妊娠8週目に起こりやすい症状とおなかの大きさ
妊娠8週目頃は、確実に胎児の心拍が確認できる時期です。また、超音波で胎児の動きも確認できるようになります。一方でまだ流産が心配な時期でもありますが、心拍が確認できれば、流産の可能性も15%から一気に5%にまで下がります。
この時期は多くの人につわりの症状が出る時期なので、妊娠をはっきりと自覚する頃かもしれません。妊娠8週目に起こりやすい症状をご紹介します。
つわりがピークを迎えます
妊娠8週目くらいになると、つわりの症状がピークを迎えます。 個人差がありますが、何を食べても吐いてしまう「吐きづわり」、常に何か口にしていないと気持ち悪くなる「食べづわり」など症状はさまざまです。
食べてる物は、サンドイッチ、お好み焼き、たこ焼き、焼きそば、ハンバーガー、ポテト、カップヌードルとかなりの偏食です。
全く、お米やサラダを食べれなくなりました。臭いがダメです。
おなかの赤ちゃんのことを考えると、栄養面が気になるかもしれませんが、この頃の赤ちゃんは小さいため、多くの栄養を必要としません。つわりの症状がつらいときは、無理をせずに食べたいものを食べられるときに食べるようにしましょう。
適度に休みながら、つわりが軽減する方法を見つけましょう。水分さえもとれなくなるなど、症状がつらい場合は医師に相談してください。
頻尿
子宮が大きくなってきて膀胱(ぼうこう)を圧迫するため、頻尿になりやすいでしょう。また、尿意を感じるのにトイレに行ってもほとんど出ないというようなことも起こるかもしれません。
何度もトイレに行くのはわずらわしさがありますが、妊娠中は膀胱炎(ぼうこうえん)になりやすいため、我慢せずこまめにトイレに行くようにしましょう。
頻尿になると意識的に水分摂取を控えてしまう妊婦さんもいますが、脱水は血栓症のリスクも高めてしまいますので、むしろ水分は意識してしっかりとるようにしてください。
便秘
妊娠8週目はまだそれほど子宮は大きくありませんが、周りにある内臓が多少圧迫される影響と、女性ホルモンの影響を受けて便秘や下痢の症状が出やすくなります。
妊娠中の便秘は珍しいことではありません。痔になってしまう可能性があるため、症状がつらい場合には病院で相談して下剤を処方してもらいましょう。決して市販薬は自己判断で服用しないでくださいね。
自宅でできる対処法としては、つわりの症状がなければ食物繊維を積極的に摂取する、水分をこまめにとるなどの食事の改善が有効です。また、朝食を食べる前に冷たい水を飲むことで、腸の動きを活発にすることができると言われています。
胸の張り、乳輪の黒ずみ
妊娠8週になると胸の張りや、胸が大きくなったように感じる妊婦さんもいるでしょう。そうするとこれまで使用していた下着ではきつくて着られないという方も出てくるのではないでしょうか。
胸が大きくなったり、乳輪が黒ずんだりするのは、女性ホルモンの影響によるもので、赤ちゃんのための母乳生成準備を始めたサインです。
胸の張りによってブラジャーがきついと感じたら早々にマタニティ下着にかえていきましょう。
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妊娠8週目の胎児の様子
妊娠8週目の胎児の様子についてご紹介します。
- 胎児(胎芽)の大きさ(CRL):1.5cm~2cm
妊娠8週目には、体長が1.5~2cm程度にまで成長します。このころから、おなかの赤ちゃんは胎芽から胎児へと呼び名が変わります。
6週目くらいからできた軟骨が、しだいに硬い骨へと変化していきます。まぶたや鼻などの細かい部分もだんだん作られていき、手や足の形もはっきり見えるようになってくるでしょう。
エコーで赤ちゃんの姿が確認できます
妊娠8週目になると、胎芽を卒業し胎児となります。胎児は3頭身くらいではありますが、頭と胴体が分裂されて、少しずつ赤ちゃんの体型に近づいていきます。胎児がなかなか鮮明に見えず不安に感じていた方も、赤ちゃんがおなかにいることを実感できるでしょう。
栄養は卵黄嚢と胎盤から吸収をします
妊娠8週目は、胎盤が完成するまでにはまだまだかかりますが、すでに少しだけ栄養をもらっています。あとは胎嚢の中にある卵黄嚢から栄養を吸収して成長を続けています。
この時期からすでに妊婦さんの食事は少なからず影響を受けていますので、できる限り栄養バランスを意識した食生活を心掛けていきましょう。
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妊娠8週目で流産する可能性
一般的には全妊娠における流産の確率は約15%と言われています。
特に妊娠8週は胎児の心拍が確認できるかできないかの時期で流産しやすいということもあります。この時期に流産してしまう要因はどのようなものが考えられるのでしょうか。主な要因、症状をご紹介します。
胎芽が見えない
通常の妊娠であれば、早くて妊娠5週目で胎嚢が確認でき、妊娠7週目には胎芽・卵黄嚢、心拍が確認できます。しかし妊娠8週目の段階で胎芽が見えないとなると、胎児の成長がかなり遅く、このままいけば流産の可能性が高いでしょう。
ただし、胎児の成長は個人差があり、妊娠週数も間違っている可能性もあります。落胆しすぎず、期待しすぎないように気持ちを落ち着けて、次の妊婦健診を待ちましょう。
出血がある
妊娠中の流産は、妊娠初期が最も多いとされています。胎児の心拍が確認できれば流産の確率もだいぶ下がりますが、それでも安定期に入る前なので安心はできません。
出血の症状がみられる場合は早めに医師に相談するようにしましょう。
- おりものにピンク色が混ざっている
- 鮮血の出血が少量だが続いている
- 出血と共に下腹部痛がある
- 大量の出血をした
- 赤黒くて少量の出血がある
上記のようにちょっとした出血症状も気にするようにしましょう。もちろん出血がすべて流産につながるわけではありません。しかし自己判断で放っておけば、助かったはずの命が失われてしまう可能性はあります。
腹痛がある
妊娠8週の頃の腹痛には、いろいろな種類があります。同じ下腹部痛でも、筋が引き伸ばされるようなチクチクした痛みは、子宮が大きくなる際の痛みなので、特に問題ありません。
- 生理痛のような強い鈍痛
- 腰痛
上記のような腹痛で出血も伴う場合は、流産や切迫流産の可能性があるため、病院で診察を受けましょう。また出血が伴わなくても、出血があとから起こる可能性もあります。
稽留流産
稽留流産とは、子宮の中で胎児の成長が途中で止まってしまうことを言います。痛みなどの症状は特になく、妊婦健診の際に医師の確認によって判明する場合がほとんどです。
もし稽留流産になった場合、自然流産になるまで待つか、週数によっては入院して手術によって子宮内容物をかき出す必要があります。稽留流産は下記のような兆候がみられます。
- 妊娠6週目、妊娠7週目になっても胎児が確認できない
- 胎児は確認できたが、心拍が確認できない
- 胎児も心拍も確認できたが、途中で心拍が止まってしまった
稽留流産はほとんどの場合、偶発的に起こる胎児の染色体異常が原因です。そのため、予防法などはありません。
妊娠初期の流産は母体の影響を受けにくいので過剰に反応する必要はありませんが、あまり動き回らないようにするなど、無理せず過ごしましょう。
切迫流産
切迫流産とは、妊娠22週未満の胎児が流産しかかっている状態を言います。切迫流産の場合、特別な治療法はありません。出血が止まるまでは絶対安静が原則です。
切迫流産の場合、少量の子宮出血が断続的に続く場合があります。出血量は多い方が流産の可能性は高くなるでしょう。しかし少量でも可能性はゼロではありません。早めに病院で診察を受けましょう。
鮮血はその日だけで次の日からは茶色いのがおりものとまざって2.3日出たくらいです。
同じく切迫流産の診断となりお家で安静。
お仕事も出来ることならやめて安静生活ね。と言われました。
結果…お仕事を辞め、お家で普段の生活を続けたところ13週でまた出血。
先生曰く、安静と言ったらお布団で寝てる事。家事は1回30分程度まで。という事だったそうです。
切迫流産はまだ流産ではなく、回避できる可能性は十分にあります。医師の指示をしっかり守り、安静を徹底していきましょう。
医師によっては「安静にしていてください」という指示だけで、詳細な説明がないことがあるかもしれません。どの程度動いてよいのか、しっかり確認する必要があります。
心拍が確認できたのに流産してしまう理由
心拍がある場合、流産の可能性は5%程度とされています。妊娠8週では3%、妊娠9週では2%とどんどん下がっていきます。流産の原因は胎児側の問題と母体側の問題が考えられています。
胎児側の問題
妊娠12週目までに起こる流産は、染色体異常などの先天的なものである場合がほとんどです。医師の指示通りに生活し、安静にしていても流産を防ぐことができない可能性が高いため、妊婦さんは自分のせいだと責める必要はありません。
母体側の問題
母体側の原因としては、子宮筋腫や子宮奇形、子宮頸管無力症などの子宮の異常や、性感染症などが考えられます。
心拍確認後に流産を経験された妊婦さんは少なくありません。一度経験がある方であれば、再度の妊娠となると不安も大きくなりますよね。しかし過剰に心配せず、なるべくリラックスして過ごしましょう。
- 的野ウィメンズクリニック白楽「流産とは?」(https://www.matono-womens.com/treatment/ninp/ryuzan,2017年9月19日最終閲覧)
- 井上裕美(監)「病気がみえるvol.10産科」P.6.86(メディックメディア,2015年)
- あさぎり病院「産科:妊娠初期の出血について」(http://www.asagiri-hp.or.jp/sinryouka/sanhuzinka/tokushoku/syukketu.html,2017年9月19日最終閲覧)
- 長尾クリニック「Q&A」(http://www.nagao-clinic.gr.jp/doc/q32.html,2017年9月19日最終閲覧)
- まのレディースクリニック「妊娠と病気」(http://www.yuhookai.jp/MLC09_QA_3.html,2017年9月19日最終閲覧)
- みずうち産科婦人科「流産」(http://www.mizuuchi.or.jp/gynecology/流産/ ,2017年9月19日最終閲覧)
- 志馬クリニック四条烏丸「流産手術(吸引手術)」(http://www.shime.biz/sp/05-03-07-04-ryuzanshujutsu.html,2017年9月19日最終閲覧)
妊娠8週目のおすすめの過ごし方と注意点
妊娠8週目はさまざまな体調の変化が現れるデリケートな時期なので、あまり無理をしないようにしてください。つわりの症状がひどい時には無理をしてまで食べる必要はありませんが、水分は積極的にとるようにしましょう。
まれに静脈瘤ができる場合があるため、長時間立ち続けることを避け、加圧機能のあるソックスやストッキングを使用するのが有効です。
マタニティ下着の着用を開始しましょう
妊娠8週になると、胸の張りを感じてこれまで着ていた下着がきつく感じる方もいるでしょう。下着の締め付けそのものがつわりの不快感を増してしまっている場合もあります。
無理に着用せずに、マタニティ専用の下着や衣服をそろそろ準備し着用していくようにしましょう。
マタニティマークを身に着けましょう
普段からよく電車など公共機関を利用することが多い方は、マタニティマークを身に着けることをおすすめします。マタニティマークは最寄駅構内にあるみどりの窓口などで配布されています。
マタニティマークを積極的に身に着けたくない妊婦さんもいるでしょう。もちろん義務ではありませんので選択は自由です。
万が一妊婦さんの体に予想外の緊急事態が起きたとき、周りが妊娠を認知することがとても大切になる場合も考えられます。赤ちゃんを守るという意味でも、マタニティマークはなるべく持ち歩くようにしましょう。
妊娠8週目、焦らず妊娠生活を送りましょう
妊娠8週目は、経過が順調な方であれば、胎児の心拍が確認され、母子手帳を受け取って妊娠しているということが自覚できる時期なのではないでしょうか。
しかし妊娠生活はまだまだ始まったばかり。妊娠中は体調が変わりやすい時期でもあるので一日一日を大切にして、ゆっくりと過ごすようにしましょう。