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🔴【第1話から読む】「好きな人ができた」意味深に話す既婚ママ友→相手の正体を知って背筋が凍った日|夫の愛人はママ友
不倫をきっかけに、夫とぎくしゃくしていた主人公・ちかこ。そんなちかこの変化に気づいたのは高校生の息子・拓哉でした。拓哉が寄り添ってくれることで、ちかこの「我慢し続けるしかない」という気持ちに変化が訪れます。
意を決して、長男に状況を伝える
拓哉の言葉は、私の心を深く揺さぶった。彼は、私が想像していた以上に、私たちの家庭の異変に気づいていたのだ。
しばらく経ったある週末、また拓哉が帰省してくれた。いつもより帰省の頻度が高いのは、きっと心配してくれているのだろう…。下の子たちが遊びに出かけたのを見計らって、拓哉がまた聞いてきた。
「お母さんさ、やっぱりお父さんと何かあったでしょ?お父さんに何かあったのか聞いたら『子どもには関係ない』って明らかに不機嫌になってさ。関係ないわけないじゃん、俺も家族なのに」
拓哉は夫からの発言に傷ついているようだった。もう、隠し通すのは無理だ。そして、この子には、全てを話すべきなのかもしれない。
私は、意を決して、聡がしたこと、そして私自身が離婚については悩んでいることを告げた。拓哉の顔には、怒りと、そして私への深い憐憫の情が浮かんでいた。
「やばいねお父さん…最低じゃん」
拓哉は、静かに、強い口調で言った。彼の中にも、父親への嫌悪感が芽生えているのが分かった。
長男の成長に思わず涙
「お母さん、俺たちのために我慢してたってこと?すごいしんどかったよね」
拓哉の言葉に、私の目から涙が溢れた。今まで誰にも言えなかった苦しみを、この子は理解してくれた。それが、どんなに私の心を軽くしてくれたか。
「でもね、拓哉。私はあなたたちが大きくなるまではこのままにして、そのうちお金の心配がなくなったら…」
そこで、私の言葉を拓哉がさえぎって言った。
「お母さん、それは違う。お母さんが苦しいまま我慢してほしいとは思えないよ」
拓哉の言葉は、私の心に深く響いた。私の我慢が続く保証もない。それに、子どもたちにも、こんな父親の姿を見せ続けるのは、決して良いことではない。
「俺もお金をどうにかするとは言えないけど…、ねえ、おじさんに相談してみたら?前におばさんが交通事故にあったとき、知り合いの弁護士さんに頼んで相手とやりとりしてもらってたじゃん」
それは私がすっかり忘れていた記憶だった。拓哉なりに一生懸命、この状況をなんとかする方法を探してくれている。そのことで胸がいっぱいになった。
拓哉が生まれた時のことは昨日のことにように覚えている。あんなに小さくかわいかった赤ちゃんが、こんなに優しく頼もしく成長してくれたなんて。私は本当に誇らしく、うれしかった。拓哉とは、近日中に兄の正春と連絡をとることを約束した。
頼もしい兄に救われる
翌日、私は兄の正春に電話をかけた。いつも明るく、行動力があり、そして何よりも私や甥っ子姪っ子を大切にしてくれる兄だ。
「もしもし、お兄ちゃん……」
私の声が、少し震えていたのだろう。
「ちかこ? 電話なんて珍しいな。何かあったのか?」
正春の声は、いつも通りの快活さだったけれど、すぐに私の異変に気づいてくれた。私は、これまでの経緯を、兄に全て打ち明けた。聡の不倫、無反省な態度、そして私が抱える離婚への葛藤。
私の話を聞くうちに、正春の声色がみるみる変わっていった。明るかった声は、いつしか怒りと、そして悲しみに満ちたものになっていた。
「聡さんがそんなことを……! 反省もなしって…ふざけてんだろ」
兄は、電話口で拳を握りしめているのが想像できた。
「ちかこ、よく耐えてきたな。もうそんなやつ捨てて実家に戻って来いよ」
「でも、お兄ちゃん、子どもたちの将来を考えると、なかなか……」
私がそう言うと、正春は少し考えてから、力強く言った。
「ちかこ、一人で抱え込むな。頼れる人間はいる。俺の知り合いの弁護士に話をしてみてくれ。費用は心配しなくていい。まずは、話を聞いてもらうだけでいいから」
兄の言葉は、まるで暗闇に差し込んだ光のようだった。そうだ、一人で悩む必要なんてない。頼れる兄がいる。専門家の力を借りればいい。
「ありがとう、お兄ちゃん……」
私の感謝の言葉に、正春は「何を言ってるんだ、当たり前だろ」と、いつもの優しい声で笑ってくれた。翌日、正春はすぐにその弁護士に連絡を取り、私と弁護士との面談の場を設けてくれた。兄の素早い行動力には、本当に頭が下がる。
そして数日後、私は正春と一緒に、弁護士事務所の扉を叩いた。緊張で、足が震えたけれど、隣に正春がいるという安心感が、私の背中を押してくれた。弁護士の先生は、私たちの話を、じっくりと聞いてくれた。聡の不倫の経緯、彼の無反省な態度、そして私が集めた証拠。弁護士の先生は、それらを一つ一つ丁寧に確認し、メモを取っていた。
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あとがき:兄と息子の導き
拓哉の優しさに触れ、ちかこは夫の不倫と自分の苦しみを打ち明けます。拓哉の共感と、兄・正春の力強い支え、そして「弁護士に相談すべき」という助言が、ちかこの背中を押します。一歩を踏み出す勇気を得たちかこは、ついに弁護士事務所の扉を叩き、新たな道が開かれるのでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










