妊娠中のゆみこは、何でも「お母さん」に相談する夫の元太に悩まされていました。切迫早産気味と診断されても「お母さんが言ってた」と軽んじられ、子どもの名付けも母親に任せようとする元太。ゆみこはだんだんと元太との夫婦生活への不満をつのらせていきます。
夫の困った「マザコン傾向」
私の名前はゆみこ。31歳です。おなかには、もうすぐ私の人生を大きく変えることになる新しい命が宿っています。現在、妊娠7か月。おなかの重みに幸せを感じる一方で、ほんの少しの不安も抱えています。その不安の種は、他でもない、私の夫、元太、34歳。
元太は、決して悪い人じゃないんです。優しくて、真面目で、穏やかで。でも、彼にはどうしようもなく困った癖がある。何かにつけて、「お母さんに言お!」「これ、お母さんに見せよ!」と言うんです。
例えば、新しい家電を買ったとき。
「初めて使うし、説明書ちゃんと読もうね」
そう言って私が説明書を開くと、彼はスマホを取り出してうれしそうに言います。
「大丈夫だよ。これ、お母さんにも同じの買ってあげたから!使い方教えてもらおうよ」
なんでもかんでも「お母さんにも買おう」と言いがちな元太。母親思いはいいことだと思っていたけれど、最近はちょっと度が過ぎていると感じるようになりました。
医者の意見より「お母さん」
ある日、おなかが妙に張って、かかりつけの産婦人科に行ったら、切迫早産気味だと診断されてしまいました。
先生から「自宅で安静にしてください。なるべく動かないように」と言われ、私はすごく不安になりました。初めての妊娠で、何が正解かも分からず、ただただ赤ちゃんが無事に生まれてくれることを願うばかりで。帰宅した元太に、心配をかけたくないけど、でも知っておいてほしくて、正直に話しました。
「あのね、今日お医者さんに行ったら、安静にしなきゃいけないんだって。ちょっと張りがあって…」
すると元太は、スマホをいじりながら、顔も見ずに言いました。
「えー、そうなの?でもさ、お母さんが妊娠中はお腹張るもんだって言ってたよ。気にしすぎじゃない?」
…は?気にしすぎじゃない?私、今、先生に自宅安静って言われたばかりなんだけど。妊娠中の経過は一人一人違うもので、当たり前ながら私は義母と同じ妊娠経過をたどっているわけではありません。
元太の言葉に愕然としてしまった私は、それ以上説明する気力を失ってしまいました。
名づけすら親に頼ろうとする夫
赤ちゃんの名付けについて相談しているときもそうでした。
「どんな名前にする?」
「うーん、いったんお母さんに聞いてみない?なんか俺の名前つけるときも有名な人に鑑定してもらったって言ってたし」
30年以上前にあなたの名前をつけたときの知識を頼りにするの?私は思わず言い返しそうになってしまいました。もう、本当に。半ば諦めているけど、やっぱりイライラは募るばかり。子どもが生まれても、夫のこのマザコンが治らなかったら、この先どうなるんだろう。
名づけについては私と元太で候補を出し合うことにはしましたが、きっとお義母さんに連絡を取っているに違いありません。母親思いを通り越したマザコン、一体どう受け止めていけばいいのか私は困り果てていました。
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あとがき :妊娠中の不安と夫への苛立ち
妊娠という人生の大きな節目に直面したゆみこ。新しい命を迎える喜びと同時に、夫の行動から生まれる孤独や苛立ちを感じます。
特に、元太の「お母さんが言ってたよ」という一言は、ゆみこの心に深く突き刺さり、二人の間にある溝を浮き彫りにしています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










