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4人の子育てに奮闘するパート主婦、ちかこ。忙しい中でも穏やかな日常を過ごしていました。しかしその日常は、ママ友・マイの告白により不穏な空気を醸し出し始めます。
窮屈だけど幸せな日常
ねぇ、私って、本当に強い女だと思う? それとも、ただ臆病なだけ?
40歳のちかこ。夫は聡、45歳。長男の拓哉は18歳で、今は全寮制の私立高校に通っている。長女のさくらは10歳、次女のかえでは8歳、末っ子の壮太は5歳。気づけば、ずっと子育てに追われてきた。一番お金がかかる時期が、まだまだこれから続く。だから、パートで働きながら、必死で正社員の職を探している毎日だ。
「お母さん、今日の夕飯何? おなか空いたよ!」
学校から帰ってきたさくらが、ランドセルを放り投げてキッチンに駆け寄ってくる。その後を追うように、かえでと壮太が「僕もー!」と声を上げる。この子たちの笑顔が、私の毎日の原動力だ。
「はいはい、今作るからね。さくら、手洗ってきて」
私の声は、いつだって優しく響く。これが、この家の平和を保つための、私の役目。なんて言ってみるけど、結局私は子どもたちが一番大切。子どもたちのための日常の制約なんて、全くつらいと思うことはないのだ。
ママ友の「好きな人」は、私の夫だった
そんな私の日常に、ある日、ひどく耳障りな音が響き渡ることになる。その原因は、ママ友のマイだった。彼女は私より3歳年上の43歳。夫の誠也さんも43歳で、夫とこの夫婦は職場の付き合いもあるらしい。
穏やかなママ友付き合いのはずが、まさかこんなことになるなんて、夢にも思わなかった。
「ちかこさん、ちょっと相談があるんだけど……」
いつもの公園で、マイは私に声をかけてきた。
「どうしたの? マイさん」
「実はね、私、好きな人ができたの……。その人、奥さんとはもう何年も冷え切ってるって言ってて、別れたいって言ってるのよ。」
マイの言葉に、私は心臓を鷲掴みにされたような衝撃を受けた。あの穏やかそうなマイさんが、不倫をしているということ? 信じられない気持ちでいっぱいだった。
「そ、そうなの……? それは、大変なんだね…」
私は、ありきたりな言葉しかかけられなかった。マイは、俯いて、小さく頷いた。その時、彼女の瞳の奥に、何か暗い光が宿っているように見えたのは、気のせいじゃなかったのかもしれない。
そして、その話を忘れかけていた約1か月後。私の世界は、音を立てて崩れ去った。ある夜、聡がリビングで寝落ちしている間に、彼のスマートフォンが光った。ロック画面に表示されたメッセージ。通知のプレビューには、女性の名前と、親密な内容がチラリと見えた。
「早く会いたい」
「今度はいつ?」
心臓がドクンと大きく鳴った。まさか聡が女性と?いや…そんなはずは、ない…と思いたい。
震える手で、私は聡のスマホを手に取った。画面をスワイプすると、そこにはなんと、ママ友・マイの名前があった。そして、私には見せたこともないような甘い絵文字とメッセージのやり取りが、いくつも並んでいる。
頭が真っ白になった。吐き気がする。その場で崩れ落ちそうになったけれど、なんとか耐えた。
証拠を残して泳がせる…なんて、よくSNSのいわゆる「サレ妻」の投稿で見かけるけど、頭に血が上った私にはその選択ができなかった。すぐさま聡を揺り起こし、スマホを突きつけた。
「終わり」その言葉を信じきれない
頭が真っ白になった。吐き気がする。その場で崩れ落ちそうになったけれど、なんとか耐えた。聡を揺り起こし、スマホを突きつけた。
「これは、一体どういうことなの……!?」
私の声は、怒りで震えていた。聡は、眠い目をこすりながら画面を見て、ギョッとしたように飛び起きた。
「ち、ちかこ!? なんでこれを見てるんだ!?」
「なんでって…! 見てしまったのよ、全部! これは一体どういうことなのよ!」
私の剣幕に、聡は観念したように俯いた。そして、消え入りそうな声で、私の耳を疑うような言葉を口にした。
「ごめん……。実は、マイさんとはそういう関係があって…」
その言葉を聞いた瞬間、私の頭の中は真っ白になった。あのマイさんと夫が?信じられない。信じたくない。体が震え、立っているのもやっとだった。
「嘘でしょ……? なんで……?」
私の声は、か細く震えていた。聡は、顔を背け、私と目を合わせようとしない。
「ごめん……。魔が差したんだ。もう、終わらせた。ほら、やっぱり…家族が大事だと思ったんだよ」
家族が大事? そんな言葉、誰が信じるの? 私の中の何かが、プツンと音を立てて切れた気がした。でも、同時に、4人の子どもたちの顔が頭をよぎる。拓哉の学費、さくらと、かえでの習い事、壮太の幼稚園の費用。現実的な問題を考えると「もうこんな夫いらない」なんて言えなかった。
「本当に、終わりにしたの……?」
私は、絞り出すような声で尋ねた。
「そう。もう、連絡をとらない。返事はしない。今こうやってLINEもブロックしたし、電話も着信拒否にしたから」
聡は、そう言い切った。そんなに簡単に終われるわけないと思ったけれど、これ以上争う気力もなかった。
「バレたから終わり」なんて、相手のマイさんは納得しないと思う。あの公園での様子からしても、マイさんは夫に相当気持ちを寄せているようだった。なんとかして私から奪い取ろうと思っているんじゃないだろうか。
そして、私と子どもたちは、あの家で、何事もなかったかのように生活を続けている。でも、私の心の中には、ずっと拭いきれない疑念と、絶望感が渦巻いていた。
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あとがき:夫を信じていいの?不安に揺れる心
40歳のちかこは、4人の子どもを抱え、経済的な理由から離婚を諦めていました。そんな中、親しいママ友のマイが「好きな人ができた」と打ち明けます。しかし、その相手が夫だと判明し、ちかこは絶望の淵に立たされます。夫は関係を清算したと言いますが、ちかこの心には深い疑念と不安が渦巻く、衝撃的な始まりです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










