🔴【第1話から読む】通帳とスマホを取り上げて…義妹に聞かされた、弟の異常な行動|弟はモラハラ加害者でした
弟がやりたい放題で弱い者に強くあたる理由は、彼の思春期から続く家族の「見て見ぬふり」にあったと、みちるは振り返ります。弟について情報をある目始めたみちるはやがて、弟のモラハラ気質は3世代で受け継がれた負の鎖だと気づきます。
攻撃的な弟になった原因は
弟のりょうたが、なぜこんな風に人を支配し、攻撃するようになってしまったのか。その原因を考えると、彼の中高生時代のことを思い出します。
5人兄弟の中で唯一の男の子だったりょうたは、幼少期はとてもかわいがられて過ごしていたように思います。しかし、中高生になりいわゆる反抗期を迎えると、家族とのつながりには変化が起きていました。
「おはよう」と挨拶をしても無視。 食事の場で何か話題を振ろうとすれば「うるさい」「関係ない」と一蹴される。 少しでも彼の行動を指摘しようものなら、顔を真っ赤にして激昂するようになりました。家中の物がひっくり返されたり、壁に穴が開いたりすることも一度や二度ではありません。
姉妹であるわたしたちは「何をされるかわからない」という恐怖で、彼を避けるようになってしまいました。りょうたの機嫌を損ねないよう、そっと存在を消すことが、家の中で平和を保つ唯一の方法だったのです。
私自身も、怖いからという理由で、弟に言葉をかけてあげることができず、逃げて生活していました。
母の過去
本来なら、息子の反抗期にもっとも強い行動ができるはずなのは両親です。でも、両親は弟に強く言うことができませんでした。
特に母親は「どうせ言っても聞かない」「また怒鳴られたら嫌だ」と、放置していた記憶があります。つい最近、この見て見ぬふりの原因が母自身から語られました。母自身、子どものころに虐待を受けた経験があったのです。激昂したり、興奮して怒ったりしている人を見ると怖く、注意したり咎めたり、なだめたりといった行動ができなくなるといいます。
父親は当時仕事で忙しく、厳しい人でしたがあまり家にいないので、弟の状況はよく把握できていなかったように思います。
「お母さん、さとみさんから何か聞いていない?」
ある日、私は母に連絡をして思い聞いてみました。母は重い口を開くとこういいました。
「聞いてるわよ。りょうたにきちんと向き合ってこなかったせいで本当に申し訳ないと思ってる。でも、今更私が止めても仕方ないのよ」
なんとも無責任な…と思いましたが、年老いて力も弱い母に、モラ気質の弟を力づくで止めるのは無理。母の過去からしても、話し合いをさせることは難しいように思いました。
受け継がれてしまったもの
母に対する親からの虐待被害、母による弟への不十分な関わり、そして反抗期をこじらせたまま妻にモラハラする弟…。
「3世代で受け継がれてしまったんだ」
この事実に気づいた時、わたしは背筋が凍るような思いがしました。りょうたがしていることは許されることではありませんが、その原因は根深く、私を含めた家族のかかわり方が大きく影響しているのです。
この負の連鎖を断ち切らなければならない。私はこの事実を知り、そう強く決意しました。
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あとがき:弟のモラハラの原因
弟を責めるだけでなく、家族全員の責任だと自覚するみちるさんの視点が重いですね。モラハラの背景には、りょうたさん自身の幼少期の傷と、愛情の欠如があるという事実。さらに、その根源が母から祖母へと遡る「負の連鎖」だったと知った時の衝撃は計り知れません。被害者が無意識のうちに加害者となってしまうという悲しい構図を、みちるさんの代で止められるか。その重い決意が、次なる行動へと繋がります。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










