『透明なゆりかご』とは?
今回のドラマの原作となる『透明なゆりかご』は、沖田×華さんの著書。妊娠や出産における中絶や死産などの出来事を、見習い看護師の目線から描かれている漫画です。
看護学科の青田アオイは、高校3年生。母のすすめで産婦人科病院の見習い看護師として働くことになります。任された仕事は、妊娠した後、さまざまな理由によって中絶を選択した女性の中絶手術の立ち合いや、その後の処理。
一時は辞めてしまいそうになりますが、立ち会った出産の現場で、生まれてくる赤ちゃんの命の力強さに感動し、仕事を続けていく決意をします。
読者からは、一人でも多くの人に読んでほしい、知ってほしいといった反響が大きく、第42回講談社漫画賞の少女部門を受賞しています。
絵のタッチは独特でとても読みやすい漫画です。絵はシンプルに見えて一人一人の表情がとても豊か。登場人物の気持ちがストレートに伝わってくるので、毎回涙なしでは読めません。
7/20夜10時より、NHKにて放送開始!
©NHK
主人公の青田アオイには清原果耶さん
清原果耶さんは、アミューズオーディションフェス2014年にグランプリを受賞。これまで『ちはやふる』や『3月のライオン』などの映画やCMにも出演している、今大注目の若手女優さんです。
他にもモデル業をこなしており、歌をうたうことやダンスが得意。身長が161cmでスラっとした印象で、目力と存在感がある方です。とても透明感ある清原果耶さんが体当たりで挑む『透明なゆりかご』はどのような作品となるのかとても楽しみですね。
由比産婦人科の院長役に瀬戸康史さん
瀬戸康史さんといえば、フジテレビ系ドラマ『海月姫』で鯉淵蔵之介役を演じ、女装がとてもきれいで話題になりましたね。端正な顔立ちから生まれる演技は透明感があり、いるだけで存在感があります。
映画やドラマ、複数のCMと引っ張りだこの瀬戸康史さんが演じるのは、青田アオイが働く産婦人科病院の院長、由比朋寛です。もともとは大学病院に勤めていた由比朋寛ですが、30代半ばで開業。一見淡々としていて、厳しい言葉も口にしますが、どの妊婦に対しても丁寧に向き合います。
言葉は厳しいけれど、しっかり向き合ってくれるイケメンの院長。見ごたえありですね。
アオイの先輩看護師には水川あさみさん
数多くのドラマや映画に出演し、バラエティ番組などでも楽しそうな様子を見せる水川あさみさん。NHK大河ドラマ『西郷どん』にも新たなキャストとして出演が予定されています。
水川あさみさんはクールビューティーな印象が強いですが、じつはとってもいたずら好きで、共演者の方々とすぐに仲良くなれる方です。できる役者の幅がとても広いので、オファーが絶えないようですね。
そんなベテラン女優の水川あさみさんは、今回青田アオイの先輩看護師の望月紗也子役。厳しいところはありますが、とても頼りになる存在。自身は結婚しているものの、子供を持つかどうかは悩んでいるそう。
物語の中では、子供に対して葛藤する様子が見られるかもしれませんね。どのように演じるのか、とても楽しみです。
第一話のテーマは「未受診妊婦」
NHKドラマ『透明なゆりかご』の第一話のテーマは「未受診妊婦」です。未受診妊婦とは、妊婦健診を一度も受けずに分娩および入院に至った妊婦のことを言います。
大阪産婦人科医会が2010年に調査したデータでは、未受診妊婦の40%が初産で、そのうち69%が未婚となっています。未受診となった経緯としては「お金がない」「経済的に苦しかった」など経済的な理由が33%。「妊娠に気づかなかった」「どこに行ってよいのかわからなかった」など体や社会システムに対する無知によるものが21%でした。
未受診妊婦の場合、赤ちゃんや妊婦の体がどのような状態であるのか全く把握できないため、医学的にも社会的にもとてもハイリスクであると位置づけられています。
未受診は必ずしも妊婦だけに問題があるわけではありません。医療機関や社会全体で解決していくべき問題です。この大きな問題をテーマにした『透明なゆりかご』がどのようなドラマになるのかとても楽しみですね。
- 大阪産婦人科医会「未受診や飛び込みによる出産等実態調査」(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/3964/00098618/mijyusinchousa2009.pdf,2018年7月17日最終閲覧)
家族で子供をつくる・妊娠する・産むということを考えるきっかけにしよう
毎年何人もの赤ちゃんが誕生していますが、その裏には当然悲しい出来事も存在しています。『透明なゆりかご』はそういう悲しい部分をテーマにした内容になっており、経験したことのない世界であると感じる方も多いでしょう。
ドラマの中には、目をそむけたくなるような場面と出会うかもしれません。しかしすべてがこの世の中のどこかで起きていることです。ぜひご家族でご覧になってみてください。命そのものについて考えるよい機会になるとよいですね。
沖田×華さんの原作が気になる方はこちら!
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出版:講談社、著者:沖田×華詳細を見る