🔴【第1話から読む】授かり婚の娘に仕事を与えてくれた母、煙たく感じる私は親不孝者?|私は悪い娘ですか?
義母の服をめぐる親子げんかについて謝罪するあすかに対し、母は仕事中にため息と冷たい態度で不満を示します。そして突然、「もう、あんたとは会いたくない」と絶縁を告げたのです。あすかは涙を流しながら壮太を連れて帰宅し、全てを夫に打ち明けることに…。
何とか母との関係を保ちたい
あの喧嘩の夜、私は眠れなかった。母の「あんたの立場なんてどうでもいい」という言葉が、まるで呪文のように耳から離れない。でも、このまま喧嘩別れみたいになるのは嫌だった。やっぱり、なんだかんだ言っても、私は母が好きだったのだと思います。
翌朝、意を決して母にメッセージを送った。
「お母さん、昨日はごめんね。売り言葉に買い言葉だった。何か埋め合わせさせてね」
しばらくして「大丈夫よ」と一言だけ返事が来た。
よかった、これで普通に戻ったんだ。そう思って、ホッと胸をなでおろした。いつものように、仕事を手伝うために壮太を連れて母の家に向かった。
ため息に心がえぐられる
母の家に着くと、母は壮太を抱き上げ、「壮太、よく来たね」と満面の笑みを浮かべます。壮太もうれししそう。母の家に入るときの、温かい空気。私は、この空間が壊れるのが怖かったので、変わらぬ空気に安心感がこみあげました。
でも、私と二人きりになった瞬間、母の態度はガラッと変わりました。
仕事の手伝い中、母は終始ため息ばかりつくのです。
「はぁ…」
「はぁ〜〜…」
その度に、私の心臓はギュッと縮まる。私が何かしたかと聞いても、母は「なんでもない」と答えるだけ。その「なんでもない」が一番キツかった。明らかに私への不満を態度で示しているのだ。まるで透明なナイフで心を刺されているようです。
そして、作業が一段落した時だった。母は突然、顔を私に向けました。その顔は冷たく無表情。まるで、私という存在が視界に入っていないかのようにすら思えました。
母からの拒絶に涙が溢れる
「ねえ、あすか」
その声は、昨日までの怒鳴り声よりもずっと恐ろしかった。
「あのね、あんたの態度にガッカリした」
「…昨日のこと?」
「違うわ。今までの全部。少しは親に対しての態度を考えてほしかったわ」
親に対して考える?今までどれだけ母の顔色を伺って生きてきたか、母は知らないのでしょうか?私がどれだけ、母の期待に応えようと努力してきたか…私の脳内にははてなマークが浮かびます。
「もう、あんたとは会いたくない」
母の冷たい言葉に「嫌だ!お母さんごめんなさい、これからも一緒にいてよ」とすがりたくなるのかと思ったけれど、そんな気持ちにはなれませんでした。あるのは冷たい感覚だけ。
「…分かった。もうこないから」
絞り出すようにそう答えるのが精一杯。
できるだけ早く実家を立ち去るため、母屋で大好きなテレビを見ていた壮太を呼び出し、玄関に向かおうと背を向けた瞬間、涙があふれてきました。ポタポタと床に落ちる涙は、悔しさなのか、悲しさなのか、それとも、ようやく解放されたという安堵感なのか、自分でも分かりません。ただ、今まで溜め込んできたものが、せきを切ったように流れ出たのです。
母は、私の涙を見ても、何も言いません。私は壮太の手を握ってできるだけ平静を装って家に帰り、壮太が眠った後にすべて夫に話そうと決めました。
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あとがき:突然の断絶
直接的な怒鳴り声よりも、無言の圧力やため息が一番人を追い詰めることがあります。母の「あんたとは会いたくない」という言葉は、あすかさんの心臓を射抜いたとありますが、同時に長年の呪縛からの解放の宣告でもあったはずです。玄関で流した涙は、悲しみだけでなく、もう耐えなくていいという安堵も混ざっていたのではないでしょうか。一人で抱え込まず、夫の俊さんに全てを話し、助けを求めたあすかさんの行動は賢明です。ここから、新しい人生を歩むための土台が築かれていくことに期待します。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










