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🔴【第1話から読む】特別な“幼なじみ”、小5息子の人間関係について母が願っていたこと|息子が突然ハブられた話
学校から帰宅した遥人の元気が無いことに気付いた紗希さんは、理由を問います。すると遥人は、泣きながら悩みを打ち明けました。それは、“璃玖から遊ばないと言われた”というもの。ただその悩みは、単純な独占欲や我儘からくるものなどではなくてー。
元気のない息子
いつも通りの放課後。その日は、璃玖君の塾も習い事も無い日でした。つい先日、遥人に新しいゲームを買ってあげたので、それで遊ぶのかな?なんて思いながら遥人の帰宅を待っていました。
玄関ドアの音がしたのでリビングの入り口を見てまっていると、遥人はランドセルの両肩ベルトをぎゅっと握りしめて、うつ向いたままゆっくりと歩いて入ってきました。
遥人「ただいま…」
紗希「おかえり~?早く着替えな~」
遥人「うんー」
様子の違う遥人を不思議に思いながらも、普段と変わらない質問を投げかけました。すると遥人は「璃玖、今日遊ばないって~」と、いじけている時に出る口調で話します。少し引っかかったのは、“遊べない”ではなく“遊ばない”というワード。けれど、まぁそういう日もあるかと、その時は深く考えずにいました。
様子のおかしい息子に訳を聞いてみると…
その翌週になっても、璃玖君は遊びに来ませんでした。遥人も、璃玖君の家には行っていません。あからさまに遊ぶ機会がぱたりと減ったので、けんかでもしてしまったのかなと思い、本人に聞いてみることにしました。
紗希「遥人、璃玖君とけんかでした?」
遥人「え?…ううん」
紗希「でも最近、遊んでないじゃん」
ただでさえ元気のなかった遥人の顔が、少しずつ歪んでいくのがわかりました。ああ、これは絶対に何かあったなと悟った瞬間、遥人の目からは静かに涙が零れました。ずっと溜め込んでいた感情が、少しずつ湧いて出てくるかのように止まらない涙。私は慌てて、服の裾で遥人の涙を拭いました。
しばらく何も言えないまま、声を出して泣いてしまった遥人。呼吸がなんとか落ち着いた時に話を聞くと、遥人は震える声でゆっくりと話してくれました。
息子から打ち明けられた悩み
遥人「り、璃玖が…」
紗希「うん」
遥人「ずっと、今日も遊ばない、遊ばないって言って。俺と、遊んでくれなくなった…。俺、何にも、してっ、ないのにっ…」
なんとなく、そんな予感はしていました。本人的にけんかをしているのではないとすると、璃玖君側に何かしらの理由があって断っているんだなと思います。他にも遊びたい友達はいるでしょうし、他の子だって璃玖君と遊びたいでしょう。遥人だけの彼では無いですから。
紗希「他の子と遊ぼうって約束があるんじゃない?」
遥人「うん…」
紗希「じゃあそれは許してあげよう?遥人だけの璃玖君じゃないよ?」
遥人「違う、そうじゃなくてっ…。それはっ、いいけど…」
まだ落ち着き切らない呼吸の中でも、精一杯に話してくれようとする遥人。私は背中をさすってあげながら、恐らく嫉妬心であろう感情をなだめようと、遥人から出てくる言葉の一つ一つをていねいに聞きました。
けれどそうして分かったのは、遥人が泣いた理由は璃玖君が遊んでくれないことではなく、違った理由だったのです。
🔴【続きを読む】俺も遊んでいい?→「ダメ。無理」冷たい言葉で突き放され、落ち込んでしまう息子…。|息子が突然ハブられた話
あとがき:子供の感情を親が決めつけるべきではない。子供の言葉に耳を傾けて
小さないざこざにより入ったヒビは、やがて広がっていき、深い溝を作ってしまうことも。その溝を少しでも早く埋めてあげることができるのは、周りの友達やご家族なのかもしれません。時間をかけてでも、ゆっくりと本音を聞いてあげることが、子供達にとっては少しでも救いになるでしょう。
嫉妬心だと決めつけてしまいかけた紗希も、遥人の目線に合わせられたからこそ、本音を理解することができました。トラブルが起きていると親も焦ってしまいますが、焦らず本人の気持ちを聞くことが大事ですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










