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🔴【第1話から読む】公園で「わが子に謝って!」仲良しママ友と仲介スタンスが違いすぎる|わが子さえ良ければいいママ友
ブランコの取り合いにより、香の子の勝也くんから叩かれたナオト。真理は勝也くんを注意しましたが、逆に香から咎められてしまいます。「わが子さえ良ければいい」という彼女の考えが、よりはっきりした出来事でした。
夫との会話中、届いたママ友からのメッセージ
結局その日は、すぐに解散した。唯一の救いは、裕也くんが最後まで穏やかにナオトと遊んでくれたこと。勝也くんからはついに、ナオトに対する謝罪はなかった。
その夜、私は夫の誠一に香さんの愚痴をこぼす。
「彼女、矛盾したことを言ってるって気づいてないみたい」
「聞いてると、自分の子さえ良ければいいって感じだね」
「やっぱりそうよね」
そんなふうに話していると、スマホが振動した。
「え、香さん?」
噂の張本人からメッセージが届いて驚く。でも更に驚いたのは、厚顔無恥なその内容。
『今日のあなたの言葉、やっぱり良くなかったと思う。これ見て勉強して。子育ての参考にしなよ』
「…は?」
ダブスタなママ友の意見に唖然
ある教育学者のコラムが書かれたURLが、添付されている。タイトルは「子ども同士の喧嘩は見守る?止める?親が持つべき大切な心得3つ」。内容を見れば、今まで私が実行していたことそのままだった。
【事実を正しく見定めよう。むやみに介入しないように。謝る必要性や、コミュニケーションの大切さを教えよう】
「何これ。香さんが守ってないことばかり!」
私が思わず言葉をこぼすと、誠一もメッセージを読みたがった。スマホを渡せば、彼も「うーん、これは」と渋い表情を見せる。
「見事な手のひら返しだね」
「本当に。この人だけには言われたくないって内容だわ」
憤慨していると、トイレのために起きたナオトが「ママ、怒ってるの?」と聞いてきた。私は慌てて首を横に振る。
「怒ってないよ」
「本当に? 今日僕、勝也くんを怒らせちゃったから…。でも何で、勝也くんは叩いても許してもらえたんだろう」
「ナオト…」
胸が痛い。今日の出来事はやはり、ナオトにとっても矛盾だったのだ。
いつもはちょっとぶつかるだけでも怒られていたのに、勝也くんは叩いてもすぐに許された。子どもでさえ納得いかないのに、どうして香さんは気づかないのだろう。
「もういいや」吹っ切れた心と、少しの心配
…もう、彼女なんてどうでもいい。悲しむナオトの顔を見て、私は吹っ切れた。
「勝也くんのママは許したかもしれないけど、ナオトが許せないならそれでもいいんだよ。だって叩かれたのは、ナオトなんだから」
「そう…だよね」
「うん、そうだよ!」
するとようやく、ナオトの表情は晴れた。
「じゃあ、僕もう一度勝也くんに伝えてみる。痛かったから、叩いたのだけ謝ってって」
「うん…頑張れ!」
やりとりを見て、誠一は笑う。
「ナオトは強くなるよ。相手と自分の気持ちを大切にする考え方ができるんだから。可哀相なのは勝也くんたちかもな。自分ばかり大切にする考え方では、そのうちうまくいかなくなる」
「そうね…」
ふと、香さんの子ども2人の行く末が心配になった。
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あとがき:子育てに大切なことを見落としているのは、はたしてどちらか
子どもたちの手前、大きな荒波を立てずに我慢した真理。しかし帰ってから届いた香からのメッセージに悪い意味で度肝を抜かれます。
上から目線なだけでなく、その内容は彼女自身が守っていないことばかり。今日の出来事は、彼女にとっては真理の不手際に見えたようです。どうやら香は、自分を客観的に見られていないようですね。
けれど今回、ナオトくんの心は傷つき、勝也くんの我儘は助長されたでしょう。本当に子育てに大切なことを見落としているのは、果たしてどちらだったのか。その答え合わせの瞬間は、すぐに訪れることになります。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。










