熱中症シーズンに向け医師たちが緊急提言
熱中症や脱水症の予防啓発を行っている「教えて!『かくれ脱水』委員会」では、新型コロナウイルス感染症の影響によって、例年よりも熱中症の発症リスクが高まっていると注意喚起しています。
その理由は、長く続いていた外出自粛要請などによって、家の中で過ごすことが増え運動不足になっていることにあるのだとか。
運動をしていない分、汗をかいて体温を下げる準備が体にできていない、水分をためる機能のある筋肉が減っているのでより脱水症状になりやすい状態なのだそう。
さらに、新型コロナウイルス感染者の対応を行っている医療機関に熱中症患者が増えてしまうと、医療崩壊を招きかねないという部分でも不安視しています。
医師たちが緊急提言:このまま熱中症シーズンを迎えたら、医療現場は崩壊! 熱中症対策を全国民で!
熱中症や脱水症状を引き起こさないための対策を紹介
同提言では、熱中症を予防するポイント、熱中症を疑う症状が出てしまった場合の対処法などについてもアドバイスしています。
熱中症予防のポイント
①3食きちんと食べる。
②喉が渇いたなと感じ始めたら水分摂取(多量のカフェイン摂取は控えましょう)
③水分補給が十分できない時のために経口補水液を 家族1人2本×3日分、常備
④クーラーをすぐ点けられるよう調整しておき、暑いと感じる環境にいない。
⑤換気をこまめにし、湿度も高くならないように注意しましょう。
※温度・湿度は、環境省が毎日発表している暑さ指数(WBGT ※)もチェックしましょう。
⑥快適な環境でよく睡眠をとる(疲労も熱中症リスクになります)
⑦人混みを避けた散歩や室内での軽い運動を行う ※1
水分摂取に関する注意点
たっぷり水分がとれる人はカフェインが入ったものでも大丈夫ですが、カフェインには利尿作用があるため、なるべくカフェインの入っていない麦茶・真水がおすすめです。
経口補水液であれば少量で効率よく塩分・水補給ができるため食欲がなくて食事がきちんと食べられなくても脱水を防げそうです。
もしも熱中症を疑ったら…
- 涼しい場所に移動させる
- 体を冷やす
- 意識がはっきりしているなら、経口補水液を飲ませる
涼しい場所は、日陰やクーラーの効いている場所を選びましょう。衣服を脱がせる、ベルトなど体を締め付けるものを外すなど体を少しでも楽な状態にしてください。
氷のうなどは、首の両脇、脇の下、大腿の付け根の前面に当てて皮膚のすぐ近くにある太い血管を冷やすことを意識するとよいでしょう。
「セルフメディケーション」の徹底を
自分で自身の健康を保持し、病気を防ぐという意味を込めた「セルフメディケーション」。自分でできる対策をしっかり行いましょう。
セルフメディケーションのポイントは下記です。
こまめな水分補給
活動前に適切な水分補給をおこない、必要に応じて水分や塩分の補給ができる準備をしましょう。
活動中や終了後にも適宜補給をおこなってください。マスクをしていると喉の渇きに気づきにくくなります。例年以上に、意識して水分補給をしましょう。
汗をかく練習をしておく
人混みを避けた散歩や室内での軽い運動をおこない、涼しいうちに汗をかく練習をしましょう。暑さに体を慣れさせておき、体温調整などがしっかり機能するような状態にすることを意識してください。
暑さ指数を毎日チェックする
環境省が毎日発表している、暑さ指数(WBGT)をチェックするようにしてください。暑くなる時間帯を避けた外出や、エアコンおよび扇風機の利用など、その日の行動指針にしておくと安心です。
対策をしっかり行って今年の夏を乗り越えよう
毎年暑くなると心配な熱中症。3食の食事や適度な運動をするなど日頃からできる小さなことからまずは始めてみましょう。
また、室内屋外を問わず、家族や友人同士で声をかけ合って水分と塩分の補給を促していきたいですね。
- 教えて!「かくれ脱水」委員会「医師たちが緊急提言:このまま熱中症シーズンを迎えたら、医療現場は崩壊! 熱中症対策を全国民で!」(https://kyodonewsprwire.jp/release/202004309574,2020年6月2日最終閲覧)