双胎妊娠では、単体妊娠に比べて流産・早産のリスクが高まります。早産率は約半数といわれ、その1割程度は妊娠28週未満の超早産となる方もいます。
また、胎児の発育が均等でないことや、二人とも小さめの発育となることがあります。胎盤やへその緒の状態が原因で起こりますが、特に一絨毛膜性双胎でリスクが高いため、超音波検査を頻繁に行うなどの対策がとられます。胎児の発育が止まったままにしてしまうと胎児仮死や胎児死亡につながる可能性があるため、胎児の発育に問題がある場合には入院による管理が行われることがあります。
母体へのリスク
- 妊娠高血圧症候群
- 血栓塞栓症
- 産後の過多出血
単体妊娠の3倍程度で、高血圧や尿たんぱくの症状が起こります。重症化すると、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)などを引き起こす可能性があります。
多胎妊娠では、単体妊娠に比べて母子ともにさまざまなリスクが高くなるため、妊婦健診の頻度を多くしたり、状況によっては管理入院をしたりといった対応がとられます。ただし、経過が順調な場合は単体妊娠と同様の対応となることもあります。
- 国立成育医療研究センター「多胎妊娠外来」(https://www.ncchd.go.jp/hospital/pregnancy/senmon/tatai.html,2018年4月11日最終閲覧)
- 大阪府立母子保健総合医療センター「多胎妊娠の方へ」(https://www.mch.pref.osaka.jp/hospital/department/sanka/images/sanka_01.pdf,2018年4月11日最終閲覧)
双胎妊娠の分娩方法
双子の出産と聞くと「帝王切開」というイメージを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、経膣分娩ができる可能性もあります。ただし、病院の体制や考え方によって異なりますので、希望しても実現できないこともあります。
通常は陣痛が来る前の34週くらいから管理入院をして、自然な陣痛を待つのか帝王切開をするのかを状態によって判断します。
経膣分娩が可能な条件
- 第一子が頭位であること
- 妊娠34週以降であること
- 赤ちゃんの推定体重が、2人とも1,800g以上あること
経膣分娩が可能な条件は病院によって異なる場合もありますので、経膣分娩を希望する場合には医師に確認してください。また、経膣分娩での出産を進める中で、緊急帝王切開となる可能性もあることを頭に入れておきましょう。
- 国立成育医療研究センター「多胎妊娠外来」(https://www.ncchd.go.jp/hospital/pregnancy/senmon/tatai.html,2018年4月11日最終閲覧)
- 大阪府立母子保健総合医療センター「多胎妊娠の方へ」(https://www.mch.pref.osaka.jp/hospital/department/sanka/images/sanka_01.pdf,2018年4月11日最終閲覧)
- 日本産科婦人科学会(編)「産婦人科診療ガイドライン 産科編2017」405(日本産科婦人科学会事務局,2017)
「いつもと違う」と感じたら迷わず医師に相談を!
双子は単体妊娠よりも母子共にトラブルが起こる可能性が高いです。双胎妊娠はさまざまなリスクがあり単体出産よりも注意深く経過を見る必要があるのです。少しでもいつもと違うなと感じることがあれば、迷わず医師に相談しましょう。
双子の妊娠とわかったら、無理をせず休息をとりゆったりとしたマタニティライフを過ごしながら、元気な赤ちゃんと出会えるまでの心の準備をしたいですね。










