Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】「慰謝料ですか、構いませんよ」夫の不倫相手は“超難敵”だった|どん底サレ妻は幸せになる
夫の上司・日下部さんと偶然再会したゆうか。彼の優しさに触れ、涙ながらに不倫の経緯を打ち明けます。自身の経験から共感を示した日下部さんの温かさに、ゆうかは少しだけ前を向く勇気をもらうのでした。
思わぬ場で夫の上司に遭遇
ある日、穂希を連れて公園からの帰り道、私は思いがけない人物に遭遇した。
「あれ?ゆうかさんじゃない?」
その声の主は、夫である基樹の上司、日下部さんだった。
「穂希ちゃんも元気?」
日下部さんは見た目も雰囲気もどこか落ち着いていて、いつも私たち家族を気遣ってくれる人。私たちの結婚式にも来てくれたし、何かと気が付く人で、穂希の誕生日にぬいぐるみを贈ってくれたこともある。本当に、絵に描いたような「いい人」。でもまだ、独身らしい。すてきな人だから、きっと相手をよく選んでいるのだろう。
「日下部さん、お久しぶりです。はい、おかげさまで…」
夫の上司に全てを告白
最初、私は夫とのことは黙ったまま会話を終わらせようと思った。でも、世間話をするうちに日下部さんが「基樹は本当に絵に描いたような家庭を持ってうらやましいな~」と言ったのを聞いて、涙があふれてきてしまった。
こんなに優しく、温かい心を持っている日下部さんの思いすら、基樹は踏みにじったのだ。夫の不倫は、私だけでなく、私たち家族を大切に思ってくれる全ての人々を裏切る行為なんだ。
「ゆうかさん、どうしたんですか?何かあったんですか?」
日下部さんは私の涙を見ると慌てた様子で、心配そうに私の顔を覗き込む。私は耐えられなくなり、これまで一人で抱え込んできた経緯を全て話してしまった。夫の不倫、舞子の冷酷な態度、そして私が感じている絶望と無力感。
全てを語り終えると、日下部さんは驚きと悲しみが混じった表情で、じっと私の話を聞いていた。
思わぬ味方
「それは…まったく知りませんでした。本当につらかったですね…。ゆうかさんと穂希ちゃんが心配です…」
彼は心からそう言ってくれた。そして、少し間を置いて、自身の過去を語り始めた。
「実は、僕の父も昔、不倫で離婚したんです。母がどれほど苦労したかを間近で見てきましたから…」
「基樹、本当になにやってんですかね。同じ男としても信じられない行動だと思います」
彼の言葉に、私は救われたような気がした。私と同じような経験を持つ日下部さんは、私のことを心から案じてくれているのだと感じた。
「僕はその舞子という女性とは直接関わりがないですが、SNSで話題のインフルエンサーが社内にいるというのは聞いたことがあります。その人がまさか基樹と…」
会社の中でも有名な人物だったなんて。それほどの女性だからこそ、あんなに余裕のある態度がとれたのだろう。
何も制裁できない事実は変わらず、つらい気持ちは癒えない。でもこの日、日下部さんの温かい言葉と、私を案じる気持ちが、私に少しだけ前を向く勇気をくれた気がした。
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あとがき:優しさに心が救われる
ゆうかさんがずっと抱え込んできた苦しみを、日下部さんに打ち明けることができた第3話でした。彼の言葉は、ゆうかさんが一人ではないことを教えてくれる、希望の光になったのではないでしょうか。ここから物語は大きく動き出します。ゆうかさんがどのようにしてどん底から這い上がっていくのか、ご期待ください。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










