🔴【第1話から読む】授かり婚の娘に仕事を与えてくれた母、煙たく感じる私は親不孝者?|私は悪い娘ですか?
義母から「サイズが合わなかった」という服を預かったあすか。実母に似合いそうと言われ実母のもとに持っていきますが「趣味が悪い、ゴミだ」と激怒されてしまいます。あすかが思わず「私の立場も考えて」と訴えると、母は「あんたの立場なんてどうでもいい」と冷酷に切り捨て、あすかの心は完全に崩壊へ…。
義母の温かい心遣い
あの日のこと、今でも鮮明に覚えてる。あれが、私たち親子の決定的な溝になったできごとでした。
ある日、夫の俊のお母さん、つまり義母が、私に一着の新品の服を手渡してこう言いました。
「あすかさん、これ、とても素敵な服でしょう?デパートで買ったものなんだけど、試着せずに買ったらサイズが合わなくて。新しいものだから、もしよかったら、あすかさんのお母さんにいかが?とてもお似合いになると思うの」
義母は本当に優しい人です。手渡された服にはまだタグがついていて、花柄のすてきなブラウスでした。上品な風合いで、母も好きそうだと思ったので喜んで受け取ることにしました。
義母の心まで無下にする実母
数日後、母の仕事を手伝いに行ったときにその洋服を渡しました。その日は壮太はパパと家で留守番ができる日でした。
「お母さん、これね、俊のお母さんがくれたの。デパートで買った新品で、少しサイズが合わなかったんだけど、お母さんには似合いそうだからどうぞって」
母は、その袋を開けた瞬間、顔を歪ませた。眉間に深いシワが寄ったのが見えた。
「バカにしてるのね?あちらのお母さまは私のことを」
「え?どういうこと?」
「こんなのいらないわよ、こんな安物でセンスが悪い服欲しくないわ」
母の態度に私は驚くばかりでした。
「そう?それなら処分してもいいよ、お義母さんは着られないって言ってたから」
私も思わず、そう言い返してしまった。きっと、私の顔も強張っていたと思う。
「なによ?ゴミにするものをくれたってこと?うちが自営業でカツカツだからってバカにしてるに決まってるわ」
「そんなことないよ、本当に善意だと思うよ」
私が震える声でそう訴えた瞬間、母の顔は鬼のようになった。母は、私の訴えを、私への攻撃だと受け取ったようだった。
「あちらの親ばっかりかばうのね。あなたまで私をバカにしてるでしょ?」
「違うよ、そんなことあるわけないじゃん」
なんとかなだめようとしたけれど、母の琴線に触れてしまったのか、勢いは止まらなかった。
「どういうことか、あっちのお義母さんに電話かけて聞いてみるわ」
なんと母が義実家に電話をして抗議するというのです。これには私も慌てて
「ちょっと!私の立場も考えてよ、そんなことしないで!」
と大声を出しました。すると母は、私にこう言い返したのです。
「どうでもいい」すべてを否定する母
「あんたの立場なんてどうでもいい!」
「…っ」
私の精一杯の訴えを、母は「どうでもいい」の一言で粉砕しました。私の心の中で、何かが音を立てて崩れるのが分かった。今まで母の機嫌を取ってきた私の努力も、義母と私の関係を気遣う気持ちも、全てが否定されたような気がして。
私は洋服を袋に戻して持ち帰りました。母の「馬鹿にしてんのね」という言葉と、「あんたの立場なんてどうでもいい」という声が、ずっと頭の中で反響しています。
私は、母にとって、自分の地位を脅かす存在か、あるいはどうでもいい付属品でしかなかったのでしょう。相手の親にどう思われようが、義実家との関係が壊れて苦労することになろうが「どうでもいい存在」。そう突きつけられた瞬間だったのです―――。
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あとがき:粉砕された「立場」と努力
義母の好意を無下にされたことよりも、母から放たれた「あんたの立場なんてどうでもいい」という一言が、決定打になりましたね。この言葉は、今まであすかさんが築こうとしてきたすべての人間関係、そして娘としての存在意義すらも否定しています。長年、母の機嫌を取るために心を尽くしてきた努力が、この一言で粉砕されてしまう瞬間は、読んでいる側も衝撃を受けます。この出来事で、あすかさんは自分が母にとって「どうでもいい付属品」だったと突きつけられ、心の中で何かが終わったのでしょう。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










