NHK『すくすく子育て』とは?
子育ては何かと悩みが多いもの。分からないことや不安なことは、雑誌やネットで調べることもありますよね。そんな悩めるママたちにおすすめしたいのが、NHKで放送されている『すくすく子育て』という番組です。
現在、『すくすく子育て』ではタレントの古坂大魔王さん、鈴木あきえさんがMCを務め、育児についてさまざまなテーマを取り上げ、ママたちのリアルな悩みに寄り添っています。
専門家の先生がたくさん相談に乗ってくれたり、面白いおもちゃづくりを教えてくれたりと多くの情報を届けてくれるのでおすすめです。
番組詳細
- 放送局:NHK
- 放送時間:土曜日 21時~21時29分、翌週土曜日12時~12時29分(再放送)
- 出演者:古坂大魔王、鈴木あきえ
他の子供たちとの関わりが少なくても、社会性は育つの?
保育園や幼稚園に通っていない子供がいるママたちは、普段どのように過ごしていますか?家でゆっくりママやパパと2人で過ごしていたり、児童館や公園へおでかけしたりとさまざまですよね。
年の近いお友だちと一緒に過ごす機会が少なく、もっと子供同士で遊ばせた方が良いのか…と悩む方もいるかもしれません。番組に、以下のような悩みが寄せられました。
娘がもうすぐ1歳になりますが、私は専業主婦なので、保育園に通わせる予定はありません。また、いつも児童館に行くわけではないので、娘は他の子どもたちとじっくり関わる時間が多くありません。そのため、社会性が育ちにくいのではないかと不安です。
(11か月の女の子をもつママより) ※1
他の子供たちと関わるよう、積極的にそのような場へ出向いた方がよいのか悩めるママからの相談。筆者も長女が生まれ、専業主婦だったため家で2人きりの時間が多かったです。
たまに公園や児童館などへ行きましたが、子供と接する機会は頻繁にはありませんでした。この質問に対し、専門家である汐見稔幸さんが丁寧に回答してくださいました。
誰かが助けてくれるという経験が、他者との関わり方をよくする
回答:汐見稔幸さん
0~2歳のころは、人と関わる基礎力を身につける時期だということがわかってきています。この時期、親子の関わり方も大事なのです。
例えば、子どもに何かあったときは「大丈夫?」と声をかけたり、つらいことがあったら必ず抱きしめてあげる。こういったことを無条件に繰り返していると、子どもは「何があっても助けてもらえる」と感じて、やがて親ではない他者に対しても「自分の味方なんだ」という感覚を持つようになります。
この経験が他者に対する信頼感の下地となり、3~4歳になったとき、人と上手に関わっていけます。これが社会性となるのです。この意味では「自分は愛されている」という感覚を育てることが、いちばん大切になってきます。小さいころにたくさんの子どもたちと関わるだけで、社会性が育つわけではないのです。 ※2
年の近い子供同士で過ごした方が良いのでは?という疑問を持つママの質問に関して、汐見さんは「親子関係の信頼を築くことも必要」と話しています。
0~2歳ごろは、人と関わる基礎力を身に付ける時期ということが分かってきているそうですが、親との信頼関係をしっかり作ることで安心して他者とのかかわりを築けるそうです。
もちろんママやパパなど大人だけでなく、子供同士のふれあいも大切だと思います。その時間を一緒に過ごすことで、さらに安心して活動できるのではないでしょうか。
子供と一緒に過ごせる時間が少ない、どう関わればよい?
半年ほど前から、子どもを保育園に通わせて、私は職場復帰をしました。仕事を再開したことで、子どもと一緒に過ごせる時間が少なくなり、短い時間でどう子どもと関わればよいか悩んでいます。
例えば、夕方に子どもを迎えにいき、帰宅が6時ごろ。食事を作り、ご飯を食べさせ、お風呂に入れ、その後は子どもが眠くなるまで一緒に遊ぶなどして過ごします。夜一緒に過ごせる時間は、帰宅して寝るまでの1時間半ぐらいになります。朝も1時間ほどしかありません。子どもがもっと遊びたそうにしているときもありますが、時間がなく、子どもがやりたいことに応えてあげられていないと感じています。
パパは朝が早く、子どもが起きる前には仕事に出かけます。帰ってくる時間も子どもが寝た後になることがほとんどです。(1歳5か月の女の子をもつママより) ※3
産休・育休を終え、職場復帰をしたママからの相談です。今まで一緒にいた時間が長い分、保育園へ行くようになると過ごせる時間が急に少なくなってしまいますよね。
筆者も仕事をしているため、子供は保育園へ預けていますが、今までと違い一緒にいる時間は短く、本当はもっと遊んで欲しいんだろうなと感じることもあります。遊んであげたい気持ちは大いにあるのですが、家事や仕事とやることはたくさん。手伝ってほしい夫は仕事で帰りが遅いですし、疲れて動いてくれないという現実。
どうしたらよいのか悩んでしまいますよね。
疲れているときは「疲れた」と言っていい
回答:岩佐寛子さん
限られた時間で尽力されていると感じます。疲れて満足に子どもの相手ができない日も当然あると思います。そんな日は、「今日は疲れているから、ゴロンしながら一緒に遊ぶね」といった関わり方でもよいと思います。すると、子ども自身が疲れたときに、「疲れた」と言葉にするなど、気持ちを表現できるようになるのではないでしょうか。 ※4
この相談に、専門家の岩佐寛子さんが回答してくださいました。頑張り過ぎるのではなく、できる範囲でおこなうことも必要ですし、疲れたときは正直に「疲れた」と言ってよいと話します。
そのときは声かけをして、子供にママが今疲れているということを分かってもらうのも一つの手。その姿を見て、子供自身が疲れたときに、教えてくれることにもつながると言います。
すべてにおいて完璧な両立はとてもむずかしいもの。ママも1人の人間ですし、限界はあります。疲れて子供の相手ができない日は当然あるものですよね。ゆっくりあせらず、進めていくと良いのかもしれません。
接する時間の長さではなく、子供がどう感じているか
回答:汐見稔幸さん
子どもと接する時間が短いからといって、問題があるわけではありません。子どもの中に確実に欲求不満がみられたら対応すればよいのです。子どもが楽しそうであれば大丈夫です。ママも、誇っていいほどの頑張りようだと思います。 ※5
汐見さんは、子供と接することは大切だが、時間の長さではなくどのように過ごすかということに目を向けると良いと話しています。子供が欲求不満となっているときに、ママやパパが向き合って対応することが必要なのではないでしょうか。
筆者も子供たちが帰宅後、夕飯のしたくや明日の準備などでバタバタし、満足に相手をしてあげることができません。
そのかわり、一緒にお風呂へ入るときや寝かしつけのときに歌を歌ったり、何が楽しかったか聞いたり、短い時間ではあるものの、コミュニケーションを取るよう心がけています。
子育ては母親1人ではなく、いろいろな人が関わるもの
回答:汐見稔幸さん
子育ては、母親1人でするものではなく、いろいろな人が関わるものです。パパは、仕事がある日は難しいかもしれませんが、休日はパパとしかできない遊びなどをしてあげてください。また、帰宅してママと楽しく遊べるのは、保育園での生活に満足しているからだと思えます。
関わる時間が少なくて、子どもに「ごめんね」と思う必要はありません。むしろ、「ママは頑張っているよ」と言ってあげる方がよいと思います。親が一生懸命に生きていることは、子どもに伝わるものです。 ※6
汐見先生は、子育ては母親1人で行うものではなく、いろいろな人が関わるものだと話します。パパだけでなく、おじいちゃん、おばあちゃん、親戚の人、近所の人、保育園の先生やお友達など、実にさまざま。
ありとあらゆる人と関わりを持つことで、子供は大きく成長します。なので、パパがいるときはパパにしかできない遊びや、お友だちと遊ぶときは子供同士の楽しみ方をすればOK。
関わる時間が少ないからといって、罪悪感を持つ必要はありません。ママやパパが一生懸命なことは子供に伝わっているはずですよ。
短い時間でも大丈夫。不安になったらぎゅっと抱きしめてあげよう
一緒に過ごす時間が減ったとしても、ママやパパを嫌いになることはありません。相手をすることが難しい場合は、少しだけぎゅっと抱きしめてあげましょう。
そして「大好きだよ」という言葉をかけてあげれば子供たちに幸せの魔法がかかります。子育てに不安や悩みは尽きませんが、1人で抱えず周りの誰かに話すだけで、心がスッと軽くなることがあるので、甘えてみましょう。
今しかないこの時間を無理なく、手を取り、一緒に歩んでみましょうね。