🔴【第1話から読む】「母親としてどうなの?」自分と正反対のママ友、SNSでの発言に違和感|ママ友にお説教して後悔した話
里奈のSNSを見るたびに、私の心の奥に湧き上がるモヤモヤは、次第に大きくなっていった。それは、母親としての責任感と、友人としての感情の間で揺れ動く、複雑な感情だった。
里奈の奔放な姿は、私にとっては理解しがたいものだったけれど、単なる価値観の違いともいえる。私は本人に何も言えない中でモヤモヤをつのらせていた。
他人の失敗談を面白おかしく…里奈の投稿に募る、小さな不信感
里奈のSNSでの発言や振る舞いが気になり始めてから、私は彼女との時間が少しだけ息苦しく感じるようになっていた。彼女が冗談交じりに「昨日も朝まで飲んでさー」と話すたびに、私は胸の奥で「またか」と思ってしまう。それが態度に出ないように、私は努めて笑顔で相槌を打った。
私たちは以前と変わらず仲の良いママ友として過ごしていたが、私の中には、彼女との間に見えない壁ができつつあった。ある日、里奈の投稿で、共通のママ友である友美さんのことが書かれているのを見つけた。
「ママ友が園庭で豪快に転んでてつい笑っちゃった。思ったよりヒザ上がってなくてつまづいたってw運動不足って怖いね」
里奈に悪気がないことはわかっていたが、私には友美さんの気持ちを考えると、あまりいい気はしなかった。私は、他人のことを面白おかしく書く里奈の行動に、さらにモヤモヤを募らせていった。
里奈へのモヤモヤが、確信に変わった瞬間
「ねえ、里奈さんってさ、よく深夜まで飲んでるよね?」
ある日、同じクラスのママ友・恵美さんが、私にそう尋ねてきた。恵美も、里奈のSNSを見ているらしい。
「うん…そうだね」と曖昧に答える私に、恵美は少し眉をひそめて続けた。
「大丈夫なのかなって。なんか子どもがかわいそうじゃない?ママがしょっちゅういないわけでしょ?」
恵美の言葉に、私はドキッとした。心の奥で私が思っていたことを、彼女はためらいもなく口にした。私は、自分が里奈に対して感じていたモヤモヤが、決して私だけの思いではないことを知り、少しだけ安心した。
ただ一方で、このままでは里奈が孤立するのではないかと思った。ママ友としての里奈のことは好きで、他のママ友に陰口を言われると思うといたたまれない。
しかし、私は里奈に直接注意することはできなかった。気を悪くされて関係性が悪化するのも嫌だったし、内気な私がせっかく手にしたコミュニティーを失いたくなかったのだ。
🔴【次の話を読む】「親として信じられない」ママ友ランチ会で“お説教”、タブーを犯した瞬間|ママ友にお説教して後悔した話
あとがき:変わらない笑顔の裏での葛藤
この第2話では、主人公が里奈の行動に対するモヤモヤを募らせていく様子が描かれています。主人公は、友人の行動を頭では「自由」だと理解しようとしながらも、母親としての価値観と衝突することで、心の中で葛藤を抱えています。
さらに、別のママ友の言葉によって、自分の感情が客観的なものであることを知り、葛藤はますます深まっていきます。この段階ではまだ、主人公は里奈に直接向き合うことを避けていますが、その心の葛藤は、今後の二人の関係に決定的な影響を与えることになりそうです。










