まずは、お出かけ前に「イメージ」を
例えば、バスや電車などの乗り物ではどんなふうに過ごすのがいいのでしょうか。「待ってる時は、飛び出さないよ」「静かにするよ」「ボタンは押さないよ」「食べ物はなしね」など、色んなことがルールとしてありますよね。しかも禁止されることが多くて伝えるのが大変。
公共交通機関に乗ったことの経験が少ないお子さんは、その実際に乗る時にはたくさんのものが視界に入り、興奮しまうこともあるでしょう。ですから、イメージを自宅でも練習しておくと良いと思います。
自宅でバス・電車ごっこ
バスを待っている時からスタートします。「車が来てるね、どうしよう」と投げかけてみるのも◎、道の端による練習です。ドアが開くところや、ソファーやクッションを客席に見立てたりします。
窓の外を見て「ここは幼稚園だね。消防署を通過したよ。スポーツカーが見えるね」小さい声で話してみます。小さい声で話すのがミソです。そんな風に到着までやってみてください。電車も同様、自宅で遊びの中で練習すると、あらかじめルールを知らせておくことができますよ。
絵本や、画像、動画で予習
乗り物系の絵本にはどんな様子なのか写真で分かりやすく出ているものもありますよね。バスにはボタンがあること、電車の座席は横並びと対面式があるということがわかります。
大人にとっては当たり前でもボタンを押すタイミングも「押して欲しい時は、ママが合図を出すね」とあらかじめ話し合っておくと、実際の場面でむやみに推すことを我慢できるかも。ぜひやってみてください。
うるさくなる前に「静かにしてくれてありがとう」が効く
子どもの集中力は長く続きにくく「静かに」と注意されても長くは覚えていないことも。すぐ現状に飽きてしまい、いろいろなものに目移りしてしまいます。
そんな子どもには「現状褒め」が有効です。
「静かで助かる」を伝えてみて
外出に付き物なのが、カフェやレストランなどの外食。お子さんの機嫌を見ながらドキドキヒヤヒヤしますよね。静かにしていて欲しいけど、一瞬でまたうるさくなってしまう。そんな時に効く声かけは、「静かにしてって言ったでしょ〜」ではなく、好ましい姿になっている時に「静かにできてるね。助かるよ」と、小声で現状を褒めること。
それ以上たくさんのことは言わなくても、現状維持を伝えると、「あ。これでいいのか」と、理解できるようになっていきます。しかし、空腹や眠気には勝てませんので、そこは要注意。オーダーするものは早く用意してくれるものにするなど、工夫してみましょう。
「飽きる前」の声掛けが伝わりやすい
例えば、外出先に塗り絵やちょっとしたおもちゃを持っていったとして、最初はおとなしく待っていてくれても少し経つと、動きたくなったり、遊びが大きくなっていくことがありますよね。
「これは飽きそう」と思うママの勘はとてもよく当たるので、その瞬間に「静かに遊んでいてくれてありがとう」と先に追加で褒めておくと◎。そうすると「静かにしてる場所だったんだ」と言うことを思い出して、大人しくしていてくれる時間がのびることがあります。
自宅に帰ってから「追加褒め」
外食した日は、なんとなく楽しい気持ちで帰って来れたりしませんか?そんな時には、お風呂や寝る前にでも、「今日は〇〇ちゃんのおかげでレストランのご飯がゆっくり食べられたよ」とさらに追加褒めしてあげてください。毎回でなく、3回に1回でもいいです。
褒められた経験が、子ども中に蓄積されると、徐々に外食中も暗黙のルールを守り、静かに待っていられるようになります。親からの褒め言葉は子どもにとって印象深く、すごくうれしいものなのです。
成功体験を積んで、楽しい外出に
「子どもがうるさくしちゃうし言うこときかないから、外食はできない」という声を聞いたことがあります。確かにゆっくり食事ができることは本当に少ないですよね。うまくいかないと思ってしまう気持ちもとてもよく理解できます。また、子どものすることとはいえ、周囲の方に迷惑をかけてしまうことは避けたいですよね。
そんな状況で外食をするときは、動画などのグッズを利用して、親子で妥協点を見つけながら楽しむのが理想的だと思います。「じっと待つ」にこだわらなくても「小さな音で、動画を好きに見てもいい」「いつもは制限しているゲームを無音でやってもいい」など、家庭のルールを少し緩和するのもありですよね。
ちなみに私は外食の時の待ち時間には、スマホに入っている写真をみんなで懐かしんで見ています。会話も弾んで楽しい外食になりますよ。
わが子との外出、気をもむことはあると思いますが、1つ1つ成功体験を積んで、楽しいお出掛けができるようになるといいですね。