産後の夫婦関係がピンチに…産後クライシスとは
妊娠中は仲良く支え合っていたはずの夫婦が不仲になる「産後クライシス」。産後2~3年の間に夫婦仲が悪化する現象のことを指す言葉です。要因はさまざまですが、産後の生活の変化による疲れや戸惑いが影響している場合があるでしょう。
産後の妻は、体がすぐには本調子にならない上、赤ちゃんのお世話で寝不足が重なり、イライラしたり情緒不安定になったりするかもしれません。一方、夫には体の変化はありませんが、父になりプレッシャーを抱えていることも。また、赤ちゃんのお世話に自信が持てず、焦りを感じるケースもあるようです。
そんな余裕がない状態の中で「お互いに多忙で話す時間が取れない」「お互いにイライラして、話せばけんか腰になってしまう」という状況が続くと、修復が難しいほどの溝ができてしまうこともあり得るでしょう。
- うしじまクリニック「恐怖の産後クライシス」(https://ushijima-cl.com/contents/dr/20131101235502.html,2020年9月24日最終閲覧)
- 鹿嶋市「知っていますか?産後クライシス」(https://city.kashima.ibaraki.jp/uploaded/attachment/3587.pdf,2020年9月24日最終閲覧)
- 藤田結子「ワンオペ育児」1-216(PHP研究所,2017)
産後クライシスにつながる、夫婦のすれ違いを回避する方法
産後クライシスを回避するには、夫婦間の育児に関するすれ違いを減らすことが大事です。
ここからは、先輩ママの体験談から、妊娠中からできる夫婦のすれ違い回避の方法をご紹介します。
1. 夫婦で両親学級に参加
両親学級には、ぜひ夫婦で参加しましょう。産後の妻の体について第三者であるプロからレクチャーを受けることで、夫の理解が深まるはずです。
また、おむつ交換や沐浴の指導がある場合も。夫も産前に予習しておくことで、産後に「やり方がわからない」となることなく、スムーズに育児をスタートできるでしょう。
2. 産後のサポート体制を一緒に考えておく
そして、家事は手抜き手抜きでなんとかなるかもしれませんが、もし何か利用できるサービスがあるなら利用した方がいいと思います。
夫婦2人で育児に向き合うことはよいことですが、お互いに休まないと疲れてしまいます。疲れを我慢するだけでは、結果的に夫婦喧嘩につながることも。夫婦ともに休むためのサポート体制を、2人で話し合って作りましょう。
お互いの両親でもよいですし、行政や民間のサービスでもOK。子どもを預ける・預けないという点では夫婦で意見が食い違うことがあるかもしれませんが、いざお互いが疲れ切ったときは背に腹は代えられないことも。「どうしても預ける場合は」という条件付きでも、夫婦で納得する預け先を確保しておきましょう。
3. 成長記録について役割分担しておく
私と子供が遊んでるところをいつの間にか撮ってたりするのでたまに旦那の携帯の写真フォルダ見るとビックリします(笑)
出産して入院してる時の子供と2人の写真から今までの分もよく撮ってくれてうちの旦那はよく撮ってくれるほうだと思います!
産後、成長記録は夫婦でつけることをおすすめします。日々の写真撮影とデータの整理など、役割分担をしておくと、スムーズに成長記録を始められるでしょう。撮った写真をアルバムにしたり、一言日記を添えてまとめたりするのもよいですね。
写真のほかにも、育児日記アプリの中には、夫婦でインストールして、体重や、できるようになったことをお互いに共有できるものがあります。どんなツールが使えそうか、夫婦で話し合ってみましょう。
- 産後ケアセンター東峯サライ「産後ケア対談 第8回 澤穂希さん×松峯センター長」(http://sarai.toho-clinic.or.jp/archives/3141,2020年9月30日最終閲覧)
- 富谷市「産後クライシスをご存知ですか?」(https://www.tomiya-city.miyagi.jp/site/kosodate/tomicoco-003.html,2020年9月30日最終閲覧)
産後クライシスは回避して、夫婦円満に
産後の夫婦関係が悪化すると、育児だけでなく家族の生活そのものの楽しさが半減してしまうかもしれません。できることなら円満な状態で、育児のスタートを切りたいものですよね。
妊娠中からコツコツと夫婦で育児に関することを決めたり、話し合ったりしていくことで、すれ違いを減らすことができます。ぜひ出産までの期間に、夫婦で準備しておいてくださいね。