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「食事会であれだけ言ったのに、全く反省の色がないどころか、まさかあんな形で反撃してくるなんて…。本当に信じられませんでした」
美咲さん(仮名・30歳)は、当時の怒りと絶望感を思い出し、深くため息をついた。長男のお宮参りで起こった一連の騒動。夫・拓也さん(仮名・32歳)の場違いな服装、義父母のありえない普段着、そして義母からの心無い言葉と、食事の席での「昼代」発言。ついに我慢の限界を超え、義母に反論した美咲さんだったが、事態はこれで収束するどころか、さらに悪化の一途を辿ることになる。
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唯一の理解者だと思った義妹への連絡
心身ともに疲れ果てて帰宅した美咲さん。夫の拓也さんは、食事会での一件以来、どこか気まずそうな様子で美咲さんと距離を置いているように感じられた。味方が誰もいないという孤独感と、義父母への収まらない怒り。そんな中、美咲さんは一縷の望みを託し、義妹の聡子さん(仮名・28歳)に連絡を取ることにした。
「義妹の聡子は、義家族の中では比較的常識があり、私の気持ちを理解してくれるかもしれないと思ったんです。せめて、あの日の義父母の服装が非常識だったということだけでも共感してほしくて…」
美咲さんは聡子さんに、お礼の言葉と共に、やんわりと「お義父さんとお義母さんの服装、ちょっとびっくりしちゃったんだけど、お宮参りって普通はもっとフォーマルな感じだよね?」とメッセージを送った。すると、聡子さんからは意外なほどすぐに返信があったという。
「『美咲さん、ごめんね!私も出かける前に二人の格好見て「えっ!?」って思ったんだけど、なんだか言い出せなくて…。本当に申し訳ないことしたと思ってる』という内容でした。その言葉に、少しだけ気持ちが救われた気がしました。ああ、やっぱり私の感覚がおかしかったわけじゃないんだって」
聡子さんからの共感の言葉に、美咲さんは安堵し、ほんの少しだけ心が軽くなった。しかし、その安堵感は、ほんの束の間のものに過ぎなかった。
義母からの突然の長文メッセージ
聡子さんとメッセージのやり取りを終えてから数時間後。美咲さんのスマートフォンが、けたたましい通知音を立てた。画面に表示されたのは、義母からのメッセージ受信を知らせる通知だった。
「嫌な予感しかしませんでした。開きたくなかったけれど、無視するわけにもいかず…震える手でメッセージを開きました」
そこに綴られていたのは、美咲さんの想像を絶する、怒りに満ちた長文のメッセージだった。
「まず目に飛び込んできたのは、『聡子があんたからのメール見て泣いてたぞ!』という一文でした。え? 泣いてた? さっきの聡子ちゃんのメッセージとは全然雰囲気が違う…。一体どういうことなの?と混乱しました」
義母からのメッセージは、美咲さんに対する激しい非難の言葉で埋め尽くされていたという。
「『親を馬鹿にするのも大概にしなさい!』『自分の価値観を私たちに押し付けるな!』『あんたに言われなくても、TPOくらい分かってるわよ!』…。まるで、私が一方的に悪者にされているような内容でした」
さらに、メッセージはエスカレートしていく。
「『あんたは本当に自己中心的で自画自賛が酷い』『今回のことで、拓也の育て方まで否定されたような気分だわ!』『私たちを非常識な親だと言っているのと同じよ!』などと、一方的な決めつけと被害者意識に満ちた言葉が、これでもかというほど並べられていました。読んでいるうちに、怒りを通り越して、なんだか力が抜けていくような感覚でした」
混乱と自己不信の渦へ
義母からのメッセージを読み終えた美咲さんは、愕然とした。聡子さんからの共感のメッセージとはあまりにもかけ離れた内容。聡子さんが義母に泣きついたのか、それとも義母が聡子さんのスマートフォンを見たのか、あるいは聡子さん自身が義母に同調したのか…。真相は分からないが、いずれにしても、義母が美咲さんに対して強い怒りと敵意を抱いていることは明らかだった。
「『あんたに言われなくても分かってる』って、分かってるなら最初からちゃんとしてほしかった、としか言いようがありませんでした。でも、それ以上にショックだったのは、『自分の価値観を押し付けている』という言葉でした。確かに、私はフォーマルな服装が常識だと思っています。でも、それはお祝い事の場では当たり前のことではないの? 私がおかしいの? 私の価値観が間違っているの…?」
義母からの激しい言葉は、美咲さんの心に深い傷を残し、自信を揺るがせた。あれほど非常識だと感じた義父母の行動も、もしかしたら自分が気にしすぎているだけなのかもしれない。そんな自己不信の念が、美咲さんの心を蝕み始めていた。
「怒りと悲しみと、そして自分が間違っているのかもしれないという不安とで、頭の中がぐちゃぐちゃになりました。誰に相談していいのかも分からず、ただただ途方に暮れるしかありませんでした」
黒歴史として刻まれたお宮参り。そして、義母からの宣戦布告とも取れる長文メッセージ。美咲さんの苦悩は、ますます深まっていくのでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:糸野内たおる
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