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監修:清水なほみ

【医療監修】心拍確認後の流産の確率は?心拍確認時期とその後の流産の可能性

妊娠して不安を抱きやすいのが流産です。初めての妊娠の時は次の健診日はまだなのか、心拍は確認できたけれど今後も流産の心配はあるのかな…と気になる方がいるのではないでしょうか。それとは逆に、心拍確認を期に、流産の不安がなくなると思う方もいるかもしれません。実際には、心拍確認できたあとに流産してしまったという方がいます。心拍確認後の流産の確率と、心拍確認後に流産をしてしまった方の体験談をご紹介します。

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心拍確認時期とその後の流産の確率

妊娠して胎児の心拍が確認できる時期は、妊娠6週以降です。ただし、通常は妊娠8週くらいまでは最終月経を基準に週数を算出しますので、排卵日がずれていると計算上は6週過ぎていても実際はまだ5週以下という場合もあります。

最終月経から算出して、現時点で6週なのにまだ心拍確認できなくても不安になる必要はありませんよ。医師から翌週に受診を指示された場合は、それまで待ちましょう。

ただし、心拍確認ができたとしても、そのあとに流産することはあります。発生頻度は、全妊娠の約10~15%と言われています。

出典元:
  • 米田産婦人科 「妊娠おめでとうございます」(http://www.komedaclinic.com/guide/index2.html,2017年8月8日最終閲覧)
  • こやまレディースクリニック「妊娠された方へ」(http://koyama-lc.com/prenatal-care.html,2017年8月8日最終閲覧)
  • 井上裕美(監)他「病気がみえる vol.10産科」86(メディックメディア,2015)
  • 岡井崇(編)他「標準産科婦人科学」326(医学書院,2014)

心拍確認後の流産の原因

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心拍確認後の流産の原因は、偶発的に起きる胎児の染色体異常によるものが多く、特に妊娠10週未満においては原因の60%~70%を占めます。染色体異常が原因で流産をしてしまった場合、流産を繰り返すことは少ないと言われています。

そのため、妊娠初期に流産をしてしまっても、「あの時こうしていれば…」などとご自身を責めるようなことはしないでください。精神的に追い詰めることなく、リラックスして過ごし次の妊娠に向け準備をするようにしましょう。

流産を3回以上連続で繰り返してしまう場合は、お母さん側にも何かしらの原因があるかもしれません。この場合は病院を受診して原因の特定をした方がよい場合があります。

出典元:
  • 井上裕美(監)他「病気がみえる vol.10産科」86(メディックメディア,2015)
  • 岡井崇(編)他「標準産科婦人科学」326(医学書院,2014)

流産の兆候はあるの?

腹痛 PIXTA

妊娠初期におこる流産は、進行過程によって切迫流産、稽留流産、不全流産、完全流産に分類されます。それぞれ兆候・症状が異なりますので、種類別にご紹介します。

切迫流産

切迫流産は、流産が差し迫っているという状態を指しますが、妊娠が継続できる可能性が残されています。妊娠初期に、出血などの症状がある場合に切迫流産と言われることが多いようです。

切迫流産の兆候としてみられるのが、出血や下腹部痛です。出血量や下腹部の痛みには個人差があります。妊娠初期の出血のなかには、絨毛膜下血腫が出血の原因となる場合もあります。

稽留流産

稽留流産の場合には、何も症状がないことが多いですが、なかには少量の出血がある方もいます。定期健診の超音波エコーの際に、胎児の心拍が確認できないと稽留流産と診断されます。

不全流産

不全流産は、普段の月経、またそれ以上の出血と強い下腹部の痛みが現れます。知らない間に出血とともに胎児が排出されてしまい、子宮内に胎盤や卵膜の一部が残っている状態です。

不全流産の場合には、できるだけ早く子宮内容除去術を受けて子宮内に残ったものを取り出す手術を受ける必要があります。残留物をそのままにしておくと細菌感染や次の妊娠が難しくなる可能性もあります。

完全流産

完全流産の場合には、普段の月経以上の出血と強い下腹部痛が起こったあとに、出血と痛みが軽減した状態を指します。

完全流産では、すでに子宮内から内容物が自然にすべて排出された状態なので、このまま経過観察をして次の生理を迎えるという治療になります。

出典元:
  • 井上裕美(監)他「病気がみえる vol.10産科」86(メディックメディア,2015)
  • 岡井崇(編)他「標準産科婦人科学」326(医学書院,2014)
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赤ちゃんを信じましょう

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悲しいことですが、流産は珍しいことではありません。妊娠初期であれば、流産の原因はほとんどが赤ちゃんにあるので、あのときこうしておけばよかったと考えすぎるのはよくありません。

いつかまた赤ちゃんがおなかに戻ってきてくれることを信じて待ちましょう。精神的な負担が大きい場合は、カウンセリングを受けることをおすすめします。

また、出血などの症状があるからといって流産だと決めつけないようにしてくださいね。安静によって改善するケースもありますので、少しでも出血があった場合は病院へ問い合わせるようにしましょう。

症状が軽かったとしても、「これくらい大丈夫かな」と自己判断することも危険です。少しでも違和感があれば病院で診てもらってくださいね。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ

通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を統合的に駆使した診療を行う婦人科医。日本で100名しか習得者がいない、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを学び、診療の現場においても、3年間で延べ6000人の患者に同テクニックを用いて診療を行っている。
中学時代のいじめや研修医時代のうつ経験から、「病は気から」を科学的に解明するための研鑽を積む。何気ない会話の中で患者に気付きを与え、片頭痛やイライラをあっさり「忘れさせる」診療には定評がある。5分で病気の「本当の原因」を見抜くため、患者からは「先生は占い師ですか!」と驚かれる。

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出典元一覧

  • 米田産婦人科 「妊娠おめでとうございます」(http://www.komedaclinic.com/guide/index2.html,2017年8月8日最終閲覧)
  • こやまレディースクリニック「妊娠された方へ」(http://koyama-lc.com/prenatal-care.html,2017年8月8日最終閲覧)
  • 井上裕美(監)他「病気がみえる vol.10産科」86(メディックメディア,2015)
  • 岡井崇(編)他「標準産科婦人科学」326(医学書院,2014)
  • 岡井崇(編)他「標準産科婦人科学」326(医学書院,2014)

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

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