妊娠35週目の妊婦の様子
妊娠35週目になると、自覚症状はありませんが、出産準備の一つとして少しずつ子宮口が開き始める人もいます。この時期、子宮底(しきゅうてい:子宮の一番上の部分)はみぞおちあたりにまで達し、おなかがこれまで以上にせり出してきます。子宮底長は約28〜31cmになります。
この時期は、急激に体重を増やさないように気をつける必要があります。妊娠中期から後期にかけての1週間あたりの体重増加量の目安は下記の通りです。
- 妊娠前「やせ型」だった人(BMI18.5 未満):0.3kg〜0.5kg
- 妊娠前「ふつう」だった人(BMI18.5以上25.0未満):0.3kg〜0.5kg
- 妊娠前「肥満」だった人(BMI25.0 以上):個別に医師と相談
全妊娠期間を通しての推奨体重増加量は、「やせ型」の人で9〜12kg、「ふつう」の人で7〜12kg。「肥満」の人は、およそ5kgを目安として個別対応することとなっています。
トイレに行く回数が増えます
胎動が激しいと尿意が頻繁に感じ、数分おきにトイレに行きたくなります。。常に尿が漏れそうな感じです>_<なんか出そうな、、って感じで。。
こんなものなのでしょうか?(°_°)
仕事をしているときに、尿もれパットをしていなかったら…と考えると、ゾッとします😨
日によって、夜中に何度も起きて、少量の尿を毎回出しています。妊婦さんって、大変ですね😰
胎児が少しずつ下がり始め、頭が骨盤に入ってきます。個人差がありますが、膀胱(ぼうこう)に圧力がかかるため、トイレに行く回数が増えます。くしゃみや咳をした拍子に尿もれすることもあります。気になるときは、市販のおりものシートや尿もれ用パッドを使うとよいですね。
妊娠線ができたり、かゆみを感じたりすることがあります
子宮が大きくなり、おなかや胸、太ももやお尻の皮が引き伸ばされるため、妊娠線ができたり、かゆみが出たりすることがあります。オイルやクリームを塗ってしっかりケアしてください。
妊娠腺は産後は半透明に変わって目立たなくなりますが、完全に消すことはできないので、できないように保湿して予防しましょう。
貧血が起きやすくなります
私も貧血でひっかかりましたが、鉄剤が合わず必ず気持ち悪くなり動けなくなります。
なので、飲むのをやめました。
それを健診の時に先生に話したら、鉄剤の注射を打ってくれましたよ!
注射は全く気分が悪くならないのでとても楽です。
一度病院で相談してみてはどーでしょう⁉️
妊娠後期は、胎児を育てたり、出産時の出血に備えたりするために血液の量が増えますが、赤血球などの血液成分の生産が追いつかず、貧血(鉄欠乏性貧血)になりやすくなります。
牛肉やあさり、小松菜や納豆など鉄分の多い食事を意識してとりましょう。鉄の吸収をよくするためにビタミンCを一緒にとるとよいようです。
食事に気をつけても改善しない場合は、鉄剤が処方されることがあります。根気よく飲み続けてください。鉄剤によって吐き気や便秘といった症状が出たときは、医師に相談しましょう。
おりものが増えます
トイレに行って拭く度に必ずティッシュにつきます。
(トイレが近くかなり頻繁に行っていますが、絶対つきます…)
色は黄色っぽかったり白っぽかったりでベトベトしていることが多いです。
妊娠35週目には、出産にむけて子宮口や膣がやわらかくなり、おりものの量が増えます。気になるときは、おりものシートや生理用のナプキンを使用して清潔な状態を心がけましょう。
おりものに血が混じっているなど、気になる症状があったら病院に連絡して指示に従ってください。
妊娠高血圧症候群に注意しましょう
妊娠高血圧症候群は妊娠8ヶ月以降の妊婦の1割程度が発症するといわれ、妊娠20週〜分娩後12週までに高血圧と尿タンパクの両方の症状がみられます。
最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の場合は高血圧と診断され、妊娠高血圧症候群が疑われます。発症した場合、安静や食事療法が中心になります。医師の指示に従って治療しましょう。妊娠35週を過ぎて急激に血圧が上がった場合は、緊急帝王切開で妊娠を終了することで治療を行うこともあります。
- 竹内正人「はじめての妊娠・出産事典」P60、130(朝日新聞出版,2016年)
- 萩田和秀「らくらくあんしん妊娠・出産 」P42、114、126、128(学研,2017年)
- 医療情報科学研究所「病気がみえる 10 産科」P34、P39(メディックメディア,平成19年3月)
- 厚生労働省「妊娠期の至適体重増加チャート」について」(https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a4.pdf,2018年9月26日最終閲覧)
- 母子衛生研究会「妊娠月別 胎児の様子とママのからだ」(https://www.mcfh.or.jp/jouhou/taiji/24_27week.html,2018年9月26日最終閲覧)
- 関東連合産科婦人科学会「妊娠中の子宮口開大による妊娠の予後」(https://jsog-k.jp/journal/lfx-journal_detail-id-16572.htm,2018年10月10日最終閲覧)
妊娠35週目の胎児の様子
妊娠35週目の胎児の大きさと体重、成長の様子についてご紹介します。
- 胎児の大きさ(FL:大腿骨長):約56〜70mm
- 体重:約1,790〜2,880g
FLとは大腿骨長(だいたいこつちょう)、太ももの骨の長さを指します。胎児は皮下脂肪がついて体重が着実に増え、新生児とほぼ同じ大きさになりました。体重の個人差が大きくなってくる時期です。医師から特に指摘されなければ、心配しなくて大丈夫です。
肺の機能が完成しています
肺が機能的に成熟しました。おなかの中にいるときは胎盤を通じてガス交換(酸素を取り入れて二酸化炭素を出す)していますが、万一この時期に早産になっても、外の世界で空気を吸ったり吐いたりすることができるようになります。
手足をよく動かしています
子宮が狭くなり、激しい動きは少なくなってきましたが、手を握ったり開いたり、手足をバタバタさせしたりと活発に動いています。感覚器官も発達しているので、外からの音や光などに反応します。
35週目で逆子のときは
胎児が大きくなって、子宮の中で回りにくくなるため、逆子が直りにくい時期になります。病院によっては、直らないときを考えて帝王切開の手術予定日を決めることもありますが、手術直前に胎児が頭を下に向けることもあります。その場合は経膣分娩(けいちつぶんべん)に切り替えます。
逆子で生まれる赤ちゃんは、100人中5人くらいいます。その赤ちゃんにとっては、逆子の姿勢が居心地がよかったのかもしれませんね。逆子は誰のせいでもありません。自分を責めたり焦ったりせず、赤ちゃんを迎えてあげましょう。
- 小諸北佐久薬剤師会「ママになるための基礎知識」(http://members.ctknet.ne.jp/shohoku/PDFfile-1.pdf,2018年10月10日最終閲覧)
- 日本産科婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線 保健指導マニュアル」(http://www.jsog.or.jp/public/shusanki/taiji_taiju_hatsuiku_201203.pdf,2018年10月10日最終閲覧)
- 日産婦誌53巻7号「12.胎児発育・児体重測」(http://www.jsog.or.jp/PDF/53/5307-130.pdf,2018年10月10日最終閲覧)
- 萩田和秀「らくらくあんしん妊娠・出産 」P129(学研,2017年)
- 医療情報科学研究所「病気がみえる 10 産科 」P10、27、174(メディックメディア,平成19年3月)
- 佐藤クリニック「胎児の「すくすく」ストーリー」(http://www.sato-clinic.com/press_past/vol_21.html,2018年10月10日最終閲覧)
妊娠35週目で早産になった場合
この時期に早産になった場合、95%の胎児が助かります。35週になると自力で肺呼吸できる可能性があるため、NICU(新生児集中治療室)の管理が必要ない場合もあります。
ただ、正期産の時期(俗にいう正産期)までまだ2週間あり、胎児にとっては1日でも長く子宮内にいることが大切であることに変わりはありません。しばらく休んでもおなかの張りや痛みがおさまらない、性器から出血があった、破水した、といった症状があったらすぐに受診し、医師の指示に従って安静に過ごしましょう。
- 総合周産期母子医療センター「早産で生まれました。助かる率はどのくらいでしょうか?」(http://www.uraboshi.jp/answer.html,2018年10月10日最終閲覧)
- 萩田和秀「らくらくあんしん妊娠・出産」P100-101、104(学研,2017年)
妊娠35週目の過ごし方
適度な運動は、体力や筋力を維持するためだけでなく、リフレッシュになります。主治医に相談した上で、ウォーキングやマタニティヨガなど、無理のない範囲で続けられるとよいですね。
家族と出産時のスケジュールを確認しましょう
あと数週間で出産。陣痛が来たときのために、夫や家族の連絡先、仕事の予定を確認しておきましょう。いざ陣痛が来たとき対応できるよう、仕事の段取りをつけてもらうと安心ですね。上の子がいる場合は、出産のときの預け先を確保しましょう。
赤ちゃんを迎える準備を最終確認しましょう
陣痛が来たときの産院への移動手段を確認してください。自分で運転することはできないので、家族がいないときはタクシーを使います。陣痛タクシーを使うのもよいでしょう。陣痛タクシーは、事前に出産を予定している施設や予定日を登録しておき、いざ陣痛が来たときに優先して配車してくれます。
出産時の入院に必要なものの最終確認も忘れずに。また、退院後に必要な育児グッズの準備や、赤ちゃんを寝かせるスペースを整えておきましょう。
- 萩田和秀「らくらくあんしん妊娠・出産 」P76(学研,2017年)
妊娠35週目は、体調を整えながらゆったり過ごしましょう
妊婦生活も残り数週間になりました。体が重くなり、少し動くだけでも疲れてしまうかもしれません。疲れていると感じたら横になり、無理をしないことが大切です。
出産後は赤ちゃんのお世話で慌ただしくなります。今のうちに家族とゆっくり食事に行ったり、マタニティフォトをとったりしておくと、妊娠中の思い出になりますよ。外出するときは体調を最優先にして、近場でも母子健康手帳と保険証、診察券を持ち歩きましょう。