🔴【第1話から読む】親の前だけではいい子。役者並みの豹変ぶりを見せる近所の子が恐ろしすぎた|親の前だけいい子になる子
こうきの母・まやから、別のママ友・美香に関する陰口を聞いてしまったゆり。非常に厳しい教育方針のまやからすると、おおらかな方針の美香は気になるよう。考え方の違いがママ友の対立を芽生えさせてしまっているようです。
教育方針の違いを疑問に思う
まや「ゆりさんは、奏くんの家のことどう思うの?」
ゆり「どうって、何が?」
まや「もうちょっと、ちゃんとしつけてくれたらって思わない?」
始まりました…。普段は優しく陰口は言わないまやさんですが、筒木家のことだけは気になるみたい。まやさんとはほぼ真逆と言っていいほど、美香さんは人前で怒ることはなくて、おおらかな印象なのです。「子どもが失敗して育つ」という考えなのか、基本的には子どもが何をしていても見守る方針のよう。
確かに奏くんはちょっと荒々しい印象がありますが、親が見ている前では暴れていても、逆に影では歳下の面倒を優しく見てくれるなど、面倒見の良い一面をのぞかせています。本音を言えば、本当に根がいいのは奏くんだと私は思うのです。きっと美香さんや奏くんパパが、奏くんの本質をよく見ているんじゃないかと感じます。
一方、まやさんはこうきくんが少しでも気になる行動をすると「こっちに来なさい」と呼びつけてきつく叱っています。あまりに何度も呼びつけるので、こうきくんが自由に遊べているか心配になるくらいに。
まやさんの陰口を聞きながら、私はまやさんに一言言いたい気持ちになりましたが、ママ友関係のことを思うとうまく言葉にできませんでした。こういうとき、自分の力不足を痛感します。
しかしこのあと、まやさんが自分の子育てへの自信を喪失してしまうようなできごとがおきたのです。
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それからしばらくして、こうきくん・奏くん・泰一で公園で遊ぶ機会がありました。秋祭りについての会議があった後だったので、公民館の目の前の公園に移動して、親たちはベンチで話すことになりました。子どもたちは遊具で遊ぶなど楽しそうな様子でした。
まやさんの陰口を聞いた後なのでハラハラしましたが、さすがにまやさんも美香さんに面と向かって何か言うことはなく、私は少しほっとしていました。このまま穏やかに時間が過ぎればと思っていたのですが…。
話し始めてしばらくして、泰一が泣き叫ぶ声が聞こえたのです。
壊れたおもちゃ
泰一「え゛えええええんん!壊したああああ!!」
こうき「泰一くん、大きい声で泣かないでよ!」
泰一が泣いていて、こうきくんがなだめているように見えました。奏くんは近くに立ち尽くしています。
泰一「僕のおもちゃーーーーー!」
泣き叫ぶ泰一をなだめようと、私は声をかけました。
ゆり「泰一、そんなに泣いてどうしたの」
まや「こうき、何があったの?」
こうき「ママ、あの、これは…」
奏くんの手には、腕が折れたフィギュアがにぎられています。そのおもちゃは、泰一が大事に持ち歩いていたものでした。
まや「え、それ泰一くんのじゃない?奏くん何かしたの?」
まやさんは、直感的にフィギュアを手にしている奏くんを疑っているように見えました。
奏「あ…」
こうき「うん、そう、奏くんが壊しちゃったの…奏くんもわざとじゃないんだけど…」
まや「そうなの?」
奏「え?…はい」
美香「奏がやったの? ゆりさんごめんなさい。新しいものを購入してお返ししますね…」
美香さんはまず私に頭を下げました。その様子を、何か言いたげな表情で見つめている奏くん。いつもよりシュンとして、悲しそうに見えました。
ゆり「いいんですよ、安いものだからまた買おうと思ってたし!」
そのとき、泰一が奏くんからフィギュアを受け取り、じっと見つめた後、あろうことかこうきくんに向かって投げつけたのです。一体なぜそんなことを?私は頭が真っ白になりました―――。
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あとがき:暴かれるエンジェルデビル君
泰一の大事なおもちゃが壊れてしまい、犯人は奏君だと言い張るこうき。奏もそれを認めますが、とうとう泰一が動きます。
ヒーローは悪にだって優しくしてしまうんですね…。
最終話、怒った泰一が放った言葉とは?いい子で演じていたエンジェルデビル・こうきの本当の姿が、まやに明らかになってしまいますー。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










