NHK『すくすく子育て』とは?
『すくすく子育て』とは、日本全国のママやパパの子育てに関わるさまざまな悩みや疑問を、専門家の方と一緒に考えていく子育て応援番組です。
育児に関するよくある疑問から、言われればそうだったというような疑問に対し、専門家の方の意見を聞くことができます。普段悩みや疑問がないママやパパも身になるような内容を知ることができますよ。
司会はお笑い芸人の古坂大魔王さんと、タレントの鈴木あきえさん。NHKで、毎週土曜日の午後9時〜9時29分まで放送されています。再放送もしているので、子育ての手が空いたときに見てみてはいかがでしょうか。
子供と2人の生活に変化がないけど、これでよいの?
生まれてすぐは、慣れない育児に忙しく毎日があっという間。だんだんと慣れてきて、余裕ができてきた頃に気になり始めるのが毎日の過ごし方。
ママなりに話しかけたりしているものの、本当にこれでいいのかなと不安になるママから、こんな質問がありました。
長男が6か月になり動きが活発になってきましたが、毎日同じことの繰り返しで変化がありません。子どもの発達のために、このままでいいのか悩んでいます。子どもがものを握れるようになれば握るおもちゃで遊ばせたり、近所をお散歩して「オレンジ色の柿があるね」と声をかけたり、変化があるように心がけています。それでも、いつも私と2人だけの遊びで退屈ではないかと心配です。育児書には「赤ちゃんのころから刺激を与えた方がいい」と書かれているし、どんどん成長する大事な時期に、もっといろいろな遊びをした方が、子どものためになるのではないかと不安です。
(6か月の男の子をもつママより) ※1
子供はできることが増えて活発になるのに、毎日同じ過ごし方でいいのかな、刺激を与えるのにもどんなことがよいのか分からない...そんな疑問を持つママもいると思います。
では、専門家の方々の意見はどのようなものなのでしょうか?
刺激を与えるより、子供自身の興味を大切に
子どもにいろいろな刺激を与えてあげようとしても、子ども自身が興味を持っていないこともあります。小さいころは、情報を処理できることも少ないのです。その中で、風の音を静かに聞いているなど、子どもが何かに興味を向けていることがあります。そのとき、親がいろいろなことを言ってしまうと、かえって子どもへの刺激が妨げられる場合もあります。
たくさんの刺激を与えないといけないと考える必要はありません。子どもを見守り、「今、何か気になっているのかな。いい顔しているな」と感じることができれば、それでいいと思います。
(専門家:汐見稔幸さん) ※2
子供が興味を持っていなければ、あれもこれもと刺激を与えてもあまり効果がないのかもしれません。
きっと親が思っているよりも、子供は子供なりに毎日の中で、日々の変化を感じているのかもしれませんね。大切なのは、子供が何かを感じているときに見守りながら、一緒に変化を感じることかもしれないですね。
繰り返すことで、先を見通す力が身につく
同じことを繰り返すことで、子どもは徐々に「これ」が終わったら「あれ」が始まるなど、先を見通す力が身についていきます。実は、同じことを同じリズムで繰り返してあげることも、子どもにとっては大切なのです。
(専門家:汐見稔幸さん) ※3
毎日が同じことの繰り返しでも、それが逆に良いこともあるようです。
大きくなるにつれて、今後は規則正しい生活も必要に。子供の「先を見通す力」の手助けになるなら、ママの「毎日が同じことの繰り返し」という不安もなくなるのではないでしょうか。
スキンシップが子供に安心感をもたらす
子どもがうれしそうな表情でいるなら、それで十分だと思います。ママが「刺激を与えないといけない」と焦る気持ちもわかりますが、今は、親子の時間を大事にすることを考えてみてはいかがでしょう。
それでも迷ってしまうときは、スキンシップをするといいでしょう。だっこしてあげたり、くすぐってあげたり。歌いながら子どもの手足を動かしてあげることも、よいスキンシップとなります。スキンシップをすることで、子どもに安心感をもたらすのは、とても大事なことなのです。
(専門家:岩佐寛子さん) ※4
スキンシップも、十分な刺激と言えそうですね。子供が笑ったり何か表情を変えたりするのも、なんらかの刺激を感じてる証拠。
抱っこしたりくすぐったりなら、子供の反応も毎回同じとは限りません。ママもその反応に対して返し、親子の時間を楽しく過ごせるのではないでしょうか。
赤ちゃんとの遊び3パターン
どんなに迷うママでも、赤ちゃんと一緒にいろんな遊びをしたら、きっと毎日にも変化がつけられるはず。
いろんな遊び方があると思いますが、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。実際の保育園での遊びについても最後に書いてあるので、参考にしてみてください。
1.声や体を使った遊び
©NHK
子供の体をくすぐったり、手遊び歌で遊んだりしてみましょう。話しかけながらくすぐったり、一緒に手を動かしたりすることが、子供にとっていろんな刺激になっています。
筆者は子供の歌に限らず、自分の好きな歌を聴きながらそれに合わせて手や足を動かし、歌いながら子供の体でポンポンとリズムを取り、一緒に遊ぶことが多いです。親が楽しんでいると、子供にもそれが伝わるのか自然と楽しんでくれます。
体に触れたり、話しかけたりの刺激が実践しやすく、一番親子のスキンシップとして感じられやすいのではないでしょうか。
2.おもちゃを使った遊び
©NHK
おもちゃといっても特別なものではなく、簡単にできる手作りおもちゃなどで遊んでみましょう。
音がなるものとして、ペットボトルにビーズやボタンなどを入れて振って鳴らせるおもちゃだったり、ビニール袋を使ってガサガサ音を鳴らしてみたり。
他にも、色が鮮やかなものを目で追わせてみたり、握りやすそうなものを手に近づけてみたり...。筆者的には、普段生活している中で、見たり聴いたり触ったりなど、感覚が刺激できそうだなと思うものを子供に体験させてみています。
そのなかでも反応が日によって違ったり、昨日は興味なかったのに今日は笑って遊んでいたりなど、子供の成長も実感します。
おもちゃを使って1人で遊ぶことも、親子のスキンシップとはまた違った刺激になっているのだと思います。
3.自然を利用した遊び
©NHK
自然で遊ぶってなんだろうと考えてしまいますが、外に出てひなたぼっこをするだけでも、子供にとっては十分な遊びになるようですよ。筆者はよく散歩に出かけて、日に当たったり、外の景色がわかるようにベビーカーの幌(ほろ)を大きく開けていたりしています。
風を感じ、車の音や太陽の日差しにふれるだけでも、家の中にいるとなかなか感じることができない刺激です。
一緒に雲の動きや、虫や草花を見るのも自然を利用した遊びと言えるでしょう。
4.保育園での赤ちゃんとの遊び方
保育園でも、この三つのポイントを中心とした遊びをしているそうです。
都内にある、保育園でのようすを例に見てみると、声や体を使った遊びとしては、歌に合わせてリズムをとったり、新聞紙を輪にして作った手作りのおもちゃを頭に乗せたり、落としたりする遊びをしたりしているそうです。
おもちゃを使った遊びとしては、ゴムホースを切ったものだったり、キッチンボウルだったり。こんなものがおもちゃになるの?と思うかもしれませんが、叩いて音を出したり、頭にかぶったり、子供はいろんな発想をして遊ぶことができるのです。
この保育園では、子供たちがいろいろな遊びや発想ができるようにと、遊び方が決まっておらず、安全に使えるおもちゃを使用しているようでした。
自然を利用した遊びでは、晴れた日に外で砂遊びをするようです。砂の感触や、砂の形が変わることに興味が湧き、五感も刺激されているようですね。
何気ない毎日でも刺激になっている
子供と2人きりで、同じような毎日に悩むママもいるかと思います。しかし、話しかける言葉や天気、その日の予定など、毎日が全て同じというわけではありません。何気ない毎日でも何かしらの違いがあり、それがきっと子供の刺激になっているはずです。
実際にお散歩したり、話しかけたりと、普段やっていることが刺激になっているのではないでしょうか。
子供に合わせて、ママも一緒に楽しみながら毎日を過ごせるといいですね。