🔴【第1話から読む】子ども優先すると不機嫌に…シングルマザーが抱く、彼氏への違和感|シンママの彼はモラ夫予備軍
隆司の異動が決まり、別れを決意したえりか。別れ話を切り出すと、彼は激しい暴言を吐くが、えりかはタツキの笑顔を胸に、きっぱりと拒絶する。
彼氏との別れを決意
ある日、隆司は辞令により、本社に異動になった。それは突然のことで、私たちの間でも「まさか」という感じだった。この知らせを聞いた瞬間、私はなぜかホッとした。これはもしかしたら、もう二度と間違えてはいけないよ、と神様が教えてくれているのかもしれない。
私は、隆司と別れる決意を固めた。その決意を康子にも伝えた。別れ話をする日、私の両親はどうしても都合がつかず、康子がタツキと夕飯を食べに出かけてくれた。
「隆司くん、私たち別れよう」
私の言葉に、彼は一瞬、信じられないという顔をした。そして次の瞬間、彼の顔は怒りで歪んだ。
「何言ってんの?わかった…男がいるんでしょ?やっぱシングルマザーって尻軽女ばっかりですね」
これまでの優しい彼からは信じられない言葉が出てきたけれど、こんなところで怯むわけにはいかない。
ついに現れた彼氏の本性
「あなたは私を信じていないし、対等な立場として接してくれていないと思う。タツキとのこれからを考えたとき、あなたとはいられないと思ったの」
「俺はこんなに好きだって伝えてきたのに。俺の気持ちまったく理解してないってことだね。なんだよそれ」
いつもなら、この不機嫌モードで一気に不安になって、彼の思い通りになる言葉を口走っていた。でも、今日は絶対にそうしないと決めていた。
「私はあなたと別れるから」
私がきっぱりとそう告げた瞬間、彼の顔から怒りの感情が消えた。そして、急に私に無関心になった。
「はあ…もう勝手にしてください。もう俺には関係ないんで…今まで、お世話になりました」
彼はため息をついて、背中を見せて振り返りもせず去っていった。私は、彼の変わりように唖然とした。私への興味を完全に失った彼の姿は、まるでそこに存在しないかのようだった。
自分に依存させてコントロールできる状態にした女性だけを愛するタイプの人間なんじゃないかと思う。この人と結婚しなくて本当に良かった。
決別、そして感じる幸せ
結婚とは、お互いを尊重しながら、うれしさも悲しみも共有していくことだと思う。でも、私には向き合わず、自分の都合の良いように私を操ろうとしていた彼は、きっと結婚しても自分勝手に感情を押し付けるだけだっただろう。
失恋の痛みあるけれど、後悔はない。私の話を聞いて助言し、最後まで見守ってくれていた康子には感謝しかない。
すべてが終わり、2人と合流した。康子はわずかに震える私に気が付き、ぎゅっと手を握ってくれた。
「がんばった、えらいよ!えりかはすごい!」
康子のぬくもりに、我慢していた涙がこぼれた。
「康子、ありがとう。私、頑張るから。タツキ、新しいおもちゃ、買って帰ろう!」
タツキが「やったー!」うれしそうにはしゃぐ。私は前を向いた。私の人生は、まだ、始まったばかり。いつか必ず、本当の幸せを手に入れて見せる。
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あとがき:本当の終わり、そして始まり
えりかの勇気と成長を描いた物語もいよいよ完結。隆司が別れを告げられた途端に態度を豹変させたのは、彼がえりか自身ではなく、「自分を愛し、支配できる存在」を求めていたからでしょう。失恋の痛みを感じつつも、一歩踏み出したえりかの姿は、希望と勇気をもらえますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










