8割以上の働くママが心身不調を抱える現状
先日、株式会社ウェルネスライフサポート研究所が働くママを対象調査を行いました。結果から見えてきたのは、ワーキングマザーの8割以上が心身の不調を抱える傾向にあるというショッキングな現状でした。
仕事と育児を並行して行うなかで、どのような場面で働きづらさや不安、体調の不調などを感じているのでしょうか。
調査概要
- 調査方法:インターネット調査
- 調査委託先:株式会社マクロミル
- 調査期間:2019年3月21日~2019年3月22日
- 調査対象:株式会社マクロミルに登録する末子年齢0~12歳の子を持ち育休後職場復帰した有職女性(会社員・公務員)
- 有効サンプル数:1030名
働くママの切実な声!アンケート結果紹介
ここからは、公表されたアンケート結果を一つずつ見ていきます。
注目すべきは、仕事をする上で心身の不調を感じているママの多さや、6割以上のママが罪悪感や不安を抱えながら働き、7割以上のママが仕事をしながら子育てをする現状につらさを感じている点など。
「仕事をしながらの育児はこんなにもつらく、働きにくいものなのか…」と悩んでいるママ、同じような思いを抱きながら仕事を続けている方が実はたくさんいます。決して独りではありませんよ。
心身の不調を感じている女性は8割以上
仕事を続けるなかで、何かしらの症状で悩んだり困ったりした経験があるかどうかという質問に対し、心身の不調を感じている(いた)女性は、妊娠中93.3%、育休復帰後86.4%、現在82.2%と非常に高い割合となりました。
具体的な症状をそれぞれ見ていくと、妊娠中ではつわりや下腹部の張り、眠気といった体調変化や不調が、育休復帰後や現在では疲労感や肩こり、イライラなど慢性的な不快症状が上位に。妊娠中や育児をしながら仕事をすることに対し、大変さを覚悟をしているとはいえ、疲労が蓄積してしまっているようです。
筆者も妊娠6ヶ月まで正社員として働いていたのですが、自分ではどうしようもできないほどの強烈な眠気や、何かを口に入れていないと気持ち悪くなる食べづわりに当時悩まされていたことを思い出しました。
心の不調について何もしない人が3割以上
体に不調を感じた際の対処に関しては、約半数の人が病院を受診すると回答したのに対し、心に不調を感じた際受診をすると回答した方はわずか10%という結果に。また、心の不調に対して「何もしていない」と回答した割合が37.9%、かつ内容も家族への相談などにとどまり、専門家への相談などはあまり行われていないという実態が分かりました。
自分自身のことでまで会社に迷惑や心配をかけられない、もしくは忙しすぎて自分の体や心のことまで気が回らないというママもいるのかもしれません。
職場復帰後、乳房トラブルは半数以上
就労環境と母乳育児に関して質問したところ、職場復帰後も半数以上の人が母乳育児をしており、そのなかでも乳腺炎や乳房の張りといった乳房トラブルを経験した人が半数以上にのぼっている、という結果に。
仕事をしながらだとケアもままならないのがつらいところ。筆者は授乳期間中すでに退職していたため経験がなかったのですが、出産後も仕事を続けた友人のなかには、母乳を絞らないと着ている服に染みができてしまうほど。休憩時間中トイレで一生懸命絞ったという人や、ケアがおろそかになった結果乳腺炎になり、高熱が出て寝込んでしまったという人が実際にいました。
仕事と自分の体のケアの両立は、思いのほか大変なのだな…と話を聞いて痛感させられました。
働く母の罪悪感や不安感、つらさ
育児と仕事を両立しながら罪悪感、不安感、つらさを感じることはあるか?という質問に関しては、職場や家族に対して何らかの罪悪感を抱えている割合が63.4%、何らかの不安を感じている割合が65.7%、現状をつらいと感じている割合は73.1%。マイナスな気持ちを抱えながら仕事を続けるママが非常に多い、という現状が浮き彫りになりました。
具体的にどういった事柄で罪悪感や不安感、つらさを感じるかという設問はありませんでした。しかし、多くのママがいろいろなことを経験し、複雑な思いを抱いているのではないかと感じました。
仕事を辞めたい・働き方を変えたい人は7割以上
産後に仕事を辞めたい、働き方を変えたいと思ったことがあるかについて回答を見てみると、実に7割の方がそういった気持を抱いたことがあるという結果に。
3分の2以上のママが現状に対し、複雑な感情を抱きつつ働いているようです。会社の制度や社会的風潮が改善されたらよいのに…と筆者は感じてしまいました。
パートナーへの満足度との関連性は強い傾向に
子育てをするにあたって罪悪感、劣等感、不安、つらさを感じるかどうかを聞いてみると、夫またはパートナーの職場環境や勤務形態に対して不満がある人ほど「感じる」と回答する割合が高い傾向に。
特に不安やつらさを感じる人の割合が、夫またはパートナーの職場環境や勤務形態に不満があるママだと10ポイント以上も高い状態。相手の理解や協力が得にくく、ママ一人で子育てと仕事両方の大変な面を抱え込まないとならない現状がかい間見えます。
一人で抱え込むことだけは避けましょう
ワーキングマザー、そして共働き家庭が増えているものの、会社やママを取り巻く社会において取り組みや仕組みがまだ不十分なのかもしれません。
社会や世の中の仕組みが変わるのはまだまだ時間が必要かもしれませんが、職場や働き方などについて、家族と話し合ってよりやりやすい方法を見つけていくことは大切に感じました。
一人で何とかしようとするのではなく、周りからの協力を得ながら日々過ごしていけるとよいですね。