まず、マイコプラズマ肺炎の一般的な経過をお伝えします。
潜伏期間の後は、発熱、全身倦怠感(だるさ)、頭痛などの症状が出現します。
マイコプラズマ肺炎の特徴の一つでもあるせきは、これらの症状から1~2日遅れて始まることが多く、徐々に強まり、初めは痰(たん)を伴わない空ぜきで、次第に痰(たん)が絡み、熱が下がった後も3~4週間と長期にわたって続くというのが一般的な経過です。
投稿されたケースでは、熱の持続期間を心配されていましたが、熱に関する研究結果によると、熱が続く期間は平均5.5~9.3日で、治療薬として使用される抗生剤に対して耐性がある菌の場合には、熱が続く期間が延長することが報告されています。
マイコプラズマ肺炎の一般的な経過と熱の続く期間
- 潜伏期間の後、発熱、全身倦怠感(だるさ)、頭痛などの症状が出る
- せきは発熱やだるさの症状から1~2日遅れて現れるのが一般的である
- せきの症状は空ぜきから痰(たん)が絡むせきになり、解熱後も1か月程度続くのが一般的である
- 熱の続く期間は平均5.5日~9.3日
- 抗生剤に対して耐性がある菌の場合は、熱が続く期間が延長することが報告されている
- 厚生労働省「マイコプラズマ肺炎に関するQ&A 平成23年12月作成、平成24年10月改訂」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou30/index.html,2021年11月24日最終閲覧)
- 国立感染症研究所「マイコプラズマ肺炎とは」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/503-mycoplasma-pneumoniae.html,2021年11月24日最終閲覧)
- 国立感染症研究所「マイコプラズマ肺炎」(https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/kikikanri/H24/20121018-11.pdf,2021年11月24日最終閲覧)
質問③熱が何日続くとマイコプラズマ肺炎の可能性が?
子どもは高い熱を出しても一日で回復する場合もありますし、どのくらい様子をみてから病院を受診すべきか迷うパパママもいるでしょう。こちらのママは高熱が何日続くか質問を寄せています。
この質問に対しては、マイコプラズマ肺炎の熱の続く期間に加え、他の感染症によって熱が出た場合の熱の続く期間を回答していただきました。
齋木先生の回答:熱が4日以上続く場合はためらわず受診を
通常の風邪の場合には3日程度で解熱することが一般的であるため、4日以上の発熱やひどいせきが続く際にはマイコプラズマ肺炎の可能性を考えて、医療機関を受診するようにしましょう。
ちなみに、長引く発熱の原因としてよく耳にするRSウイルス感染症、アデノウイルス感染症、インフルエンザの有熱期間はそれぞれ平均3〜5日、3〜7日、3〜7日と言われており、やはり3日程度で解熱するか否かが一つのポイントと考えて良いでしょう。
子どもの発熱の受診タイミングとさまざまな感染症の平均的な有熱期間
- 4日以上の発熱やひどいせきが続く場合、マイコプラズマ肺炎の可能性をふまえて医療機関の受診を
- マイコプラズマ肺炎の平均有熱期間:5.5日~9.3日
- RSウイルス感染症の平均有熱期間:3〜5日
- アデノウイルス感染症の平均有熱期間:3〜7日
- インフルエンザの平均有熱期間:3〜7日
- 奈良県医師会「子どものマイコプラズマ肺炎 ―薬が効きにくい―」(http://nara.med.or.jp/for_residents/2169/,2021年11月24日最終閲覧)
- 久留米大学医学部医学科「感染症の診断と治療」(http://www.med.kurume-u.ac.jp/med/imed1/students/syllabus/kansen01.pdf,2021年11月24日最終閲覧)
質問④発熱は上下しますか?
子どもの熱は朝の発熱が昼には下がったり、逆に日中は下がっていた熱が夕方にかけて上がったり…と上下した経験をもつパパママもいるでしょう。
ママリには、マイコプラズマ肺炎にかかった子の「熱が上下した」というママの投稿がありました。







