つわりの症状がピークに。体の変化を実感する時期
妊娠3ヶ月は、つわりの症状がピークを迎える人が多い時期です。しかし、妊娠3ヶ月後半にはつわり症状が軽減してくる人もいるでしょう。
妊娠8週
大きくなった子宮が膀胱を圧迫するためトイレが近くなり、便秘に悩む人も。腟からの感染症を防ぐためにおりものの量が増える、妊娠初期に増える黄体ホルモンの影響で眠気やだるさが続くなどのマイナートラブルが目立つようになります。
注意力散漫になりやすいので車を運転するときは十分に注意しましょう。
妊娠9週
つわりのピーク。赤ちゃんへの栄養のためにはバランスの良い食事が理想ですが、つわりがひどいときには無理に食べる必要はありません。
- 何も食べられない
- 水を飲んでも吐いてしまい
- 水分が摂取できない
- 吐き気が止まらず1日中吐いている
- 妊娠前の体重から5%以上減った
このような症状がある場合には、単なるつわりではなく、「妊娠悪阻」と診断される可能性があります。かかりつけ医に早めに相談し、適切な処置を受けましょう。
妊娠10週
子宮の大きさは手の拳くらい。胎盤を完成するために活発化するホルモンが、メラニン色素の生成を促すため、シミができやすくなる傾向があります。
通常、出産してホルモンが低下すれば自然に消えることが多いので問題ありません。
妊娠11週
外見は妊娠前とさほど変わりませんが、子宮が大きくなったせいで足の付け根がつるように感じることも。心音計で赤ちゃんの心臓の音を聞くことができるようになります。つわりの症状が落ち着いてくる人も。
妊娠3ヶ月の胎児は人らしさが増してきます
赤ちゃんは脳が他の臓器よりも早く形成されるので頭でっかち。9週目頃には臓器はほとんど形成され、手足も確認できるようになります。
超音波検査のタイミングによっては動いている姿を見ることができることもあるでしょう。
8週目
頭殿長は15~20mm程度。「胎芽」から「胎児」と呼び名が変わります。2等身になり、骨の形成も始まるためより人らしい姿に。胎盤は未完成ですが、ママからの栄養補給も少しずつ始まっています。
9週目
頭殿長は22~30mm。手の水かきがなくなり、指が分かれて5本指に。手足を動かしバタバタする仕草も見られるようになります。まぶたや唇、歯の元になる歯根なども形成されて少しずつ人らしい顔立ちに近づきます。
10週目
頭殿長は31~42mm。頭と胴体がはっきりした2等身に成長。「しっぽ」のような部分はなくなり、姿勢もまっすぐになってくることから、より人らしい形に。神経系統も作られていきます。性別はまだわかりません。
11週目
頭殿長は50~60 mm。内臓器官が発達。羊水に浮かぶようになり、羊水を飲んで、尿から排せつするようになります。皮膚はまだ透明なので、脳や血管、内臓は透けてみえます。心臓の音が確認できることも。
妊娠3ヶ月の妊婦健診
妊娠3ヶ月の健診頻度は4週間に1回。問診票記入、尿検査、血圧・体重測定、内診・超音波検査、血液検査、浮腫検査、子宮底長測定、腹囲検査が主な検査項目です。
血液検査では母体と赤ちゃんに影響を与える病気や体質がないかを調べます。主に、白血球や血小板の数、貧血や血液型、不規則抗体、血糖、感染症、エイズ検査などがあり、検査内容は病院や各自治体によって異なります。
健診時は下着を脱いだり、腕をまくったり、おなかを出すなど脱ぎ着が多いので、服装はできるだけゆったりしたものを。正確な数値を測定するためにも、毎回同じような服装で行くことをおすすめします。
出産予定日はどうやって決まるの?
出産予定日とは、最終月経の初日からカウントして280日目(40週0日)のことをいいます。ただし、月経周期の個人差や排卵日にズレがあるため、正確な予定日は病院で赤ちゃんの大きさを測った上で計算されます。
出産予定日はあくまでも予定。予定日通りに赤ちゃんが生まれることの方が少ないです。
母子健康手帳の入手方法
母子健康手帳は、妊娠中の様子だけでなく、産後の赤ちゃんの成長も記録する大事な記録ノート。母子手帳をもらっていない人は妊娠11週までに、住民票がある役所や保険所に妊娠届を提出しましょう。
自治体によって手続きが異なる場合もあるので、事前に窓口に確認を。大抵の場合は、マタニティマークと妊婦健診の補助券も一緒にもらうことができます。
働く妊婦さんの味方、母性健康管理指導事項連絡カード
働く妊婦さんに知っておいてもらいたいのが「母性健康管理指導事項連絡カード」。医師から通勤緩和や勤務時間短縮などについて指導を受けた際に、診断書の代わりとして会社側に提出できる書類です。
働く妊婦さんが無理なく過ごせるよう、法律で守られたもので、会社側はこの記載に準じた措置をとる必要があります。
体調が悪いときは赤ちゃんのためにも休息を
おなかの赤ちゃんに衝撃を与えないよう、ハイヒールからかかとの低い靴に履き替えるなど転倒に注意をしましょう。働いている妊婦さんは、ひどいつわり、出血、おなかの痛みなどの症状があれば、仕事を休むことも考慮に入れて。疲れがたまるとマイナートラブルが悪化することもあるので、無理をしないように気をつけましょう。
おなかや胸が大きくなると内側から押された肌が、伸びについていけなくなくなることで亀裂が生じ妊娠線ができてしまうことも。肌に柔軟性を持たせるためにも、この時期からマタニティケアクリームなどで保湿対策を。妊娠中、産後もキレイなおなかをキープしましょう。
妊婦健診を待たずに受診した方がいいのはどんな時?
少量で継続しない出血、おなかの軽い痛みや張りは緊急性がほぼないので、時間内受診で問題ありません。頻繁に続く張りや止まらない出血、出血を伴う激痛があるときはかかりつけの医師に電話で相談を。
マイナートラブルは赤ちゃんが成長している証拠
まだ胎動を感じないため、つわりやマイナートラブルで妊娠を実感する時期。つらいですが赤ちゃんが無事に成長している証拠と前向きに捉えて乗り切りましょう。
とはいえ無理は禁物です。見た目の体の変化があまりない時期なので、他の人には症状が伝わりにくいですが、体調が優れないときはパートナーや家族に甘える、仕事の間もこまめに休むなど、できるだけ休息をとるようにしましょう。
つわりがひどい人は、今は「口に入れられるものだけ食べる」で大丈夫。もちろん、お酒とタバコ、自己判断による薬の服用は厳禁です。
※この記事の情報は2017年10月31日取材現在のものとなります。最新の情報は医療機関へ受診の上、各医師の診断に従ってください。