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「神社の時点で、私の我慢は限界に近付いていました。でも、まさか食事の席であんなことを言われるなんて…、もう、本当に許せなかったんです」
そう語気を強める美咲さん(仮名・30歳)。長男のお宮参りで、夫・拓也さん(仮名・32歳)の非常識な服装に始まり、神聖な神社での義父母のありえない普段着、そして義母からの心無い「赤ん坊拾っといで~」発言。度重なる無神経な言動に、美咲さんの心は深く傷つき、怒りは静かに、しかし確実に蓄積されていた。
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重苦しい空気の中、食事会へ
ご祈祷を終えた一行は、予約していた料亭へと向かった。表面上は和やかな雰囲気を装ってはいるものの、美咲さんの胸中は嵐が吹き荒れる寸前だった。
「義母のあの言葉が、ずっと頭の中でぐるぐると回っていました。どうしてあんなことが平気で言えるんだろう、と。夫は夫で、全く頼りにならず、私の味方をしてくれる気配もありません。本当に孤立無援でした」
個室に通され、料理が運ばれてきても、美咲さんの気持ちは晴れなかった。祝いの席のはずなのに、心から楽しむことなど到底できない。早くこの時間が終わってほしい、ただそれだけを願っていた。
母からの温かい心遣い、そして義母の信じられない一言
そんな重苦しい雰囲気の中、美咲さんの母親がそっと祝儀袋を取り出し、美咲さんに手渡した。
「『お祝いよ。大変だったでしょうけど、本当におめでとう』と、優しい言葉と共に渡してくれました。母の温かい心遣いに、張り詰めていた気持ちが少しだけ和らぐのを感じました。この日、初めて心からの笑顔になれた瞬間だったかもしれません」
美咲さんが母親に感謝の言葉を伝えていると、その様子を見ていた義母が、突如として大きな声を上げた。
「あらー!ご祝儀もらったのね!よかったじゃない!それ、今日の昼代だ昼代~!ハッハッハ!」
まるで戦利品でも見つけたかのように、手を叩きながら高らかに笑う義母。その場にいた誰もが、一瞬耳を疑った。祝いの席で、母親から娘への純粋なお祝いの気持ちが込められたご祝儀を、「昼食代」と言い放ったのだ。
ついに、美咲さんの怒りが爆発する
その瞬間、美咲さんの中で、何かがブツリと切れる音がした。
「もう、我慢できませんでした。それまで必死に抑えてきた怒りが、一気に噴き出したんです」
美咲さんは持っていた箸を置き、顔を上げて義母を真っ直ぐに見据えた。そして、震える声ではあったが、はっきりとした口調で言い放った。
「…そんなこと言うの、やめてください!」
場の空気が一瞬で凍り付いた。先程までの義母の高笑いが嘘のように、シンと静まり返る個室。美咲さんの剣幕に、拓也さんも、美咲さんの母親も、そして当の義母も、目を丸くして固まっていた。
「私の母が、息子の誕生を祝ってくれた大切なお金です。それを『昼代』だなんて、あんまりじゃありませんか!失礼です!」
堰を切ったように、美咲さんの口からは次々と義母への抗議の言葉が飛び出す。それは、この日一日、いえ、これまでの結婚生活で積み重なってきた不満や怒りが、一気に噴出した瞬間だった。
「義母は一瞬呆気に取られたような顔をしていましたが、すぐにムッとした表情に変わりました。でも、私はもう止まりませんでした。言いたいことを言わなければ、自分が壊れてしまうと思ったんです」
気まずい沈黙が部屋を支配する。誰も何も言えず、ただ美咲さんの怒りに満ちた声だけが響いていた。
形式的な感謝と、収まらない怒り
ひとしきり自分の思いをぶつけると、美咲さんは深くため息をついた。怒りは全く収まっていなかったが、これ以上この場で騒ぎを大きくしても仕方がないと思い直したという。
「その後、どうにか平静を装って、義父母たちには『今日は遠いところお越しいただき、ありがとうございました』と、形式的ではありますが、お礼を述べました。でも、心の中では、『二度とこんな思いはしたくない』という気持ちでいっぱいでした」
食事会は、その後も終始重苦しい雰囲気のまま、お開きとなった。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:糸野内たおる
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