🔴【第1話から読む】授かり婚の娘に仕事を与えてくれた母、煙たく感じる私は親不孝者?|私は悪い娘ですか?
夫の俊は、あすかの感情を理解し「実親とでも縁を切っていい」と断絶を支持します。壮太のために我慢するより、あすかの笑顔が大切だと助言してくれました。俊の言葉に救われたあすかは、自分の心を守り、無理のないペースで新しい生活を築く決意を固めます。
止まらない涙と夫の提案
その夜は夫の俊に、今日の出来事を全部話しました。床に座り込んで、しゃくり上げながら、母に言われたこと、今までのこと、壮太のこと、全部。俊は何も言わずに、ただ私の背中をさすってくれました。
しばらくして、私が落ち着いたのを見て、俊は静かに話し始めた。
「あすか」
「…うん」
「俺は、今はお母さんと縁を切っていいと思う」
その言葉を聞いた瞬間、私の心の中に、一筋の光が差した気がした。誰かに「いいよ」と言ってもらいたかったんだ、と初めて気づいた。
「周りには理解してもらえないかもしれない。親なんだからとか、助けてもらった恩があるだろって。でも、あすかが本当に大事にしたい価値観とか、家族みんなを大切にしてくれる人を大切にした方が幸せじゃないか?」
自分の心を守るため
俊は、私がずっと抱えていた罪悪感を、一瞬で溶かしてくれた。
「壮太は、おばあちゃんがいなくて寂しがるかもしれない。でも、本当に可哀想なのは、毎日おばあちゃんの顔色を伺って、自分の気持ちを押し殺しているママを見ることだと思う。壮太にとっても、もちろん俺にとっても笑顔のあすかが一番大事だよ」
「…」
「それで、時々連絡をしてみたり、無理のないペースで、付き合っていくのはどう?向こうが距離を置きたいと言ったんだから、しばらくはそうしてみよう。仕事も、何か他を探して…。保育園が決まるまでしなくてもいいから」
俊は「完全に断絶する」という極端な方法ではなく、「無理のないペースで距離を置く」という、私たちにとって一番現実的で、法的に、社会的にも軋轢を生みにくい解決方法を提案してくれた。
「社交辞令的でいいから、母の日とか、少しプレゼントを送ったりしてあげるだけでもいいんだよ。自分の心を守るために。」
もう一人のお母さん
そして、俊は私の手を握って、一番心に響く言葉をくれた。
「あすかのことを大事に思っているのはうちの親も同じだよ。もっと甘えて、頼っていいから」
その言葉に、私は本当に救われた。そうだ。私にはいつも私を気にかけてくれる優しい「母」がいる。私は、私のことを大切にしてくれる人を、これからはもっと大切にしよう。
私は、母と縁を切る――当分の間は一切連絡を取らない、仕事の手伝いももうしない、壮太も会わせない――という決断をした。
たくさん腹が立つことをされたし、言われたし、助けて欲しい時に助けてくれないばかりか、追い打ちをかけたりもしてきた母。でも、やっぱり私はお母さんのことが好きだった。だからこそ、期待して、傷ついてきたんだと思う。
でも、きっともう、今の私にはお母さんと離れても大丈夫。
私は、俊と壮太との新しい生活を、私自身のペースで、穏やかに築いていこうと決めました。母を憎むのではなく、ただ静かに、離れる道を選びます。この決断が、私の未来にとって最善だと、今は信じているのです。
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あとがき:心を溶かす夫の言葉
俊さんの存在が、あすかさんにとって最大の救いですね。彼の言葉は、長年の罪悪感を一瞬で溶かしたでしょう。「親なんだから」という世間の常識ではなく、「あすかの心を守る」ことを最優先する姿勢に感動しました。
完全に断絶ではなく、無理のないペースで距離を置くという現実的な解決策を選んだあすかさんは「悪い娘」ではありません。これからは、自分のペースで穏やかな日常を掴んでいけることでしょう。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










