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「自分でなんとかしてみろ」意地悪された小1息子に父が発言→真意を聞いた母が納得した理由|小さなSOS

主人公の仁美さんが、小学1年生の息子・優也の心に寄り添いながら見えない問題と向き合う物語です。最近、元気がない様子の優也くん。意地悪な隣の席の子に彼女も悩みます。ある夜の食卓、ついにパパと向き合う中で、仁美さんは“正しさだけでは届かないもの”に気づかされます──。母・仁美さんの心を揺さぶる『小さなSOS』第2話をご覧ください

Ⓒママリ/画像の生成にAIを使用しています

🔴【第1話から読む】小学1年生・吃音がある息子がいじめに?「意地悪するの…」幸せな毎日に“不穏な証言”|小さなSOS

息子・優也の「いやだった」の理由に悩む仁美さん。正論を語るパパの涙に触れ、夫婦はすれ違いながらも、わが子のためにどう向き合うべきかを探し始めます。

涙のただいま

小学生 PIXTA

午後、家事をしていると、玄関のドアが開きました。優也です。おかえり、と声をかけると鼻をすすっていました。ああ、やっぱりという思いで胸がいっぱいになりました。私はそのまま優也を抱きしめ、一緒に泣いてしまいました。

だんだん落ち着いてきたので、私は優也に話を聞くことにしました。相手の男の子、健太くんとは入学後初めての席替えで隣同士になったそう。違う幼稚園から来た子で、体も少し大きくて、わんぱくそうな感じとのこと。休み時間などに机で本を読んでいると、肩をつんつんしてきて、振り向くと知らんぷり。でもそのまま、優也の方をチラチラと伺っている様子だそうです。

「意地悪」の線引き

考える PIXTA

え、それって意地悪なの?と、私は正直思いましたが、もしかしたらそれを意地悪かどうかで線引きするのは、大人の考え方なのかもしれない。優也にとって「嫌だ」と感じた時点で、それはもう心に引っかかっているということ。

でも、もしかしたらこれがいじめの始まりかもしれない、実際優也は嫌がっているし慎重に対応しなければ大変なことになるましてや、まだ1年生。うまく伝える言葉や術を持っていない優也にとって、小さな不快感が、やがて学校=怖い場所になってしまったら……。

まずは、優也がそう感じている事実を、大人の私が受け止めなきゃ。優也の話では、もう先生に相談はしてあり、健太くんにも聞き取りをしてくれたようで、「嫌なことなんてしてない」という返答だったそうです。やっぱり、ただのちょっかいだったのかな?と思いつつまだ鼻をすんすん言わせている優也を見て、主人に優也から聞いたことをLINEしておきました。

僕、なんにもしてないよ…

悲しい PIXTA

夜、夕食の時に夫に切り出してみました。まるで、初めて話すかのように。

「優也の隣の席の子がね、優也に意地悪するんだって。どうしたらいいのかな?」
「本当か?ケンカでもしたのか?」

夫は子ども目線の話し方をしない人です。優也の顔は即座にこわばりました。

「ぼく、なんにもしてない…」

と消え入りそうな声でやっと答えました。

「一方的に意地悪されてるのか。その子にやめてって言ったか?」

「いってない…」

優也は箸を持ったまま、目を伏せて答えます。そうか、と夫は少し間を置いてから続けました。

「先に先生に言っちゃったんだな。」

「うん…」

優也の声はますます小さくなり、お皿をずっと見つめています。

「自分で言わないで先生に言っちゃったらよくないよな。」

優也は視線を落としたまま、唇をキュッと結んでいました。私は思わず口を挟みました。

「ちょっと、まだ1年生なんだからうまく言えないこともあるよ」

「そうだよ。だから今のうちから練習しておかなくちゃ。まず、自分で何とかしてみなくちゃだめなんだ。それでもだめだったら、親や先生だよ」

まさに正論でした。私も言葉が出ず、黙っていると夫は優也に言いました。

「明日、やめてって言ってみろ。大丈夫だから」

優也はコクンと頷きながらも不安そうでした。

パパの涙、ママの気づき

サラリーマン 夜 ダイニング PIXTA

夫と2人になったあと、私は言いました。

「もっと優也に優しく言ってよ、可哀想じゃない」

「実際、学校に行ってるのは優也なんだ。自分でできることはさせないとよくない。先生にも協力はしてもらわなきゃだけど、今はまだ違う」

「あなたの言いたいことはわかるけど…」

と言うと

「それに俺は優也に自信を持ってもらいたい。どんなことだっていい、何か自信が付けば吃音だって…気にならなくなる…」

そこまで言って主人は目頭を抑えました。私は驚きました。私だけじゃなかったんだ。夫も優也のことちゃんと考えていてくれたんだ。私は、自分ばかりがつらいと思ってた。私はこんなに悩んでるのに!って。同時に、夫の健太くんへの静かな怒りを感じました。早く解決しなければ、と思いながらも私はまだ迷っていました。

親が出るようなことかな?男の子だったらこれくらい普通なんじゃ?――悩んだ結果、私は1つ思いつきました。翔くんママに相談してみよう、と。年上の先輩ママなら何かアドバイスがもらえるはずだと。

期待と不安でいっぱいになりながら、まぶたを無理やり閉じるようにして、その晩は眠りました。

🔴【続きを読む】「私はモンペ?」息子を助けたい気持ちにブレーキ→悩んだ母が相談した相手|小さなSOS

あとがき:親もまた、揺れながら成長する

小さな心が抱える「うまく言えない」「伝わらない」悩み。それを受け止める側の大人も、迷いながら、悩みながら、わが子にとっての「いちばんの味方」になろうとしています。優しさと厳しさ、見守ることと介入すること。答えのない「親としての選択」が、今回のテーマです。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

🔴【全話読む】小さなSOS

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