子どもの留守番は何歳からOKか
それでは、子どもにお留守番をお願いできるのは何歳からなのでしょうか。その目安について、ベネッセコーポレーションが行った調査の結果をもとに確認していきましょう。
子どもに留守番をさせてもいいのは何歳から?
子どもにひとりで留守番をしてもらう年齢は、「小学校1年生から」が一般的です。小学校にあがった子どもは、次の資料にあるように「しても良いこととしてはいけないこと」の判断ができるようになるころなので、お留守番中のルールも守ってくれるでしょう。とはいえ、個人差もありますので普段のお子さんの様子を見ながら留守番が可能かどうか判断してみてください。
小学校低学年の時期の子どもは、 幼児期の特徴を残しながらも、 「大人が『いけない』と言うことは、してはならない」といったように、大人の言うことを守る中で、善悪についての理解と判断ができるようになる。 ※1
実際にベネッセコーポレーションのアンケート調査によると、「子どもに初めてお留守番をさせたのは何歳からですか?」という質問に対して、多くの方が「小学校1年生から」と答えています。
アンケート期間:2013/11/20~2013/11/26 回答者数:1406名
アンケート対象:本サイトメンバー 年少~小学生のお子さまをお持ちの保護者
【初めてお子さまだけでお留守番をしたのはいつですか?】
- 1位:小学校1年生(21.9%)
- 2位:小学校3年生(18.8%)
- 3位:小学校4年生(16.0%)
- 4位:小学校2年生(14.0%)
- 5位:年長(11.3%)
子どもに留守番をしてもらう時間の目安は?
小学校1年生からひとりで留守番ができるという可能性があるとは言え、長い時間ひとりにさせるのは不安ですよね。子どもに留守番をしてもらう時間の目安は、1~2時間と短時間から始めることをおすすめします。
【お留守番は、1回につきだいたい何時間くらいのことが多いですか?】
- 1時間未満(29.4%)
- 1時間以上2時間未満(34.2%)
- 2時間以上3時間未満(21.7%)
- 3時間以上(14.6%)
多くのパパママは、1時間前後を目安にしながら子どもへのお留守番をお願いしているようです。ただし、子どもの性格によっては、短時間のお留守番でも強い不安を感じてしまうことも。1時間未満の短時間でお留守番をお願いしてみて、大丈夫そうであれば少しずつ時間を延ばしていくとよいですね。
子どもに留守番をしてもらう頻度は?
それでは、子どもに留守番をしてもらう頻度はどのくらいにすればよいのでしょうか。
【どのくらいの頻度で、お子さまだけでお留守番をしますか?】
- 週に1回以上(33.1%)
- 月に1回以上(38.9%)
- 年に1回以上(28.0%)
留守番の頻度についての調査結果ではどの回答も差がありませんでした。パパママが仕事や用事で家にいないのであれば、週に1回以上のお留守番を経験している子どももたくさんいるでしょうし、お留守番の頻度はパパママのライフスタイルによるようです。
- ベネッセ 教育情報サイト「約束事がポイント 子どもだけのお留守番」(https://benesse.jp/kyouiku/201401/20140123-1.html,2021年2月18日最終閲覧)
子どもに留守番をしてもらう理由は?
子どもに留守番をしてもらう理由をベネッセが調査したところ、次のようにパパママの買い物や仕事の都合という理由がほとんどでした。
- 保護者のかたの買い物:44.2%
- 保護者のかたの仕事の都合:37.1%
- その他:15.3%
- 学童保育を卒業したため:3.5%
その他の中には「留守番を経験させたかった」という意見も。子どもの成長のためにという考えもありますが、実に81.3%もの方がパパママの忙しさから、やむ終えず子どもに留守番をしてもらっているのですね。
- ベネッセ「約束事がポイント 子どもだけのお留守番」(https://benesse.jp/kyouiku/201401/20140123-1.html,2023年1月30日最終閲覧)
子どもを留守番させるときに注意したいポイント
子どもがひとりで留守番をするときには、事故や事件を未然に防ぐためにも注意するべきポイントがたくさんあります。初めてのお留守番をお願いするときに、とくに注意したいことについて確認しておきましょう。
玄関や窓はすべてカギをかけること
子どもに留守番をお願いするときは、玄関や窓のカギをすべてかけておきましょう。防犯の基本はカギをかけることですよね。ひとりで留守番をしている子どもを守るためにも、子どもを事故の危険から守るためにも、玄関や窓にはカギをかけておくことが大切です。
できれば二重ロックにし、玄関にはドアチェーンをかけるよう子どもに言っておくとさらに安心でしょう。
来客・電話では親がいることを強調してもらうこと
来客がきたり電話がかかってきたりしたときは、親が一緒にいることを強調してもらうようにすることも大切。全く対応しないというのもひとつの方法ですが、空き巣が留守宅を探している場合は、誰もいないと思われてしまう可能性もあるのでおすすめできません。
来客・電話への対応は子どもにしてもらって、「親は手が離せないから後からまた来てください」と伝える対応が理想的です。
玄関は絶対に開けないこと
子どもひとりでの留守番中に来客対応をすることは防犯効果がありますが、玄関は絶対に開けないよう言い聞かせておいてください。
どんなことがあっても、絶対ドアを開けないようにさせる。チェーンを 常にかけて対応するなど、一連の動作を教える。
※事前に電話で子どもだけであることを確認する悪質な手口もあります。 大人が不在であることは、絶対に言わせないようにしてください。 ※2
警察庁からの防犯テキストによると、宅配や集金をよそおって子どもだけのお家の中に入ろうとする犯罪者もいるそうです。先にお話した「留守番中は親がいることを強調してもらう」という注意点とあわせて、子どもが留守番をするうえで欠かせないポイントですよ!
さまざまな非常事態へのルールを決めておくこと
もし子どもが1人で留守番をしているときに非常事態が起きたら…。不審者が家に侵入してきたり、地震が起きたり、子ども自身の体調が悪くなってしまったりすることもないとは限りませんよね。
子どもに留守番をさせるなら、災害や病気、事故、事件など考えられる事態をリストアップして、それぞれに対してルールを決めておきましょう。そして子どもがそのルールを覚えるまで繰り返し一緒に確認して、子どもがしっかりと対応できるようにしてあげてくださいね。
事件・事故・災害などの予期せぬことへの対策はしっかりと!
子どもの留守番で気をつけるべきことは防犯だけではありませんよね。留守番中に事件や事故、災害が起きると、最悪の場合は死亡につながることも…。留守番をお願いする前に、パパママは事件・事故・災害への対策も万全にしてくださいね。
【事故】水・火・転落の事故を防ぐための対策を
留守番中の子どもの事故で気をつけたいことは、「水」「火」「転落」の3つです。お風呂にためてある水は溺れてしまうリスクが考えられるので抜いておき、浴室の扉も開けっ放しにしておかないようにしてください。
火は子どもひとりで使えないよう、ガスの元栓から締めておくことがベスト。イスやテーブルなど子どもが登れる高さの家具は、ひとつの部屋に集めてカギをかけておけば安心です。
【事件】防犯ブザーを持たせる
子どもが事件に巻き込まれそうになったときのために、防犯ブザーを持たせておくこともおすすめ。危険な目に遭ったときに、大音量のブザーを鳴らせれば、近所の人が助けてくれる可能性が高まります。近所に仲の良い人がいれば、あらかじめ子どもがひとりで留守番をすることを伝えておけるとなおよいですね。
いざというときに正しく使えるように、防犯ブザーの使い方も練習しておきましょう。
おすすめアイテム
大音量でしっかりと音を鳴らせる防犯ブザー。ボタンを押す、もしくはピンを引っ張ることでブザーを鳴らすことができます。
【災害】災害が起きたときの対応を教えておくこと
災害は時間・場所にかかわらず起きる可能性があります。留守番中に災害が起きたらどうするべきか、対応の仕方を子どもに教えておくことも忘れないでください。
あらかじめ子どもと一緒に緊急避難場所を確認する、パパママや親戚の人の連絡先を書いたメモを渡しておくなど、災害対策も万全にして留守番をしてもらいましょう。
筆者の経験ですが、子どもが幼稚園児のころ、子どもがお留守番中に不測の事態がありました。その際、子どもは家の外に出て大声で近所の人に助けを求めました。結果、ご近所の方が手助けしてくださり事なきを得たのですが、こうした場合のご近所の助けは非常にありがたかったです。
できればご近所と友好な関係を作れていると、防犯・防災の面で非常に助かりますよ。
- 東京消防庁「留守番中の子どもの事故を防止しよう」(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/202004/absence.html,2021年2月24日最終閲覧)
- SECOM「子どもだけでの留守番、安全をどう守る?」(https://www.secom.co.jp/kodomo/o/20200319.html,2021年2月24日最終閲覧)
- 日本小児科学会「子どもだけの留守番について」(https://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=29,2021年2月24日最終閲覧)
子どもに留守番をさせたくないときにできる対策
子どもの留守番について解説してきましたが、「留守番をさせたくない…」というときの対策についても見ていきましょう。
学童保育を利用する
まずは学童保育を利用する方法です。学童保育とは放課後に小学生を預かってくれる支援のことで、自治体による公立学童と民間学童の2種類があります。子どもに危険がないように保護して、保護者の仕事と育児の両立を支援することを目的とするサービスです。
公立と民間でサービスは違いますが、同じ学童保育に通っている子どもたちと一緒に児童指導員のもとで遊んだり、宿題をしたりするのが一般的。1人で留守番をさせるよりも安全に過ごせますよ。
シッターを利用する
シッターサービスを利用するのも一つの方法です。自宅にキッズシッターを招いて子どもを見てもらうことになるので、子どもをどこかに送迎する必要もありませんし、子どもの遊び相手を頼んだり、食事の補助をしてもらったりすることもできて自由度が高いのが特徴です。
ただし利用する際には、業者選びを慎重に行うようにしてください。自宅にて子どもを見てもらうのですから、運営母体もしっかりと確認して、信頼できる業者に依頼することが大切です。
防犯対策を強化する
「子どもに留守番をさせたくないけれどどうしても必要…」というときは、防犯対策を強化して子どもの安全を守ってあげましょう。たとえば最近では、パパママがスマホからリアルタイムで映像を確認できる監視カメラも販売されています。スマホから呼びかけられる機能がついたものも。
このようなアイテムを取り入れれば、子ども1人に留守番を頼んだとしても、パパママの安心感が高まりますし、子どもの安全も守りやすくなりますね。
子どもの留守番は何歳から?目安の基本は小学校1年生!
「子どもに1人で留守番させるなら何歳から?」という疑問には、「小学校1年生から」というのが答えの目安となります。実際の調査でも、小学校1年生で初めて留守番をしたという子どもが一番多いという結果でした。
しかし何歳からであっても、子どもが留守番をするときは危険が及ばないように細心の注意をはらいたいものです。防犯対策をしっかりと行うとともに、事故・事件・災害などもしもの事態への備えも大切。
留守番をしてもらうなら注意点をしっかりと把握したうえで留守番中のルールを決め、安全に留守番ができる環境を整えてあげてくださいね。