🔴【第1話から読む】マイホームの真向かいに住むママ友、明るさの影に見え隠れする“違和感”|フレネミーママ友
マイホームに引っ越してしばらくしてから、家の前にゴミが放置される事象に悩まされ始めたまり。意を決して防犯カメラを設置したところ、ゴミを荒らしていた犯人が判明しますが―――。
家の前にゴミが放置される日々
色々な件があって、仲がいいママ友だったはずのえりこさんの笑顔が、私にとって恐ろしいものに変わってしまった。
その上、私の精神をじわじわと蝕む出来事が続いた。ある朝、家の玄関を開けると、うちの前だけゴミが散乱していた。最初はカラスや野良猫のしわざかと思ったけれど二日、三日とあると、恐怖で胸が押しつぶされそうになった。
夫も最初は「気のせいじゃないか?」と言っていたけれど、頻繁にゴミが散乱しているのを見て、事態の異常さに気づいた。
「これは、誰かが意図的にやっているな」
夫は何かピンときたのか、防犯カメラをつけると言い出した。犯人から見えなさそうな場所に、夫が巧妙にカメラを取り付ける。犯人を特定するためだという。
カメラを取り付けた数日後、またゴミがばら撒かれていた。夫とは「仕事から帰宅したら映像を見よう」と話し、出勤を見送った。
その日の夕方、家の前をえりこさんが通りかかって話しかけてきた。
「まりちゃん、ゴミの件は大丈夫?さっきご近所さんに聞いたよ、いたずらだって?何度もって、大変ね…」
「防犯カメラ」の言葉に、顔色を変えたママ友
私はもしかするとえりこさんもこの件に関わっているかもと思っていたので、ここであえてカマをかけることにした。
「そうなの、困ってて…夫が防犯カメラを買ったんだ」
すると、えりこさんの顔が、一瞬だけ硬直したのがわかった。しかし、すぐにいつもの笑顔に戻った。
「そうしたほうがいいよ、犯人がわかるといいね」
「それで、そのカメラはいつ取り付けるの?」
その言葉を聞いた瞬間、私はゾッとした。カメラがもうついていることは、言わなかった。
夫婦でみた、真犯人の姿
その夜、夫と2人でリビングのパソコン画面をじっと見つめていた。防犯カメラの映像を再生する。数日前から、夜中の映像を早送りで見ていく。カラスや猫が来る様子はない。静まり返った夜の住宅街。
午前2時ごろ。 画面の隅に、人影が映った。フードを深く被り、マスクをした人影が、私たちの家の前にゴミをまき散らしている。私は固唾を飲んで、その人影が顔を上げるのを待った。すると、その人物は周囲を警戒するように顔を上げた。 マスクとフードの間から見えたのは、いつも私に優しい言葉をかけてくれる、えりこさんの顔だった。
「……うわ…」
私は思わず、夫に抱きついた。夫は何も言わなかったけれど、怒りに震えているのは伝わった。私の心は、どんどん闇に吸い込まれていくのがわかった。
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あとがき:証拠が示す真実
この物語のクライマックスです。これまでまりを苦しめてきたすべての出来事が、えりこの仕業だったことが、防犯カメラの映像によって明らかになります。読者もまりと一緒に、犯人の正体を知ったときの衝撃と絶望感を味わうことになるでしょう。この話は、人間の持つ悪意がいかに巧妙で、身近な場所に潜んでいるかを描いています。まりが直面する絶望は、彼女をこの家から逃げ出させようと決意させます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










