ある日の夕方、結衣が家に帰ってくるなり、明らかに思い詰めた様子で直美に相談してきました。結衣の様子にただならぬ気配を感じた直美が、恐る恐る結衣のスマホ画面を見せてもらうと、そこには親として即座に介入しなければならない、衝撃的な画像が映っていました。その画像を投稿したのは、写真の頻度で困らせていたAちゃんだったのです。
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塾帰り、顔面蒼白の娘が持ってきた「見てほしいもの」
週末の夕方、結衣が塾から帰宅されたとき、彼女の顔は蒼白でした。リビングに入ってくるなり、いつもは元気な結衣が、もじもじと直美のそばに立ち尽くしました。
「ママ…見てほしいものがあるの」
直美は、嫌な予感を感じながらも、結衣のスマホを受け取りました。ロックを解除し、AちゃんとのグループLINEを開きます。スクロールして現れた画像に、直美は思わず目を背けそうになりました。
そこには、アスファルトの上に横たわる雀の亡骸が映っていました。
「これは親が介入するレベル」…母が引いたLINEトラブルの最終ライン
🔴【次の話を読む】「ごめんね。抜けるね」AちゃんのLINE退会で終わらない、小5娘の心の傷
あとがき:親が介入するべきタイミングは?
雀の亡骸の写真は「道で死んでた!」というメッセージとともに、Aちゃんが送ったもの。生々しい死骸の写真を、悪びれる様子もなく、むしろ「すごいものを見つけた」というテンションで送ってきているようでした。
結衣は、目に涙を浮かべながら言いました。
「みんな、気持ち悪いって言ってるのに、Aちゃんは消してくれない」
この状況は、もはや子どもの人間関係の問題ではありませんでした。動物の死骸の写真を送りつける行為は、精神的な不安定さ、あるいは極端な注目を集めたいという欲求の現れであり、結衣たちに与える精神的悪影響も計り知れません。しかも、親の連絡先は分かりません。
「わかった、ママが先生に相談する。これは、親が話すレベルの問題だよ」
直美はすぐにスマホを閉じ、結衣に言いました。
「結衣はもう、このグループのやり取りは見なくていいよ」
翌日、直美は勇気を出して担任の先生に電話をしました。事の経緯と、スマホをチェックしていること、そして問題の死骸の画像を先生に見てもらうことになりました。先生は事態の深刻さに驚き、すぐにAちゃんの保護者に連絡を取ると約束してくれました。
この第3話では、友人Aちゃんの行動が、親の介入が必須となるレベルにまでエスカレートしたことが描かれています。死骸の写真を送る行為は、単なる悪ふざけではなく、倫理観の欠如と過度な承認欲求を示唆しており、これは結衣の精神的な安全を脅かすものです。
直美は、娘のプライバシーよりも安全を優先し、学校という公的な機関に相談することで、事態の解決を図ろうとします。親として「どこまで見過ごすか」の線引きは、この「死の画像」という極端な事例によって明確に引かれました。










