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🔴【第1話から読む】特別な“幼なじみ”、小5息子の人間関係について母が願っていたこと|息子が突然ハブられた話
しばらくしてから、学年内のとある噂について知った遥人。それが、璃玖が自分と距離を取ってしまった理由なのではないかと紗希に相談をします。けれどそれを本人に聞くのは…と憚る遥人。時間が解決することを願う三好親子ですが、どうやら璃玖は違うことを懸念していて…?
子ども同士でもある、複雑な関係性
その唐突な発言に理解が追いつかず、どうしてそんな話になったのだろうと思考を巡らせましたが、恐らく、翔君と拓海君から何かを聞いたのだろうと思いました。ずっと心当たりがあることはないと言っていたのに、いきなりどういうことかと尋ねると、遥人はまず私をリビングに引っ張り、ソファに座らせました。
遥人「絶対秘密ね。誰にも言わないでね?」
紗希「ん?うん」
遥人「さっき、翔から聞いたんだけどね…」
話によれば、遥人と別のクラスであるとある女の子が、遥人のことが好きだという噂が学年内で広まっているようで、しかもその子は璃玖君の好きな子だったのです。彼と同じクラスであるその女の子のことを、遥人はずっと聞いていて相談に乗ったりしていたそうなので、もしかしたら璃玖君がそのことを知って怒っているのではないか、、と言うのです。
『なるほど、それも一理あるのかもしれない』と私は思いました。思春期特有の嫉妬なんて、親からしたら可愛いものでも、本人からしたら青ざめるほど真剣なことなのかもしれません。
紗希「遥人はその女の子のこと好きなの?」
遥人「ううん、全然知らないし。というか、璃玖の好きな子だから」
紗希「じゃあそれでいいんだよ。理由がその子かどうかは分からないけど、少し時間が経てば、璃玖君も話してくれると思うよ。どうしても待てないなら、遥人からそのことを聞いてみるしかないけど、どうする?」
遥人「それは何か嫌だ」
悩む間もなくスパっと言い切る遥人。私は頷き、頭を撫でました。この子の性格上、両者傷付くかもしれない選択よりも、自分が待つ方を選んだのだと思います。
本当は璃玖君の母親・彩さんに連絡をしてみたり、一緒に遊んでいる璃玖君の兄・明君に聞いてみたりする方が母親らしいのかもしれませんが、私はこの時期特有とも思える子どもたちの人間模様を、静かに見守ることを選びました。
6年生といる理由
遥人と2人で、璃玖君のことを待つと決めて早1週間…。その後も関係は平行線のままでした。本当に何もしないでいてあげていいのかな、なんてグルグル思考を巡らせながら洗濯物を干していると、バルコニー下から璃玖君や兄・明くん、その友達の声がしました。
「あの子が最近遊んでる6年生の子か」と見ていると、カードゲームを始めたのですがどうも様子がおかしいのです。
お友達「璃玖~、なんでそんないいカード持ってんだよ、最強スキルじゃん」
璃玖「これは友達に交換してもらったんだよ」
お友達「へぇ~、じゃあ俺のと交換しようぜ、ほら、これと」
璃玖「え、そのカードと交換じゃ嫌だよ」
明「(璃玖くんをかばうように)それはちょっと無理あるだろ」
お友達「はー?じゃあいいわ、面倒くせーな璃玖は」
璃玖「えっと…でもまあ、それなら別に…」
不機嫌になったその6年生の子の顔つきに、璃玖君は動揺してカードを渡そうとしていました。これは明らかな上下関係なのでは?私からすれば、友達として遊んでいるようにはあまり思えない光景だったのです。
私の中で胸がざわつくのを感じました。
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あとがき:本当の理由は何か
嫉妬という感情をあまり理解できないお年頃である遥人ですが、優しさゆえに璃玖からの話を待つことに。ただ、待っているだけでは何も変わらないため、紗希は悩んでしまいます。
そんな時、璃玖が例の明君のお友達と一緒にいるところを目撃した紗希。友達というより、明らかに上下関係があるような様子に違和感を覚えます。遥人と遊ばなくなったのは、他に楽しく過ごせる友達ができたからではなかったのかもしれません。
子ども同士の関係性に悩む、紗希の気持ちが伝わってくるエピソードでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










