妊娠10週目の妊婦の様子
妊娠10週目は、胎児はどんどん成長し心音も確認できるようになってくるでしょう。
子宮が徐々に大きくなってくるため、見た目にも変化が出てくるという方もいるかもしれません。下着や洋服が少しきつくなってきた場合は、ゆったりとした衣類やマタニティウェアを着用するとよいでしょう。
少しでもきついなと感じ始めたらゆったりめの服を選ぶようにし、マタニティウエアの購入も考えてみましょう。
- 南條達也(編)、荻田和秀(監)「最新版らくらくあんしん妊娠・出産」P38.39(学研プラス,2017年)
- 竹内正人(監)「最新版この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P26.27(朝日新聞出版,2016年)
妊娠10週の妊婦に起こりやすい症状
妊娠10週目を迎える妊婦に起きやすい主な症状をご紹介します。
つわりが落ち着く人もいればつらい人もいる時期
妊娠10週目はつわりの症状が落ち着いてくる人もいれば、まだつらい状態が続いているという人もいる時期です。つわりの症状には個人差があり、一旦治まったと思ったらつわりの症状がぶり返してしまうこともあります。
つわりが落ち着く時期も人それぞれですが、妊娠16週頃にはつわりの症状が落ち着いてきます。
この前の検診の時に先生に言われたんですが、早い方は10wぐらいから悪阻がなくなるといってましたよ〜!腹痛や出血などはないので、あれば大丈夫だとおもいますよ(^○^)
1人目の時は食欲は同じ、食べるものも変わらないけど全部戻す。って感じでしたが今回は何にも食べたくなりません。でもお腹はすく。ご飯食べる。吐く。お腹すく。お菓子を食べるの繰り返し。最終的にお菓子しか食べれてません。吐きすぎて最近胃も痛いです😰
つわりの症状が落ち着く時期は人それぞれです。症状が落ち着いてきても日によって体調が異なることもあるため、無理をしないことが大切です。
腰痛が出やすくなる
子宮がどんどん大きくなるとともに、女性ホルモンの影響によって腰痛が起こりやすくなります。無理はせず疲労を感じたときは体を休めるようにしましょう。
昨日は膣とお尻にズキーンとした痛みがあったり、尾てい骨や骨盤痛かったりしてたんですが今日になって生理痛のよーな痛みが来始めました。下腹部はダル重で太ももの付け根も痛いし腰痛もあってまさに生理の時のよーな感じです。
10週に入ると腰痛を感じるという人が多くいます。腰だけでなく、骨盤や尾てい骨付近まで痛みが出ることもあるようです。痛みを感じたらゆっくりと過ごすようにしましょう。
血管が浮き出てくる
この時期は母体内でたくさんの血液が作られて、血液量が増え続けています。その影響で、足や乳房、おなか周りの血管が浮き出てくることがあります。
お風呂で気がついて一瞬ギョッとしましたよ(^_^;)
胸もなんだか膨らんで来ている感じがしたのもその頃です。
手持ちの下着が苦しくて、ゆったりしたものに変えました。
血管が浮き出てくることは妊娠中によくみられる現象です。下肢に血流が滞らないようにするために弾性ストッキングを着用したり、足を高い位置に上げて休んだりするなど工夫をしてみるとよいでしょう。
乳首が黒ずんでくる
妊娠10週目に入ると卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響でメラニン色素を生成する色素細胞が刺激され、乳首などが黒ずみやすくなります。
乳首の黒ずみは、妊娠中に起こる一時的な変化であるためほとんどの妊婦に現れます。出産後黒ずみが目立たなくなるでしょう。
めまいや立ちくらみが起こりやすくなる
妊娠10週頃は胎児が著しく成長する時期です。胎児の成長を助けるために、母体内では多くの血液が作られ子宮に送り込まれます。
血圧の変動も起きやすくなるため、脳への血液循環がスムーズにいかなくなり、立ちくらみやめまいといった症状が出やすくなります。
妊娠初期に感じることが多いめまいや立ちくらみですが、安定期に入る頃には症状は落ち着いてくることがあるようです。
頻尿や便秘になりやすくなる
妊娠すると黄体ホルモンの分泌が増えます。ホルモンの影響で腸の動きが低下して便秘になることがあります。また、徐々に大きくなる子宮が膀胱(ぼうこう)を圧迫することによって頻尿になる方もいるかもしれません。
元々便秘ですが先週は10日出なくてとても辛かったです……もう少しで出そうなのですが、踏ん張っても全く出ないです😣💦
(中略)
来週病院なので便秘の薬を貰ってくるつもりですが、
今出そうな波がきてるので……スッキリしたいです😭
妊娠中は頻尿や便秘になりやすくなる時期です。トイレが近くなり夜中に何度も目覚めてしまうこともあるようです。
また元々便秘気味だった人は、妊娠してさらに便秘がひどくなってしまう場合もあるため、あまりにも便秘が続いてつらいときは、産婦人科で相談してみるとよいでしょう。
- 広尾レディース「妊娠3ヶ月」(http://www.hiroo-ladies.com/sanka/maternity/maternity03.html,2018年6月29日最終閲覧)
- 鈴木産婦人科「助産師からの一言アドバイス」(http://www.suzuki-sanfu.com/about/faq.html,2018年6月29日最終閲覧)
- 竹内正人(監)「最新版この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P26(朝日新聞出版,2016年)
- 南條達也(編)、荻田和秀(監)「最新版らくらくあんしん妊娠・出産」P38(学研プラス,2017年)
- A.Christine Harris(著) 竹内正人(監)「はじめての妊娠・出産安心マタニティブック」P53(永岡書店,2006年)
妊娠10週目の胎児の様子
- 身長:約4~6cm
- 体重:約4~20g
妊娠10週目になると胎児の心拍はさらにしっかりしていくため、人によっては妊婦健診の際に心音を聞けるようになっていきます。胎児の体全体も3頭身にまで成長し人間らしい形になります。
歯の形成が始まる
歯は胎児期から形成され始め、妊娠7~10週目に入る頃にはすべての乳歯(乳歯の芽)が作られるようになります。おなかの中で、母体からの栄養をもらいながら歯の石灰化が進んでいきます。
生殖器が作られ始める
妊娠10週になると、女の子は膣が、男の子は睾丸が発達し始めます。この段階ではまだ胎児の性別はわからず、超音波で確認ができるのはもう少し先です。
骨や心臓などの臓器が発達してくる
妊娠10週になると、脳や心臓、肺、腎臓など臓器の基礎が完成します。特に腎臓は早く機能し始めるため、胎児は羊水を飲んでおしっこをするようになります。
- 佐藤クリニック「胎児の「すくすく」ストーリー」(http://www.sato-clinic.com/press_past/vol_21.html,2018年6月29日最終閲覧)
- 日本産婦人科医会「正常所見8-10週」(http://www.jaog.or.jp/lecture/6-正常所見8-10週/,2018年6月29日最終閲覧)
- 竹内正人(監)「最新版この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P27(朝日新聞出版,2016年)
- 広尾まきレディースクリニック「わたしの妊娠カレンダー」(http://www.makiladiesclinic.com/wp-content/uploads/2014/11/obstetrics_schedule.pdf,2018年6月29日最終閲覧)
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.10産科」P6.7(メディックメディア,2015年)
- 南條達也(編)、荻田和秀(監)「最新版らくらくあんしん妊娠・出産」妊娠生活10ヶ月カレンダー(学研プラス,2017年)
- 吹田市歯科医師会「歯の広場」(http://www.ha-suita.com/qanda/qa_7.html,2018年7月10日最終閲覧)
妊娠10週目で流産する確率
妊娠初期は流産が起こりやすい時期です。流産は全妊娠の8~20%の確率で起こるとされていますが、心拍が確認された後は流産の可能性が低くなります。
妊娠初期に起こる腹痛や出血といった症状が必ずしも流産につながるというわけではありません。しかし症状が続く場合は、妊婦健診の予定がなくても病院を受診するようにしましょう。
- みずうち産婦人科「流産」(http://www.mizuuchi.or.jp/gynecology/流産/,2018年6月29日最終閲覧)
- 坂本産婦人科クリニック「妊娠中の過ごし方」(http://www.sakamotolc.net/ninshin/656.html,2018年6月29日最終閲覧)
- ASKAレディースクリニック「妊娠初期の注意事項」(https://aska-cl.com/art/art-pregnancy-notes.html,2018年7月11日最終閲覧)
妊娠10週目の過ごし方
妊娠3ヶ月目は、母体も胎児も大きく変化をする時期です。つわりを始めとした妊娠中のトラブルに悩まされることもありますが、無理せず過ごすようにしましょう。
妊娠届を出しましょう
病院を受診し、正式な出産予定日を確認できたらお住まいの自治体に妊娠届を出し母子健康手帳をもらいましょう。母子健康手帳と共に「母と子の保健バッグ」を渡されます。
子育てハンドブックや、妊婦健診を受ける際に費用の一部助成が受けられる妊婦健康診査受診票が入っており、妊婦健診や超音波検査の際に利用することができます。
必要栄養素はサプリメント活用しましょう
つわりがつらく思うように食事が取れない場合は、サプリメントで必要な栄養を摂取するとよいでしょう。
葉酸は妊娠前から妊娠初期にかけて摂取することが推奨されていて、適量を摂取すると胎児の神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)の発症リスクを軽減するとされています。食品からとることも可能ですが難しい場合はサプリメントで補う方法もあります。
また、胎児の成長に必要なカルシウムやビタミンCもバランスよく取れるようにするとよいでしょう。
- 港区「妊娠届」(https://www.city.minato.tokyo.jp/chiikihoken/kenko/ninshin/ninshin/ninshin.html,2018年6月29日最終閲覧)
- 広尾レディース「妊娠3ヶ月」(http://www.hiroo-ladies.com/sanka/maternity/maternity03.html,2018年6月29日最終閲覧)
- 母子衛生研究会「母子健康手帳副読本」P24(母子衛生研究会,2018年)
体調がよくない日はゆっくり過ごすようにしましょう
妊娠10週ではまだまだつわりが治まらずつらいという方がいるでしょう。おなかはまだ目立ちませんが、子宮は少しずつ大きくなってきて今まで来ていた洋服がきつくなってくる場合もあります。
また、胎児が著しく成長する時期でもあります。胎児のために母体の血液を子宮内に送ることで、立ちくらみやめまいなどの症状が出ることがあるため、無理をせずしっかり休むことも大切です。