妊娠初期は頭痛が起こりやすい?
妊娠中に起こる頭痛にはさまざまな原因があります。妊娠初期の頭痛は、ホルモンの変動や、つわりなどのマイナートラブルによって体がストレスや緊張を感じることが原因で起こります。
頭痛が頻繁に起こるときや痛みがひどくつらいときは、かかりつけの病院に相談するとよいでしょう。
妊娠初期に頭痛を感じたことがある人は多いようです。人によって頭痛の程度はさまざまですが、つわりとともに頭痛の痛みを感じるのはとてもつらいですよね。
妊娠中の頭痛はいつまで続く?
妊娠初期は、運動不足やつわりのストレスから頭痛を起こしやすい時期です。中には妊娠中期以降も続く人がいますが、体の変化による疲労感や出産に対する不安な気持ちから頭痛が起こる場合もあります。
痛みを感じたら安静にしたり、気分転換のため散歩をしてみたり日常生活で改善を試みることが大切です。
- 日本産科婦人科学会(監)「Baby+お医者さんがつくった妊娠・出産の本」P37(リクルートホールディングス,2015年)
- 竹内正人(監)「この1冊であんしんはじめての妊娠・出産事典」P132(朝日新聞出版,2016年)
- いせ山川クリニック「頭痛について」(http://iseyamakawa-clinic.com/zutuu.html,2018年11月19日最終閲覧)
妊娠初期に起こる頭痛の原因
妊娠初期に起こる頭痛には以下の三種類があります。妊娠をすると女性ホルモンの働きによって片頭痛が軽くなることがありますが、中にはひどくなってしまう人もいます。
ホルモンバランスの変化
妊娠すると体内でプロゲステロン(黄体ホルモン)の働きが活発になります。排卵後に分泌量が増加するホルモンで、子宮内膜を柔らかくして受精卵が着床しやすいような環境を整えます。妊娠継続には欠かせませんが、一方で頭痛や腹痛、腰痛などの不快な症状を出しやすい働きもあります。
いわゆる片頭痛もホルモンバランスの変化が原因で起こる頭痛で、妊娠可能な年代によく発生します。ズキズキ、ガンガンといった脈打つような痛みと頭の片側、もしくは両側が痛むことが特徴です。
片頭痛を引き起こすのは、主に「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の変動です。ホルモンが大きく増えたり減ったりすることによって、頭痛が誘発されやすくなります。
症状の程度には個人差がありますが、単に頭の痛みだけでなく吐き気や視覚の異常を伴い、頭痛が起こる前には肩こりやあくび、フラッシュのような光によって視界を遮られるような症状が起こる場合もあります。
ストレスや筋肉の緊張
妊娠初期は、体の変化によってストレスがたまったり、慣れない体の変化によって知らず知らずのうちに体が緊張状態になったりすることが原因で頭痛を引き起こすことがあります。
ストレスや筋肉の緊張が原因で起こる緊張型頭痛は、片頭痛とは少し異なり左右のこめかみや後頭部、首筋が締めつけられるような痛みが続く頭痛です。
疲労やストレスがたまってくる夕方から夜にかけて痛みがひどくなる傾向があります。症状が悪化すると、めまいや吐き気を伴うこともあります。
貧血
妊娠中は母体内の血液量が増加しますが、赤血球など血液中の成分自体はあまり増えません。そのため、母体の血液は薄まった状態が続き貧血になります。
また、胎盤を通じて胎児に必要な鉄分を供給するため、母体内の鉄分が不足しやすいことも貧血を起こす要因です。貧血になると頭痛、めまい、たちくらみなどの症状が出るため、鉄分や鉄分の吸収率を高めるビタミンCを含む食材を摂取するとよさそうです。
妊娠初期の血液検査で貧血の数値が出た場合は、病院で鉄剤が処方されることがあります。
- SBC湘南メディカル記念病院「緊張型頭痛」(https://www.sbc-hospital.jp/care_headache/,2018年11月19日最終閲覧)
- いせ山川クリニック「頭痛について」(http://iseyamakawa-clinic.com/zutuu.html,2018年11月19日最終閲覧)
- 関東病院「頭や顔が痛む患者さんへ」(https://www.ntt-east.co.jp/kmc/guide/painclinic/06.html,2018年11月19日最終閲覧)
- SBC湘南メディカル記念病院「片頭痛の症状」(https://www.sbc-hospital.jp/care_migraine/symptom.html,2018年11月19日最終閲覧)
- 陣の内脳神経外科クリニック「マイカルテQ&A」(http://xn--4itx00djtcz85b.jp/karte/karte2/#56,2018年11月19日最終閲覧)
- 鶴川台ウィメンズクリニック「女性ホルモンの基礎知識・仕組みと種類」(https://www.tsurukawadai.jp/column/20180405,2018年11月21日最終閲覧)
- 荻田和秀(監)「らくらくあんしん妊娠・出産」P41-42(学研プラス,2017年)
頭痛が起こったときの対処法
体調が不安定な妊娠初期は、一日のうちでも体調が大きく変化するため、「今日は体調がよいな」と思っても時間がたつとつらくなってしまうことがあります。体調不良によって頭痛が起こったときは、無理をせずゆったりと過ごすようにしてください。
激しく体調が変化することで、体が緊張状態になりストレスがたまってしまったら、後頭部や首の後ろ、こめかみ周辺を軽くマッサージすることで症状が改善される場合があります。
入浴時に熱めのシャワーを後頭部から肩にかけて当てるのも有効です。ただし、片頭痛の場合は温めることによって逆に悪化するため、頭痛の原因によって対処法を選びましょう。
また、枕など寝具を自分にあったものに変えるだけでも効果が出ることがあるため、できる範囲で試してみるのみよいでしょう。
頭痛薬は飲んでもよい?
妊娠初期に頭痛が起こると、薬を飲んでもよいのかどうか迷いますね。手持ちの市販薬は妊娠中に服用してよいのか気になる人もいるでしょう。
頭痛薬は市販薬の中でも身近な存在という人もいるかと思いますが、妊娠中の服用は避けた方がよいとされる薬が多いため、安易に服用するのは避けましょう。もしどうしてもつらい場合は、箱に書かれている注意事項を確認した上で、薬剤師に相談してください。
また、妊婦健診のタイミングで妊娠中でも服用できる痛み止めを処方してもらうのもよいでしょう。
妊娠中と伝えれば、内科でもすぐ処方してもらえますが、産婦人科で先生に相談して処方してもらってもいいと思います(^-^)
市販薬ではないので、必ず医師に相談してください💊
妊娠中は薬を飲んではいけないと思ってしまいますが、妊婦でも飲める薬もあります。薬を飲まなかったことで症状が悪化してしまう方がよくないため、決して無理しないようにしましょう。
- 日本産科婦人科学会(監)「Baby+お医者さんがつくった妊娠・出産の本」P37(リクルートホールディングス,2015年)
- くすりの適正使用協議会「妊娠・授乳とくすり」(https://www.rad-ar.or.jp/use/maternity/index.html,2018年11月19日最終閲覧)
- たけしファミリークリニック「妊娠中の頭痛について どんな薬を使ったらいい?」(http://takeshi-familyclinic.com/blog/妊娠中の頭痛について どんな薬をつかったらい/,2018年11月19日最終閲覧)
頭痛だけでなくめまい、吐き気などの症状を伴うときは病院へ
頭痛は妊娠していてもしていなくてもつらいものです。特に妊娠初期は、簡単に薬を飲んではいけないという思いから痛みを我慢してしまう人もいるかもしれません。
頭痛の種類によって対処法は異なりますが、痛みを感じ始めたら横になり休むことが大切です。休んでも症状が落ち着かない場合や、痛みがひどくなるようなことがあったら、無理をせずに医師に相談して妊娠中でも飲める痛み止めを処方してもらうとよいでしょう。