タイミング法とは
不妊治療におけるタイミング法は、タイミング療法と呼ばれることもあり、医師に排卵日を予測してもらい、もっとも妊娠しやすいタイミングで性行為を行う方法のことです。体への負担が少なく、不妊治療の最初に行う方法で、男性側にも女性側にも明確な不妊の原因がない場合が対象です。
不妊検査をしても原因が見つからず、かつ女性の年齢が35歳以下であり、左右両側の卵管の詰まりがないなどの条件をクリアしていれば、検査をしてから半年をめどにタイミング法を行うことが勧められています。自然周期で排卵日の予測をする方法と、排卵を促すために排卵誘発剤を使用した上で排卵日の予測をする2通りの方法があります。
タイミング法にかかる費用は、通院や検査の回数、実施する医療機関によっても異なりますが、基本的には保険が適用されるため、1回2,000~3,000円程度で行うことが可能です。ただし、超音波検査が保険適用されるのは月に2回までと制限があるため、3回目以降は自費となります。クリニックによって異なりますが、5,000~10,000円程度かかることもあります。
- セントマザー産婦人科医院「不妊症の治療方法」(https://www.stmother.com/treatment/treatment4/,2019年1月8日最終閲覧)
- 高橋敬一(著)「専門医が答える不妊治療Q&A」P56-57(幻冬舎,2017年)
- 銀座こうのとりレディースクリニック「一般不妊治療」(http://ginzakounotori.com/contents/ippan/,2019年1月8日最終閲覧)
タイミング法の流れ
タイミング法を行うためには通院が必要ですが、排卵日を予測するために検査を受けることや、タイミングの取り方について指導を受けるということ以外は自然妊娠と変わりません。
治療を行う際に疑問や不安な点があったら、医師に相談してみるとよいでしょう。
排卵日を予測する
タイミング法を行う場合、まずは排卵日の予測をすることから始めます。基礎体温を記録し、低温期から高温期へと移行する数日の間をおおよその排卵日と推測します。
排卵期が近づいてきたら再度病院を受診し、経膣超音波検査で卵胞の大きさを確認します。卵胞が約18mm~22mmにまで成長すると排卵が起こるため、卵胞の大きさからあと何日で排卵するかを慎重にフォローします。
タイミング指導を受ける
妊娠が成立するためには、まずは卵子と精子が受精をすることが不可欠です。卵子の寿命は排卵後約24時間で、そのうち受精に適しているのは約6~8時間の間だけです。
卵胞の大きさを確認し、排卵が近づいていると診断されると、ホルモン検査を行いより正確な排卵日を推定します。このときに医師からタイミングを取るための指導があります。
性行為はできるだけ回数を増やす方が妊娠の可能性が高まります。排卵日に合わせて狙いを定めるのもよいですが、特に排卵日前後は毎日行うことができればさらに妊娠率が上がります。
- 銀座こうのとりレディースクリニック「一般不妊治療」(http://ginzakounotori.com/contents/ippan/,2019年1月8日最終閲覧)
- 高橋敬一(著)「専門医が答える不妊治療Q&A」P56-57(幻冬舎,2017年)
タイミング法で妊娠しなかったらどうする?
タイミング法で妊娠できるかどうかは個人差があります。
女性の年齢にもよりますが、排卵障害があって自然周期によるタイミング法がうまくいかないときは、排卵誘発剤を併用して卵子を排卵させる必要があります。
ただしタイミング法を行って約半年間で妊娠しなかった場合は、状況に応じて人工授精や体外受精へのステップアップを考慮します。
その結果、卵管采癒着疑いがわかったので人工は飛ばして体外受精にチャレンジ中です。
タイミング法を行ってから人工授精にステップアップしたら妊娠したという人がいれば、人工授精は行わず体外受精にステップアップする人もいます。
治療の効果には個人差があるため、医師や家族と相談した上で進めていけるとよいですね。
- 銀座こうのとりレディースクリニック「一般不妊治療」(http://ginzakounotori.com/contents/ippan/,2019年1月8日最終閲覧)
思った結果にならなくても焦らずに!
タイミング法は不妊治療で一番初めに行う治療方法です。ホルモン検査や超音波検査によって排卵日を特定し、医師のアドバイスをもとに妊娠しやすい時期にタイミングを取る方法ですが、タイミング法を行っても必ず妊娠できるというわけではありません。
治療ということで妊娠に対するプレッシャーを感じてしまう人がいるかもしれませんが、あまり気にしすぎないことが大切です。
不安に感じることがあればパートナーや医師に相談して、少しでも不安を取り除きながら治療を進めていけるとよいですね。
※この記事の情報は2019年2月6日現在のものとなります。最新の情報は医療機関へ受診の上、医師の診断に従ってください。