大物家具、買うは簡単。でも処分は?
私事で恐縮ですが。結婚する時に唯一親ともめたのが、タンス購入。
私は夫の親と同居することに決めていたので、うちの親も張り切っちゃって、いわゆる「嫁入り道具」をそろえると言い出したのです。
タンスや布団セット、着物ひとそろえなどなど、嫁にいくからにはきっちりそろえてやらないと、という昔考えの世代。結納金もいただいてのことだから、親がそう考えるのも無理はないのですが。
正直に言うと私は家を建てる可能性や、万が一(笑)、婚家を出ることになる場合のことも考えて、他の物はともかくタンスはいらないと強く反対。
でも結局着物を買えば着物ダンスが必要、洋服はどこにしまうのかなど、とにかくしつこかったので、親孝行と思ってそろえてもらいました。
いえ、ありがたいことなんですよ。わかってはいるけれど、家を建て替える際にやっぱりタンス問題が持ち上がって、ちょっとだけ後悔しました。
由来が由来だけに捨てづらい。大きすぎて、捨てるとしてもお金を払って処分することになる。高かったので未練が残って思い切れない。
私たち世帯は結局ウォークインクローゼットにタンスを納める形をとって。
義母は、やはり自分の嫁入りダンスを捨てられず、かといってウォークインクローゼットになじみがないため、作るように説得しても聞き入れず、タンスに囲まれて寝ることになったのです。
大物も買う時は簡単。店舗によっては設置もしてくれます。でも処分を考えた時、とても大変ということがおわかりになると思います。
欲しいと思った時は、考える時間を作る
そうは言っても、大物家具や大物家電がほしくなることはあります。もし必要性を感じて買おうと考えた時。少しだけ考える時間を設けてみてください。それは必要かもしれない。だから買うつもり。
でも、その大物を買って一定の場所に設置して、そしてそれを一生そこで使う予定ですか?引っ越しませんか?家を建て替える可能性は?代わりになる物が今、家にありませんか?
捨てる時はどこから出す?階段は通せる?などなど、いろんな可能性を家族で話し合ってみてください。
家の中に入れる時は本当に簡単なんです。でも、いざ処分しようと思うと、大きければ大きいほど労力とお金がかかってしまう。
リサイクルショップに、と考えて調べてみたこともありますが、引き取りに来てくれるところが少ないので、持ちこむかお金を払って持っていってもらうということに。
だから、買う前に。その大物の最後にも、少しだけ考えをめぐらしてみてください。物そのものの事だけではないんです。
持ち主が亡くなったり自立したりして物が不要になったら、残された家族は、その処分しづらい物のことでまた頭を悩ますことになるんです。大きいというだけで、結構な負担になったり、制限されることがあったりするかもしれません。
同じ用途でも小さ目の物にするとか、処分しやすい素材を選んでみるとか、選択肢を広げることができれば、本当に必要な物がわかってくると思いますよ。
大きな物の購入時こそ、一呼吸おきましょう
わが家ではピアノはずっと習うということで、話し合って新しいのを買いました。なんなら、ゆくゆくは孫にも使わせるくらいの覚悟です。
実はわが家は学習机も、話し合った末、買い与えていません。祖父母が買ってくれる、子どもの物の置き場所がないなど、必要と思えば購入すればいいのです。各家庭それぞれの考えに従って。
わが家の場合、私の作業机が大きめなので、椅子を二つ並べて使えるねという話をして、子どもが個室を欲しがった時にまた、購入するかどうか検討することにしています。
大きな物を買う時はまず一呼吸おいて。家族で話し合っていろんな可能性を考えておくと、きっと大事に長く使える物を手に入れることができると思いますよ。