Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】「夕飯これだけ?」夫のモラを友人に相談→「もしかして…」分析に動揺する妻|さようなら、モラハラ夫
ついに美穂は夫、正人に離婚届けと証拠を突きつけます。正人は反論も忘れ、茫然…。美穂はようやく正人の支配から抜け出し、幸せな未来を勝ち取ったのでした。
決戦の時。私は絶対に負けない!
正人が数日ぶりに家に帰ってきた日、私は静かにリビングで待っていた。心臓の音が、ドクドクと大きく聞こえる。隣の部屋では、さやかが寝息を立てている。この子の穏やかな寝顔は私が守るんだ。
正人は、いつものように疲れた顔をして、ソファにどさりと座った。そして、私が淹れたお茶を、一口も飲まずにテーブルに置いた。
「美穂、何だ、改まって。何か話があるのか?」
正人の声は、いつも通り、ぶっきらぼうで冷たい。私は、深呼吸をして、彼の目を見た。
「ええ、話があります。正人さん」
私は、テーブルの上に、1枚の紙をそっと置いた。それは、離婚届だ。正人の視線が、その紙に吸い寄せられる。彼の顔から、みるみるうちに血の気が引いていくのが分かった。
「離婚しましょう」笑顔で告げる最終勧告
「これはなに?どういうこと?」
「そして、これは、正人さんのスマホに届いていた、あの女性からのメッセージです。ハートの絵文字付きで、『早く会いたいな』なんて、私に言う言葉ではないですよね?」
私は、スマホの画面に映し出されたメッセージの写真を、正人の目の前に突きつけた。正人の顔は、真っ赤になったり、青くなったりを繰り返している。
「まだまだたくさんの証拠がそろっています。弁護士の先生によると、不貞行為は、十分に立証できるそうです。それに、正人さんがこれまで私にやってきたことはDVに当たると言われました」
私の言葉に、正人は狼狽している。いつもの傲慢な態度は、どこにもない。彼の顔には、焦りと恐怖が浮かんでいた。
「DV……? まさか、俺はそんなつもりじゃ……」
「つもりかどうかは関係ありません。現に、私は困っていました。さやかにも、寂しい・怖い思いをさせていました。正人さんが不倫に費やしている間、私たちは寂しい思いをしながら、生活費の不足で困っていたんですよ」
私の声に、怒りが滲む。しかし、それは感情的な怒りではなく、静かで、確固たる決意に裏打ちされたものだった。
「私には、大切なさやかを守る責任があります。だから、離婚しましょう」
私は、正人の顔をまっすぐに見つめ、笑顔でそう言い放った。その笑顔は、正人にとっては、地獄の業火のように見えただろう。
茫然とする夫を尻目に、明るい未来に希望を抱く
正人は、何も言えずに、ただ顔を青ざめさせている。反論の言葉も、言い訳の言葉も、彼の口からは出てこなかった。
「離婚届にはサインしました。あとは、正人さんがサインするだけ。そして、これからは、弁護士の先生を通して、財産分与や親権、養育費について話し合っていきましょう」
私は、正人に離婚届を差し出した。正人の手が、小刻みに震えているのが見えた。私は、もう悲しみも不安もない。あるのは、さやかと私の未来への希望だけだ。この決断に、後悔は一切ない。
「何も言うことがないなら、私はお風呂に入って寝ますね。明日からは私の実家でさやかと暮らします」
そんな私の言葉が耳に入っているのかいないのか、正人は、呆然としたまま、離婚届と証拠の数々を交互に見つめている。彼の顔に浮かぶ後悔の念を、私はただ静かに見つめていた。彼の反省が、本物であるかどうかは、もう私には関係ない。私は、私とさやかの幸せのために、新たな人生を歩み出す。今日から、私たちの新しい人生が始まるのだ。
あとがき:決別と新たな門出
全てを悟った美穂は、夫・正人に離婚届と決定的な証拠を突きつけます。これまで傲慢だった正人は、美穂の用意周到な証拠と冷静な態度に動揺し、反論の言葉を失います。
美穂は、娘・さやかの未来のため、そして自身の幸せのために、過去との決別を選びます。後悔なく新たな一歩を踏み出す美穂を応援したくなるお話です。
イラスト:まい子はん










