず転院前に病院で書いてもらうようにしてください。
また子供が生まれたら出生届を提出するのは知られていますが、それだけでなく子供の健康保険や児童手当の手続きが必要です。
そのほか里帰り先が県外であった場合には妊婦健診の助成券を使うことができません。その場合に残った助成券と里帰り先で受診した妊婦健診の領収書を役所に提出することで、助成費の返還を申請することができます。
- 横浜市「出産等に伴う手続、子育て情報」横浜市(http://www.city.yokohama.lg.jp/kanazawa/koseki/file/pdf/tetuduki5.pdf)
- 目黒区「出産に関する手続き・証明」目黒区(http://www.city.meguro.tokyo.jp/kurashi/tetsuduki/shussan/)
提出すべきその他の書類
既に紹介しましたが、出生届を提出したときには戸籍の関係のみではなくそのほかにさまざまな手続きが必要となります。主な手続きについて里帰り出産の場合にどのようにすれば良いのかについて詳しく解説します。
児童手当
児童手当は子供が中学生以下の場合に養育者に対して支給されるお金です。世帯の所得や子供の年齢によって違いますが1人につき毎月5,000円~15,000円が支給されます。両親ともに所得がある場合は高い方が児童手当の請求者になります。
児童手当の支給を受けるためには出産後15日以内に住民票のある市区町村の役所への申請が必要です。里帰り出産の場合はあらかじめ必要書類などを確認しておき、提出は夫に頼むのが良いでしょう。
手続きに必要となる書類の基本的なものとしては、請求者の印鑑、健康保険証、個人番号(マイナンバー)を確認することができる書類、所得証明書、振込口座が確認できる通帳やカードなどです。
- 内閣府「児童手当制度の概要」内閣府(http://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/gaiyou.html)
健康保険
日本では全員が何らかの公的な健康保険に加入することとなっています。子供が生まれたときには父親または母親の扶養として会社などの健康保険に、あるいは世帯員の一員として国民健康保険に加入しなければいけません。
一般的には出産後1ヶ月が提出の締め切りです。里帰りがそれ以降になってしまう場合には夫に手続きを行ってもらうか、電話などで勤め先の担当部署または直接健康保険へ手続きを確認しましょう。
また国民健康保険に加入する場合には住民票のある市区町村の役所において手続きを行ってください。この場合は出生届を提出した際に役所から案内があると思われますので、それに従いましょう。
- 中央区「国民健康保険の届出(加入・喪失等)」中央区(http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/kokuminkenko/kokuminkenko1/kanyu.html)
- 河内長野市「子供が生まれた時の手続き(健康保険)」河内長野市(http://www.city.kawachinagano.lg.jp/kurashi/nenkin_hoken/shussei.html)
乳幼児医療費助成
乳幼児医療費助成制度は、小学生あるいは中学生となるまでの医療費を自治体が助成するものです。助成内容としては自治体によって違いがあり、自己負担が無料となっている場合や上限500円を月2回までなど決められているところもあります。
また対象となる年齢も小学生までから高校生までと幅広く、自治体によって差がある助成制度となっています。住民票のある市区町村の役場において申請することとなり、通常出生届を提出した際に担当の窓口を案内されます。
里帰り出産の場合には自宅に帰ってからあるいは夫に手続きをお願いしましょう。生まれた子供の健康保険証が必要ですので、まずはそちらへ加入しましょう。
- 東京都福祉保健局「乳幼児医療費助成制度(マル乳)」東京都福祉保健局(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/josei/marunyu.html)
- 東金市「子ども医療費助成制度のご案内」東金市(http://www.city.togane.chiba.jp/0000000317.html)
出産育児一時金
出産の主に分娩費用を補てんするために支給されるお金です。出産は病気ではないため、医療費は基本的には全て自己負担となります。1児につき42万円(※)が支給され、健康保険組合によっては更に上乗せされる場合もあります。
出産育児一時金については直接支払制度が行われている場合が多く、これは健康保険から42万円(※)が直接病院に支払われるというものです。この方法をとっている場合には一時的にも出産費用を自己負担せずに済みますので、里帰り先の産院に確認してみましょう。
またこの制度を希望しない場合には、直接病院の窓口で出産費用を支払い、健康保険にその領収書をもって申請してください。
(※産科医療補償制度に加入していない産院などで出産した場合は40.4万円。平成26年12月31日以前の出産は39万円)
- 全国健康保険協会「出産育児一時金について | よくあるご質問」全国健康保険協会(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r310)
- 全国健康保険協会「子どもが生まれたとき | 健康保険ガイド」全国健康保険協会(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat315/sb3080/r145)
出産手当金
会社などの健康保険に加入している本人が出産のために仕事を休む場合に、その範囲の給与の補てんとしての意味合いで支給されるのが出産手当金です。
出産手当金の申請書は健康保険組合などに提出します。一般的に産後2年間は申請できるので自宅に帰ってから申請を行っても間に合います。ただしあまり時間が経ってしまうと受給資格がなくなる可能性がありますので注意が必要です。
- 全国健康保険協会「出産で会社を休んだとき | 健康保険ガイド」全国健康保険協会(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat315/sb3090/r148)
- 人材派遣健康保険組合「出産で仕事を休んだとき | 健保の給付」人材派遣健康保険組合(http://www.haken-kenpo.com/member/benefit/maternity_a.html)
里帰り出産の場合でも、生後14日以内に出生届を提出しよう
出生届は子供が生まれて14日以内に提出することが決められています。出産当日から14日間ですので産後の入院期間等を考えると意外と時間がないものです。
里帰り出産の場合には里帰り先の市区町村へ提出できますので、その場合はあらかじめ書いておいた出生届を実母に提出してもらうという方法もあります。
また里帰り先ではなく住民票のある自治体で申請が必要な手続きも多くあります。夫に頼むことになれば必要書類の記入や受け渡しも必要となります。あらかじめそれぞれの提出先に申請書や期限について確認しておくのが良いでしょう。
中には申請期限も短いものがあります。リストなどにしておいて夫とともにチェックし、申請漏れがないようにしてください。