ヒブワクチン供給再開。これで安心して予防接種が進められる?
2020年1月27日、厚生労働省からヒブワクチン(製品名:アクトヒブ)の入荷が延期されるという発表がありました。小児科によっては「ヒブワクチンの新規予約ができない」という事態になり、不安と焦りを感じていた方もいるでしょう。
その後2月に入り、無事に国内入荷が再開されることになったという情報が公表されました。厚生労働省と、ワクチンの製造元であるサノフィの発表をもとにお伝えします。
予定している子ども全員が予防接種可能に
ヒブワクチンの日本国内への供給が再開されると決まったものの、入荷総数が少ないと結局全国に行き届かないのではないかと不安に感じているママもいるかもしれません。
厚生労働省はサノフィの発表を受けて2020年のヒブワクチン国内供給量を開示。2月のヒブワクチンの供給量は昨年同時期と比べて半分以下となるものの、3月には2倍以上の供給を予定。1~4月の期間で見ると昨年の同時期より1万本以上多く供給される見込みです。
そのためまったく予防接種を受けられないという事態は避けられると考えてよさそうです。
推奨期間が過ぎても無料で接種できる
日本小児科学会は、ヒブワクチンは赤ちゃんが生後2か月を過ぎたら速やかに接種を開始し、27~56日の間隔をあけて3回接種後、7~13か月の間隔をあけて4回目を行うように推奨しています。
今回のヒブワクチンの供給遅延により、推奨する期間が過ぎてしまったらどうしようと不安に思う方もいたでしょう。でも大丈夫。予防接種法執行令により、ヒブワクチンは生後2か月から5歳0か月まで受けられると定められています。推奨期間を過ぎたから受けられない、費用の負担が発生するといったことはありませんのでご安心ください。
さびによる重大な副反応リスクはほぼなし
ヒブワクチンの製造元であるサノフィ株式会社は、注射針表面にさびが認められたことにより出荷を一時停止し原因調査を行っていましたが、調査が終了したため出荷を再開すると発表しました。
調査の結果、今回供給停止の原因となった注射針のさびは、偶発的に起きたものであると結論付けました。そのため今後も混入してしまう可能性はあります。
しかしこれについてサノフィは、医師や看護師側が予防接種を行うたびに注射針の確認を行うように注意喚起をするとともに、万が一さびがついた針で予防接種を行っても、重大な副反応が起こるリスクは非常に少ないと発表しています。
- サノフィ「ヒブワクチン(製品名:アクトヒブ®)の供給再開のお知らせ」(https://www.jpa-web.org/dcms_media/other/hib_hogosha20200226.pdf,2020年3月4日最終閲覧)
- 厚生労働省「乾燥ヘモフィルス b 型ワクチン(破傷風トキソイド結合体)(販売名:アクト ヒブ)の供給遅延の解消について」(https://www.jpa-web.org/dcms_media/other/jimu_kouroushou20200226.pdf,2020年3月4日最終閲覧)
- 総務省行政管理局「予防接種法施行令」(https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323CO0000000197,2020年3月4日最終閲覧)
- 日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールの変更点 2020年1月 日本小児科学会」(http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf,2020年3月4日最終閲覧)
- 日本小児科学会「ヒブワクチン」(https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_10Hib.pdf,2020年3月5日最終閲覧)